VAIO S11は公称値で約15時間(JEITA 2.0)と長時間のバッテリー駆動をうたう。公称値で約9.0〜9.5時間だったVAIO Pro 11に比べて、外出時の安心感で勝る。VAIOによれば、仕様上は容量38ワットのバッテリーを内蔵するとしている(VAIO Pro 11は32ワットアワー)。バッテリーレポートコマンドでバッテリー容量を確認したところ、デザイン容量が39.58ワットアワー、フルチャージ容量が39.34ワットアワーだった。
実際のスタミナを確かめるべく、バッテリー駆動時間をBBench 1.01で計測してみた。無線LANで常時接続し、60秒間隔でのWebサイト訪問、10秒間隔でのテキスト入力を行う設定で計測している。Windows 10の電源プランは「バランス」で、ディスプレイの輝度は40%で固定した。
この条件でのテスト結果は、バッテリー残量が5%になるまで8時間39分動作した。公称値の約15時間とはかなり差があるものの、ディスプレイは輝度40%の設定でもかなり明るく、常時接続環境でこれだけバッテリー持つならば十分優秀と言っていい。
VAIO S11を一通りチェックしてきたが、SIMロックフリー対応のLTEモデムを内蔵することに加えて、先進的なハードウェアスペック、ボディの堅牢性やコーティング、液晶ディスプレイの視認性、キーボードの打ちやすさ、長時間のバッテリー駆動といった基本部分をしっかり作り込んでおり、全体としても非常にクオリティが高いモバイルノートPCであることが分かった。
ビジネス向けレガシーポートの完備も合わせて、特にビジネスでの運用を前提にした完成度は先代機に相当するVAIO Pro 11に比べて格段に向上している。もちろん、個人でもヘビーに活用できるモバイルノートPCを探しているならば、非常に有力な候補になるはずだ。PCデータ通信での使い勝手に配慮した独自のプリペイドSIMプランもありがたい。
実売価格はLTEモデルで15万9800円前後、Wi-Fiモデルで14万9800円前後だ。第6世代Core搭載ノートPC新製品の相場からすれば、かなり頑張った価格設定ではないだろうか。使ってみて実感できるクオリティの高さからすれば、これは買い得と言えるほどだ。
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