最新スティック型PC、マウス「MS-CH01F」徹底比較Cherry Trail世代に進化して何が変わった?(2/2 ページ)

» 2016年02月24日 15時39分 公開
[小川夏樹ITmedia]
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Cherry Trail世代スティック型PCの性能をベンチマークテストで検証

 CPUはAtom x5-Z8300(Cherry Trail)だ。メモリは2GB固定(PC3-12800 DDR3L)。Bay Trail同様、コア数は4、同時に処理可能なスレッド数も4。CPUの通常時の駆動周波数は1.44GHzで、最大1.84GHzへと自動的にクロックアップする。ちなみに、Bay TrailではPC3-10600 DDR3Lのメモリだったので、メモリの高速化がシステム全体に好影響を与えることが期待できる。

 一方、比較対象の「Compute Stick」(STCK1A32WFCR)は、Atom Z3735F(4コア、1.33GHz、最大1.83GHz)というスペックだ。

 Cherry Trailとの動作周波数だけで見れば、通常時は0.1GHz、最大クロック時には0.01GHzしか違わない。大きな差は、前述したようにPC3-10600 DDR3Lのメモリに対し、PC3-12800 DDR3Lへと変わっている部分である。この差がどのように出てくるのか気になるところだ。

CPU-Zの画面。インテルAtom x5-Z8300でCherry Trailときちんと表示されている。マウスコンピューターの製品であることが分かる。Braswellの文字が見える。アーキテクチャーは、Cherry TrailもBraswellも同じAirmont

メインメモリは2GB固定。PC3-12800 DDR3L(DDR3-1600)で800MHzの倍速駆動。内蔵グラフィクスは同じIntel HD Graphicsでも第8世代となる

搭載しているOSは32bit版のWindows 10 Homeだ

PCMark 8を使い3つの用途に耐えるかをチェック

 試用したベンチマークテストはFuturemarkのPCMark 8だ。このうち「Home Conventional」「Work Conventional」「Creative Conventional」をm-Stickシリーズ(MS-CH01F)と、アイ・オー・データ機器が販売するIntel製Compute Stick(CSTK-32W)で計測している。

 Home Conventionalはホームユースにおけるテスト、Work Conventionalはビジネスユースにおけるテスト、Creative Conventionalは静止画や映像編集といったクリエイティブユースにおけるテストである。

 ちなみに一般的なビジネスノートの例として東芝のdynabook R73(インテルCore i5-6300U、2.40GHz/最大3.00GHz、メモリ4GB、Intel HD Graphics 520、64bit版Windows 10 Home)におけるPCMark 8の計測結果も参考に掲載しておく。


 以上の計測結果から、Bay TrailとCherry Trailの比較では、周波数の違い以上のスコア差が出ている。Home ConventionalとWork Conventionalでは両者とも実用に耐える性能を持っているといっていいだろう。

 言うまでもないが新しいCherry Trailのほうが全体的に高速で、CPUの世代差がはっきりと出ている。ホームユースやビジネスアプリを使う程度であれば十分な性能だ。

 ただ、両者ともクリエィティブな用途では、かなり厳しいスコアと言わざるを得ない。ただ、Creative Conventionalのスコア差が123(960-837)とほかの2項目よりも差が大きいことも見て取れる。

Cherry TrailならドラクエXが遊べるかをチェック

 上記のスコア差は、グラフィックス性能が第7世代から第8世代へと進化しているためだと思われる。そこで先述したドラクエXが満足にプレイできるのかをチェックするために「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.4k」を用いてそれぞれでスコアを計測してみた。

 なお、Bay TrailとCherry Trailのいずれも1920×1080ピクセルのフルHD環境で試してみたが、コマ落ちが大量発生してしまいプレイできる解像度であるとは言えないため、1280×720ピクセル(ウィンドウモード)および1280×720ドット(仮想フルスクリーン)の2種類を計測した。

ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.4k(1280×720ピクセル/仮想フルスクリーン)の結果。左がm-Stick MS-CH01F、右がCompute Stick CSTK-32W

ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.4k(1280×720ピクセル/ウィンドウモード)の結果。左がm-Stick MS-CH01F、右がCompute Stick CSTK-32W

 Bay Trailは、1280×720ピクセル(ウィンドウモード)でスコアが1049(重い)、1280×720ピクセル(仮想フルスクリーン)が771(動作困難)となり、とても満足にプレイできそうにない。

 一方、Cherry Trailでは1280×720ピクセル(ウィンドウモード)でスコアが2017(やや重い)、1280×720ピクセル(仮想フルスクリーン)が1092(重い)となり、ウィンドウモードであれば、プレイできることが判明した。Cherry Trailの仮想フルスクリーンでもBay Trailのウィンドウモードのスコアを超えており、やはりグラフィックスの性能がかなり底上げされていることが分かる。

 少々気になったのは 音声出力がHDMIのみである点、32GBのストレージ容量の空き容量が15GB弱しかなく、あっという間に容量不足に陥ってしまう点だ。本製品は、microSDXCメモリーカードを同時購入することが原則になるだろう。

ストレージ容量は32GBのeMMC。初期の空き容量が14.5GBしかない(画面=左)。ベンチマークテストのPCMark 8インストールした直後のCドライブの状態。インストールプログラム(約3GB)を削除したとしても残りの容量は約6GBしかない(画面=右)

本製品を使い倒すなら、micro SDスロットに追加のメモリーカードを装着するのは必須

 Cherry Trailを搭載するm-Stickシリーズ(MS-CH01F)は基本性能といった部分では既存のBay Trail搭載PCよりやや高速、そしてグラフィックス性能では大きく進化していることが分かった。この性能で2万1800円(送料、税込、Web限定価格)は非常にお買い得感が高い。サブPCを1台増やす感覚でとりあえず購入しておいても損はないはずだ。

マウスコンピューター/G-Tune

→PC USER特設ページ「mouse station」
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