イベントでは、最初のゲストスピーカーとして経済産業省の三浦氏が登壇し、あらゆるものがインターネットにつながるIoT(Internet of Things)の活用を中心として、現在進行しつつある第4次産業革命(データ駆動型社会)と政府の取り組みについて説明した。
第4次産業革命とは、センサーデバイスで現実世界の出来事をデジタルに変えて膨大なデータとして蓄積を行ない、人工知能を活用して解析を行ない、現実世界へ新たな価値をフィードバックする社会のことを表している。
そのキーテクノロジーとして、IoTのほかに、現実世界をデジタルに取り込むためのセンサー技術、データを蓄積するストレージ技術、解析を行う人工知能技術としてのディープラーニングなどを挙げるとともに、その活用例として、車の自動運転、ドローンによる施工管理、遠隔医療、ウェアラブルデバイスを活用した1人1人に最適化された治療など、これまでは考えられなかったサービスが始まりつつあると紹介した。
同省では総務省とも連携し、各技術分野を横断する基盤技術の研究開発と、新たなサービスを推進するための実証実験を展開するとともに、障害となりうる規制緩和に取り組んでいるということだ。
IoTにより集めたビッグデータの蓄積、解析のために高速で大容量のストレージが求められており、SSDはこうした政策を支える存在として、より高速化、より大容量化が期待されている。こうしたIoTを活用した新しいサービスが広がれば広がるほどストレージの果たす役割の重要性も高まると語った。
富士通から分社して2月1日に設立されたばかりの富士通クライアントコンピューティングからは、大橋慎太郎氏(同社営業推進本部長代理)が登壇し、PC事業の分社化の経緯に触れた。意志決定、開発のスピードを上げ、より強い商品を顧客に届けたいという。PC、タブレットなど、富士通で扱っていた製品はこれまで同様に製品を提供していく。
また、社名に「PC」「タブレット」といった文字が入っていないことについては、IT機器がさまざま形を変えて活躍するであろう未来を見据えて「PC」「タブレット」という形に縛られず、チャレンジしていこうという意味が含まれていると説明。
大橋氏は同社の強みとして、企画から開発設計、製造、販売、サポートまで国内で一貫して行なうメイドインジャパン体制ならではの迅速なスピード、高品質、カスタマイズ対応などを挙げる。
特にノートPC、タブレットの製造を行っている島根富士通の強みを強調した。同社は離職率がきわめて少ないために従業員が熟練し職人化しており、スピーディかつフレキシブル、そして精度の高い製造が行えるという。また、1台のPCを製造するのに17人(ODMによる海外生産なら100〜130人が一般的だという)で行なっていることも品質面でも大きな強みがあるとした。
同社ではワークスタイルの変革をもたらすスマートデバイスの活用も積極的に提案しており、島根県における道路の維持補修、管理にタブレットを活用する事例を紹介。防水防塵耐薬品仕様のハードウェアと現場向けに開発したオリジナルアプリケーションを合わせて提供し、作業時間の大幅な短縮を実現し、災害などへの迅速な対応に貢献していると話す。同社はこうしたソリューションにおいてSSDを積極的に導入しており、レスポンスの速さ、省電力性、故障率の低さなどといった特徴が、各分野の業務効率化に大きく貢献しているという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.