日本マイクロソフトは「Surface Book」の国内販売を2月4日に開始した。ITmedia PC USERでは米国モデルも合わせて実機レビューを複数掲載してきたが、本稿では筆者が実機に触れて注目したポイントをまとめつつ、Surface Bookが狙う市場について考えてみたい。
Surface Bookの大きな特徴としては、以下の2つが挙げられる。
Surface Bookは、タブレットとキーボードが合体した状態では一般的なクラムシェルノートPCと区別がつかない外見だが、特に既存の2in1型タブレットの競合製品とは大きく異なる点が幾つかある。
まずはインタフェースの配置だ。2in1のタブレットではキーボードなしの単体でも使いやすいように、USBなど幾つかのポートをタブレット側に配置した設計が多い。しかし、Surface Bookではヘッドフォンを除く端子をキーボード側に集めており、これだけを見れば2in1のタブレットには見えないだろう。
次に特徴的なのが、キーボードの着脱機構だ。PC本体にあたるタブレット部とキーボード部は「マッスルワイヤー」と呼ばれる電気式ロックで結合されており、非常に頑丈な作りとなっている。
タブレット部とキーボード部の取り外しは、キーボード右上のボタンを長押しか、タスクトレイ上のアイコンをタップすることで可能だ。取り外しの操作をすると、一瞬間があって準備が完了するとロックが解除され、キーボードを取り外せるようになる。
取り外しの操作をしたときには、「タブレット側にバッテリー残量があるかどうか」と「起動中のアプリがキーボード側のdGPUを使っているかどうか」の2つをチェックしており、どちらかに問題がある場合は警告が表示され、いきなり取り外すことはできなくなっている。
もしタブレット側のバッテリー残量がない場合、取り外した瞬間にOSが落ちてしまうという問題がある。動作中のアプリがdGPUを使用している場合、その動作に不具合が発生する可能性が高い。Surface Bookにはこの2つのトラブルを防ぐ仕組みが盛り込まれており、他の2in1型タブレットと大きく異なる点だとMicrosoftは説明している。
実際にどのアプリがdGPUを利用するかは、MicrosoftとdGPUの供給会社であるNVIDIAの間で「ホワイトリスト」が作成され、これに準拠したもののみがデフォルトで起動時にdGPUを自動選択するよう決定されている。
ただ、この起動時にiGPUとdGPUのどちらを使うのかという部分と、デフォルトでの挙動はメニュー操作で変更できる。またホワイトリストそのものも「NVIDIAコントロールパネル」のアプリで設定可能なので、ユーザーが好みに応じてカスタマイズ可能だ。Surface Bookならではの特徴でもあるので、ここは覚えて使いこなしたいところだ。
ラインアップにはdGPU非搭載モデルもあるのだが、dGPUの搭載はSurface BookをSurface Bookたらしめている部分なので、機会があったら着脱の仕組みとともに是非触れて試していただきたい。
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