東京と大阪、北海道の石狩に大規模なデータセンターと国内トップクラスのバックボーンネットワーク(事業者間などを結ぶ大容量の通信回線網)をもち、サーバサービスを展開するさくらインターネットもSamsungのSSDを多く導入しているという。
同社では用途に応じて高性能高耐久製品から高コストパフォーマンスの製品まで幅広いジャンルの製品を導入しており、導入基準は、仕様(性能、耐久性など)と価格(絶対的な安さではなく仕様に対してのコスト)、納期(不規則な発注に柔軟に対応できるか)の3つが重要だと説明する。
特に性能については「最高速の性能」だけでなく「もっとも遅い場合の性能」も重要で、SSDの性能評価は、あえてワーストケースを想定した「ダーティな状態」にして行なっている。SamsungのSSDはそうした状態での検証でも良い結果を残しているほか、世代ごとに改善が見られており、コストパフォーマンス優先のモデルでも比較的良好な特性が得られていると話す。
世代が進化すれば良くなるのは当然ではないかと考えてしまうものだが、同社の検証においては他社の製品は必ずしもそうではなく、ある世代は良くても次の世代は良くないということがあるそうだ。
イベントの最後には、サムスン電子李禎培氏が登壇し、NANDフラッシュメモリのトレンドと同社のリーダーシップについて語った。IoTの活用やビッグデータの解析に加えて、クラウドサービスの普及がストレージの容量需要を大きく後押ししている。データセンターの物理的なスペースを拡張することは容易ではなく、HDDよりもはるかに省スペースで大容量を実現できるNANDフラッシュメモリに大きなチャンスが訪れているとした。
また、Samsungは、5年にわたってNANDフラッシュメモリ全体だけでなく、モバイル、SSDのシェアいずれもトップシェアであることを紹介し、これからもこれを維持していきたいとした。SamsungはNANDフラッシュメモリとコントローラ両方を開発している強みがあることに加えて、業界に先駆けて導入した3次元NANDフラッシュメモリ「V-NAND」の性能、信頼性、容量面におけるアドバンテージを改めて強調するとともに、プレーナ型NANDの微細化も引き続き続けており、顧客のニーズに応えることができると強調した。
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