VAIO Zクラムシェルモデルの13.3型ワイド液晶ディスプレイは、先代モデルやフリップモデルと大きく違う部分だ。タッチパネルおよびデジタイザスタイラスが省かれたことで表面のカバーガラスがなくなり、低反射コートを施した非光沢仕上げとなった。ビジネスなどで生産性を重視するユーザーにとっては、画面への映り込みが抑えられた低反射仕様のほうが使いやすいだろう。
また、VOMモデルでは表示解像度2560×1440ピクセル(WQHD)の高解像度パネルと1920×1080ピクセル(フルHD)の標準パネルが選択できる。画素密度は前者が約221ppi(pixels per inch:1インチあたりのピクセル数)、後者が約166ppiとなる。今回の評価機は前者で、店頭販売向けの標準仕様モデルは後者だ。フリップモデルは2560×1440ピクセルの高解像度パネルのみで、表面は光沢仕上げしかない。
この高解像度パネルはsRGBカバー率100%の色域を確保しており、ノートPCとしては広色域と言える。青色LEDと赤色緑色の蛍光体を組み合わせた「高演色LEDバックライト」を採用しており、力強い赤の発色を可能にしているのも特徴だ。
最近はVAIOノートに限らず、液晶ディスプレイ品質の底上げが進んでおり、220ppi以上の高精細でsRGBカバー率が100%に近い広色域の製品はそう珍しくない。しかし、そうした中にあっても、新VAIO Zは目視での発色のよさ、鮮やかさが目立つ印象だ。
液晶の配向方式にIPSを用いているため、視野角は広い。ユーザーの正面向きにバックライトの光を集めることにより、少ない電力で十分な明るさを確保する「超集光バックライト技術」も採用しているが、少し斜めから画面を見るぶんには特に暗さを感じることはなく、十分に明るく見やすい。
液晶ディスプレイの表示品質については、X-Riteの測色器「i1 Display Pro」とソフトウェア「i1 Profiler」を使って計測も行った。クラムシェルモデルとフリップモデルの液晶ディスプレイは仕様が異なるため、それぞれ計測している。あくまでも評価機の固体について、筆者の環境で測定した結果だ。
クラムシェルモデルの結果は、色温度が6783KとsRGB標準の6500Kに近く、輝度も435カンデラ/平方メートルと高く、色域もsRGBカバー率98.1%(面積比103.9%)とほぼ100%をカバーした。文句のない計測結果と言える。
一方、フリップモデルは輝度が364カンデラ/平方メートルとクラムシェルモデルほどではなかったが、これでも十分な明るさだ。目視では数字の印象ほど差があるようにも見えなかった。その他の計測値はクラムシェルモデルに準じている。
計測結果からも、液晶ディスプレイの高画質が裏付けられた形だ。
新VAIO Zの液晶ディスプレイ | ||
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モデル | VAIO Zクラムシェルモデル | VAIO Zフリップモデル |
画面サイズ | 13.3型ワイド | 13.3型ワイド |
解像度(アスペクト比) | 2560×1440ピクセル(16:9) | 2560×1440ピクセル(16:9) |
画素密度 | 約221ppi | 約221ppi |
配向方式 | IPS | IPS |
表面仕上げ | ノングレア(低反射コート) | グレア |
ヒンジの角度 | 130度 | 130度 |
輝度実測値 | 435カンデラ/平方メートル | 364カンデラ/平方メートル |
色温度実測値 | 6783K | 6796K |
色域実測値:sRGBカバー率 | 98.1% | 98.5% |
色域実測値:sRGB比 | 103.9% | 104.1% |
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