次のWindows 10大型アップデート「Redstone」は2016年6月と年末に配信か鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)

» 2016年01月21日 09時30分 公開
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「Windows 10 Mobile」が本格的に立ち上がる2016年

 「Lumia 950」「Lumia 950XL」など、Windows 10 Mobileプリインストール機の出荷が既にスタートしている一方で、既存のアップグレード対象となるWindows Phone 8.1デバイスへのWindows 10 Mobile OTA(Over The Air)配信はまだ開始されていない。

Lumia 950 2015年にWindows 10 Mobile搭載スマートフォンとしていち早く発売されたMicrosoftの「Lumia 950」。日本での発売は未定だ

 その間にも、Windows 10 Mobile Insider Previewは米国時間の2015年12月17日に「Build 10586.36」が提供され、現在の最新版は「Build 10586.63」となっている。末尾2桁の数字は「Cumulative Update」の差分を意味しているようで、素の状態のBuild 10586に累積的アップデートが何回か行われたことになる。一時期、デスクトップ版のWindows 10とモバイル版のWindows 10 Mobileは、Windows 10 Insider Previewのビルド番号が一緒になったが、また両者で差が開きつつあるようだ。

 2015年12月時点でMicrosoftおよびOEMパートナーらは、Windows 10 MobileのOTA配信を2016年1月に行うと予告しており、もう間もなく配信がスタートしそうな気配だ。例えば、米Windows Centralは仏Bouygues(ブイグ) Telecomと蘭T-Mobile Netherlandsが配信日を1月21日と予告していることを伝えており、そう大きなズレもなく各ユーザー向けのOTA配信がスタートすると予想される。

 Windows 10 Mobileでは、Redstoneのリリースに向けて気になる動きもある。現在、Windows 10 MobileをサポートするSoC(System on a Chip)はQualcommのSnapdragonだけだ。しかし、Redstoneの世代ではよりサポート範囲を広げ、Intel製プロセッサや、Qualcomm以外のARMベースSoCも利用可能になるとみられる。

 理由としては、サポート対象となるSoCを拡大することで開発をさらに促進しつつ、特に途上国向けの市場開拓で「非常に安価なSoC」を用いた低価格スマートフォンの開発を可能にすることが狙いだ。現在、スマートフォンの主要市場はハイエンドからミドルレンジ、さらにローエンドへと移りつつあり、特に100〜200ドル前後の価格帯は競争が激化することで、少しでも安価な部品を選択することが重要になりつつある。

 実際、MicrosoftがARM64(ARMv8ベースの64bitアーキテクチャ)の技術者を大々的に募集していたり、Intelプロセッサを搭載した「Surface Phone」のウワサが再燃していたりと、2016年以降をにらんで何かと動きが活発化している様子が伺える。

 なお、Windows RTの復活はないと思われるが、ARMプロセッサ向けのデスクトップ版Windows 10の開発が進んでいるというウワサも出てきた。ただし、これが本当だとしてもWindows RTが狙った一般コンシューマー向けの製品ではなく、業務用途など特定業界向けのソリューションに特化する可能性が高いと考える。


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