フラットタイプのキーボードでキー位置を把握しやすくする方法として、印字を盛り上げる「エンボス加工」は有効な手段だ。しかし、試作第2号で採用したマイクロファイバー表皮では満足の行くエンボス加工ができない。そこで、表皮の素材をポリウレタンに変更し、エンボス加工を施すことにした。
先述の通り、メタルドームスイッチ単体だとキーのほぼ中心部を押さないと反応しない問題が発生した。そのため、有効範囲を広げるために、サポートシートを挿入することにした。
しかし、単純にサポートシートを導入すると、有効範囲が広がりすぎて、隣接するキーまで押されてしまう可能性が高まる。そこで、サポートシートにキー形状に合わせたスリット(切れ込み)を入れて隣接するキーを押し下げない対策を施した。
試作第2号に対して、上記の改善を施し、フラットカバーキーボードは完成した。最終的には厚みは3.5ミリ、重さは187グラムとなった。メタルドームスイッチを導入したこともあり、厚みは目標より0.5ミリ増しているが、重量は目標よりも13グラム軽くなった。もちろん、機能面での設計方針も満たしている。
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