「VAIO S11」徹底レビュー これぞ待望のSIMフリーLTEモバイルノートPC本日発売!(3/7 ページ)

» 2015年12月18日 06時00分 公開

第6世代Coreを筆頭に先進的なハードウェアスペック

 今回試用した標準仕様モデルは、CPUにCore i5-6200Uを搭載する。開発コード名「Skylake」こと第6世代Coreプロセッサのモバイル向けモデルだ。TDP(熱設計電力)が15ワットの薄型ノートPC向け主力CPUで、2コア/4スレッドに対応し、2.3GHz/最大2.8GHzで動作する。第6世代Coreでは内部構造を改良し、クロックあたりの性能が改善されたほか、内蔵GPU(Intel HD Graphics 520)の描画性能も向上している。

 VAIO Zの「Z Engine」テクノロジーを受け継ぐ放熱設計により、長時間負荷をかけ続けても性能が落ちない冷却性能を実現したという。従来の11.6型モデル「VAIO Pro 11」と比較して、冷却ファンのサイズを大型化し、約2倍の排熱量を確保した。

CPU-ZGPU-Z CPU-Z(画面=左)とGPU-Z(画面=右)の情報表示画面。CPUは開発コード名「Skylake」こと第6世代Coreプロセッサのモバイル向けの中堅モデルであるCore i5-6200U(2.3GHz/最大2.8GHz)を搭載する。Core i5-6200UはGPUコアの「Intel HD Graphics 520」も統合している。EU数が24基、最大クロックが1700MHzと従来より強化された
基板 上がVAIO Pro 11のメインボード、下がVAIO S11のメインボード。ファンのサイズを53(幅)×50(奥行き)×4(高さ)ミリから55(幅)×50.5(奥行き)×5.5(高さ)ミリに大型化し、約2倍の排熱量を確保した。また、CPUやメモリの動作がLTEの受信感度に影響しないよう、CPUとメモリをシールドで覆った

 メインメモリ容量は4GBで増設はできない。種別や速度は公表されていないが、デュアルチャンネルアクセス対応は明記されている。CPU-Zなどのハードウェア情報表示ツールではクロック933MHzと表示されており、LPDDR3-1866と思われる。

 データストレージは128GBのSSDを採用する。デバイスマネージャで確認できる型番は「MZNLF128HCHP-00000」となっており、Samsung製でM.2フォームファクタのSerial ATA 6Gbps接続モデルだ。OSは64bit版Windows 10 Home、オフィススイートはOffice Home and Business Premiumを搭載する。

 なお、直販のカスタマイズモデルは、Core i3-6100U(2.3GHz)もしくはCore i7-6500U(2.5GHz/最大3.1GHz)のプロセッサ(いずれもIntel HD Graphics 520採用)、8GBのメモリ(増設不可、デュアルチャンネル転送対応)、256GB/512GBのPCI Express 3.0 x4 SSD(NVM Express対応ではない)を選択できる。特にハイスペックな構成を選べるのは見逃せない。

 また、プリインストールOSは64bit版のWindows 7 Professinal、Windows 10 Home、オフィススイートはOffice PremiumでHome and Business以外の各エディション(Personal、Professional)、Office 2013の各エディション(Personal、Home and Business、Professional)、Office非搭載の構成も用意している。

SIMロックフリーLTEモデム内蔵、独自のプリメイドSIMも用意

 VAIO S11最大のウリと言えるのが、LTEモデルの存在だ。

 SIMロックフリー仕様のLTEモデムを搭載し、クアッドバンドのLTE(Band 1、3、19、21)および3G(Band 1、19)に対応する。LTEの最大通信速度は下り150Mbps/上り50Mbpsだ。国内専用設計により多くの格安SIMが使用するNTTドコモのバンドを幅広くカバーするのがポイントとなる。また、第6世代Core搭載のモバイルノートPCとして、SIMロックフリーLTE搭載製品は貴重だ。LTEモデルはGPS/GLONASSも利用できる。

 さらに、12月9日にオープンしたVAIOの直販サイト「VAIO STORE」ではPCデータ通信に適した独自のSIMプラン「VAIOオリジナル LTEデータ通信SIM&特別料金プラン」も用意している。これはNTTコミュニケーションズと共同で展開するプリペイド式のSIMで、「手間なし1年間プラン」「手間なし2年間プラン」「手間なし3年間プラン」の3種類から選択できる。

 同プランのSIMは200kbpsの常時接続モードが期間内使い放題、最大150Mbpsの高速通信モードは月々のデータ容量上限も期限切れもなく規定容量(1年で32GB、2年で64GB、3年で128GB)までまとめて利用可能、プリペイド購入で更新・解約は不要という特徴を持つ。SIM単体での価格は1年間プランが1万3800円、2年が2万2800円、3年が3万2800円、VAIO S11同時購入での特別価格は1年が1万1800円、2年が2万800円、3年が2万9800となる。

「VAIOオリジナル LTEデータ通信SIM&特別料金プラン」
プラン名 利用期間 基本通信モード(200kbps) 高速通信モード(最大150Mbps) 単品購入価格(税別) VAIO S11同時購入の特別価格(税別)
手間なし1年間プラン 1年間 使い放題 32GB分付属 1万3800円 1万1800円
手間なし2年間プラン 2年間 使い放題 64GB分付属 2万2800円 2万800円
手間なし3年間プラン 3年間 使い放題 128GB分付属 3万2800円 2万9800円

 このSIMを利用するのに、PC向けの専用ユーティリティソフトも用意した。Windowsの通知領域から高速通信モードのオン/オフ、高速通信モードのデータ残量確認が可能だ。SIMがユーザーの手元に届いたら、SIMをVAIO S11本体の背面にあるSIMスロットに装着して起動するだけで、面倒な設定をすることなく、すぐに利用を開始できる(SIMはMicro SIMを採用)。

独自ユーティリティ 専用ユーティリティソフトでは、高速通信モードのオン/オフ、高速通信モードのデータ残量確認が行える
SIMスロットは背面 ボディの背面にMicro SIMスロットを配置している。さまざまな格安SIMを試しやすいよう、スロットをむき出しで搭載しているのが珍しい

 なお、VAIO S11にはLTEモデム非搭載のモデルも用意されている。LTEモデムの有無に関わらず、通信機能は1000BASE-T対応の有線LAN、IEEE802.11a/b/g/n/acの無線LAN、Bluetooth 4.1を標準で装備する。ビジネスシーンでは、有線LANポートの搭載がやはり今でも便利に違いない。

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