5コアコントローラ+第3世代V-NANDの新製品も――日本サムスンが最新SSDを展示リード3200MB/秒!(3/3 ページ)

» 2016年02月25日 17時00分 公開
[鈴木雅暢ITmedia]
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さくらインターネットはなぜSamsungのSSDを使うのか

さくらインターネット株式会社クラウド開発室の須藤武文氏は、同社から見たSamsung SSDの魅力などについて語った

 東京と大阪、北海道の石狩に大規模なデータセンターと国内トップクラスのバックボーンネットワーク(事業者間などを結ぶ大容量の通信回線網)をもち、サーバサービスを展開するさくらインターネットもSamsungのSSDを多く導入しているという。

 同社では用途に応じて高性能高耐久製品から高コストパフォーマンスの製品まで幅広いジャンルの製品を導入しており、導入基準は、仕様(性能、耐久性など)と価格(絶対的な安さではなく仕様に対してのコスト)、納期(不規則な発注に柔軟に対応できるか)の3つが重要だと説明する。

 特に性能については「最高速の性能」だけでなく「もっとも遅い場合の性能」も重要で、SSDの性能評価は、あえてワーストケースを想定した「ダーティな状態」にして行なっている。SamsungのSSDはそうした状態での検証でも良い結果を残しているほか、世代ごとに改善が見られており、コストパフォーマンス優先のモデルでも比較的良好な特性が得られていると話す。

 世代が進化すれば良くなるのは当然ではないかと考えてしまうものだが、同社の検証においては他社の製品は必ずしもそうではなく、ある世代は良くても次の世代は良くないということがあるそうだ。

さくらインターネットは、東京と大阪、北海道の石狩に大規模なデータセンターを所有する

さくらインターネットは、大規模なバックボーンネットワーク(事業者間などを結ぶ大容量の通信回線網)もインフラとして持つ

さくらインターネットのホスティングサービスでは2012年からSSDを導入している

すでにSSDは完全に定着した。SSDのメリットを詳細に理解しているユーザーがいるだけでなく、「HDDより良いもの」との認識が広く浸透している印象

さくらインターネットのSSD選定基準。仕様、価格、納期の3つの条件が重要だという

さくらインターネットから見たSamsung SSDの特長

最悪の事態を想定して「最高速の性能」だけでなく「最も遅い場合の性能」も重要視している

Samsung SSDは製品の改良サイクルが速く、確実に性能を向上してくるという。コスト優先のTLCモデルでも2世代前のMLCを上回っていた

最新の上位モデルではさらに上の性能を実現していることが検証でも裏付けられている

世代が新しくなれば必ず性能が良くなるとは限らず、ある世代は良くても次の世代は良くないということがあるそうだ

Samsungのリーダーシップ、V-NANDのアドバンテージを改めて強調

サムスン電子専務・メモリー事業部商品企画TEAM長の李禎培氏は、サムスンのリーダーシップについて講演した

 イベントの最後には、サムスン電子李禎培氏が登壇し、NANDフラッシュメモリのトレンドと同社のリーダーシップについて語った。IoTの活用やビッグデータの解析に加えて、クラウドサービスの普及がストレージの容量需要を大きく後押ししている。データセンターの物理的なスペースを拡張することは容易ではなく、HDDよりもはるかに省スペースで大容量を実現できるNANDフラッシュメモリに大きなチャンスが訪れているとした。

 また、Samsungは、5年にわたってNANDフラッシュメモリ全体だけでなく、モバイル、SSDのシェアいずれもトップシェアであることを紹介し、これからもこれを維持していきたいとした。SamsungはNANDフラッシュメモリとコントローラ両方を開発している強みがあることに加えて、業界に先駆けて導入した3次元NANDフラッシュメモリ「V-NAND」の性能、信頼性、容量面におけるアドバンテージを改めて強調するとともに、プレーナ型NANDの微細化も引き続き続けており、顧客のニーズに応えることができると強調した。

ビッグデータ、クラウドサービス需要により2020年には44Zバイト(44兆Gバイト)ものの容量需要があるという

Samsungは、5年にわたってNANDフラッシュメモリ全体だけでなく、モバイル、SSDのシェアいずれもトップシェアであり、これからもこれを維持していきたいとした

日本のエンタープライズにおいてはSSD化が遅れているが、TCO削減、省電力、故障率の低さなどのメリットを訴求し、認知度を高めていきたいとした

SamsungはNANDフラッシュメモリとコントローラ両方を開発製造している強みがある

Samsungは、業界に先駆けて3次元NAND技術を実用化した。現在は48層の第3世代だが、さらに技術革新を続けていく

容量と書き込み性能は2倍、消費電力は1/2、耐久性は10倍に向上している。TLCでもエンタープライズ向けに使える信頼性がある

プロセス技術の改良も進めており、従来プレーナ型NANDの微細化では業界最小の1znmプロセスルールの導入に成功した

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