VAIO Zクラムシェルモデルは、キーボードの使用感が非常に良好だ。サイズやレイアウトなどは先代モデルを踏襲しているが、クセがない素直な配列で、キーピッチは実測で約19(横)×18.5(縦)ミリと十分な余裕がある。
キーストロークは約1.2ミリと浅めだが、スイッチの感触はとてもよい。軽い力でスッと押し下げることができ、それでいてスイッチが入る感触があり、その後の反発も適度だ。長文入力の際にも疲れにくい。キーボードのタイプ音が小さいことも特徴だ。公共の場などで騒音による迷惑を周囲に掛けたくない場合、キーボードの静音性が強みとなる。
さらに新VAIO Zでは、キートップに「フッ素含有UV効果塗装」という新しい塗装を採用した。この塗装は、皮脂をはじき、汚れが目立たずに拭き取りやすく、耐摩耗性に優れ、キートップのテカリを予防するという。地味な改良だが、ノートPCを長く快適に使うためには重要な部分だ。こうした細かな工夫は大いに歓迎したい。
アルミニウムを削り出してから、ブラスト加工とアルマイト処理を行い、しっとりとした上質な手触りに仕上げたパームレストの感触も、キーボードの快適さを高めている。
キーボードにはバックライトが内蔵され、ACアダプター接続時とバッテリー駆動時のそれぞれで「常に点灯する」「いずれかのキーを押したときに点灯する」「点灯しない」の設定が選べる。
※記事初出時、キーボードバックライトの仕様に誤りがありました。おわびして訂正させていただきます(2016年3月4日19時/PC USER編集部)
ソニーストアなどで取り扱う直販のVAIO OWNER MADE(VOM)モデルでは、4種類からキーボードを選べるのもうれしい。日本語配列、日本語配列かな文字なし、英字配列、そして無刻印英字配列が用意されている。
無刻印英字配列のキーボードは、キートップから一切の印字を取り除き、完全な無刻印にしたPC上級者向けの仕様だ。英字配列のみで、日本語配列は用意されない。キーボードバックライトは内蔵しており、キートップの周囲が光る。ソニーストアオンラインにて台数限定で販売中だ。
キーボード手前のクリックパッドは、素材に硬度の高い1ミリ厚の雲母片岩(マイカ)を採用し、厚みや沈み込みの量を最適に調整している。これにより、左右ボタン一体型のクリックパッドとしては使いやすく、スイッチの感触がよい。
こちらも新VAIO Zでは手が加わっており、パームリジェクション機能が強化された。DSPの解析処理で手のひらと指を区別し、タイピング中に誤って手のひらが触れてしまうことで発生するカーソルの誤動作を防ぐ。実際に手の平をそっと置いてみると、カーソルが反応しないことが確認できる。
このクリックパッドはWindows 10の高精度タッチパッドに対応する。パッドのサイズは105(幅)×65(奥行き)ミリと余裕があり、表面の滑りもよく操作しやすい。Windows 10標準のマルチフィンガージェスチャー機能も快適に利用できる。
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