5コアコントローラ+第3世代V-NANDの新製品も――日本サムスンが最新SSDを展示リード3200MB/秒!(2/3 ページ)

» 2016年02月25日 17時00分 公開
[鈴木雅暢ITmedia]

第4次産業革命を支えるSSD

IoT推進に向けた経済産業省の取り組みについて離した三浦章豪氏(経済産業省 商務情報政策局情報通信機器課課長)

 イベントでは、最初のゲストスピーカーとして経済産業省の三浦氏が登壇し、あらゆるものがインターネットにつながるIoT(Internet of Things)の活用を中心として、現在進行しつつある第4次産業革命(データ駆動型社会)と政府の取り組みについて説明した。

 第4次産業革命とは、センサーデバイスで現実世界の出来事をデジタルに変えて膨大なデータとして蓄積を行ない、人工知能を活用して解析を行ない、現実世界へ新たな価値をフィードバックする社会のことを表している。

 そのキーテクノロジーとして、IoTのほかに、現実世界をデジタルに取り込むためのセンサー技術、データを蓄積するストレージ技術、解析を行う人工知能技術としてのディープラーニングなどを挙げるとともに、その活用例として、車の自動運転、ドローンによる施工管理、遠隔医療、ウェアラブルデバイスを活用した1人1人に最適化された治療など、これまでは考えられなかったサービスが始まりつつあると紹介した。

 同省では総務省とも連携し、各技術分野を横断する基盤技術の研究開発と、新たなサービスを推進するための実証実験を展開するとともに、障害となりうる規制緩和に取り組んでいるということだ。

 IoTにより集めたビッグデータの蓄積、解析のために高速で大容量のストレージが求められており、SSDはこうした政策を支える存在として、より高速化、より大容量化が期待されている。こうしたIoTを活用した新しいサービスが広がれば広がるほどストレージの果たす役割の重要性も高まると語った。

IoT活用とビッグデータ解析により、これまでとはまったく新しいサービスが創出できる。これは「第四次産業革命」(あるいはインダストリー4.0など)と呼ばれている

IoTとビッグデータにより何が起きているか。どのようなことが可能になるのかの一例

IoTにより、2025年に期待される経済効果

しかし、アクセンチュアの調査によれば、日本の企業経営者の意識は追いついていない傾向になるという。効率が向上するなどという意識から「まったく新しいビジネス、サービスが可能になる」という意識へ変えていくことが大きな課題とした

IoT推進に向けた政府の取り組み。共通基盤技術の1つとしてストレージは重要な役割を果たす

PC事業を分社化した富士通クライアントコンピューティングもSSDを積極採用

富士通クライアントコンピューティング株式会社の大橋慎太郎氏(同社営業推進本部長代理)。ワークスタイルの変革をもたらすスマートデバイスの活用やそれに対するSSDの貢献のほかに、PC事業を富士通から分社化した経緯にも触れた

 富士通から分社して2月1日に設立されたばかりの富士通クライアントコンピューティングからは、大橋慎太郎氏(同社営業推進本部長代理)が登壇し、PC事業の分社化の経緯に触れた。意志決定、開発のスピードを上げ、より強い商品を顧客に届けたいという。PC、タブレットなど、富士通で扱っていた製品はこれまで同様に製品を提供していく。

 また、社名に「PC」「タブレット」といった文字が入っていないことについては、IT機器がさまざま形を変えて活躍するであろう未来を見据えて「PC」「タブレット」という形に縛られず、チャレンジしていこうという意味が含まれていると説明。

 大橋氏は同社の強みとして、企画から開発設計、製造、販売、サポートまで国内で一貫して行なうメイドインジャパン体制ならではの迅速なスピード、高品質、カスタマイズ対応などを挙げる。

 特にノートPC、タブレットの製造を行っている島根富士通の強みを強調した。同社は離職率がきわめて少ないために従業員が熟練し職人化しており、スピーディかつフレキシブル、そして精度の高い製造が行えるという。また、1台のPCを製造するのに17人(ODMによる海外生産なら100〜130人が一般的だという)で行なっていることも品質面でも大きな強みがあるとした。

 同社ではワークスタイルの変革をもたらすスマートデバイスの活用も積極的に提案しており、島根県における道路の維持補修、管理にタブレットを活用する事例を紹介。防水防塵耐薬品仕様のハードウェアと現場向けに開発したオリジナルアプリケーションを合わせて提供し、作業時間の大幅な短縮を実現し、災害などへの迅速な対応に貢献していると話す。同社はこうしたソリューションにおいてSSDを積極的に導入しており、レスポンスの速さ、省電力性、故障率の低さなどといった特徴が、各分野の業務効率化に大きく貢献しているという。

2月1日に設立されたばかりの富士通クライアントコンピューティング株式会社の概要

富士通クライアントコンピューティングの特徴として、Made in JAPAN体制を挙げ、特にノートPC、タブレットの製造を行っている島根富士通の強みを強調した。それぞれの従業員が職人化しており、スピーディかつフレキシブル、そして精度の高い製造が行えるという

企画から開発・設計、製造、販売、サポートまで、国内で一貫してできる体制は、スピード、品質面で大きな強みだとした。分社化によってこのサイクルのスピードをさらに上げていきたいという

国内生産体制により高品質日本一を目指すという

国内一貫体制はサポート面でも大きなメリットがある

個別仕様や専用モデル開発に柔軟かつ迅速対応できる。従業員が職人化しているため、こうしたカスタマイズ品も高品質に保たれるという

カスタマイズの内容。添付品やアプリケーションといった小さなカスタマイズから、専用モデルの開発まで、大小さまざまなカスタマイズに対応する

カスタマイズ事例として、生命保険業務向けタブレットが紹介された

富士通の提案するワークスタイルのサービス内容。デバイスにさまざまなサービスを上乗せして最適解を提供できる

ワークスタイル変革の分野別の具体的な事例

島根県における道路の維持補修、管理業務でのタブレットの活用例が紹介された

ワークスタイル変革ソリューションにおいてもSSDを積極的に導入しており、レスポンスの速さ、省電力性、故障率の低さなどといった特徴が、各分野の業務効率化に大きく貢献しているという

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