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「Surface Book」徹底検証――37万円の最上位機はどれだけ速い?Surface Pro 4やライバルと比較(2/7 ページ)

» 2016年03月09日 11時00分 公開
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Pro 4と異なるCore i7搭載、Maxwell世代のGeForce GPU採用

 今回の評価機であるハイエンドモデル(SW6-00006)については、スペックを詳しく見ていこう。CPUはSkylakeの開発コード名で知られる第6世代CoreプロセッサのCore i7-6600U(2.6GHz/最大3.4GHz、3次キャッシュ4MB、Intel HD Graphics 520)を採用する。この世代では前世代(Broadwell)から内部構造が改良され、クロックあたりの性能向上、電力効率の向上が図られている。

 Surface Pro 4のCore i7モデルに搭載されているCore i7-6650U(2.2GHz/最大3.4GHz、3次キャッシュ4MB、Intel Iris Graphics 540)と比較すると、内蔵GPUコアに大きな違いがあり、Core i7-6650UのほうがGPUコア重視の設計となっている。従って、クリップボードモード時やCPU内蔵GPUの使用が指定されているアプリケーションなど、GeForce GPUが働かない状況では、Surface Pro 4のほうがパフォーマンスで有利になる。

CPU-Z(1)CPU-Z(2) CPU-Zの情報表示。CPUはCore i7-6600Uを採用する(画像=左)。2コアCPUで、Hyper-Threadingにより4スレッド同時実行が可能だ。標準クロックは2.6GHzだが、Turbo Boost 2.0により高負荷時にはクロックを最大3.4GHzまで上げて処理する。メモリは大容量の16GBを搭載し、デュアルチャンネルで動作する(画像=右)
Surface Book/Proに使われる第6世代Core i5/i7の比較
CPU Core i7-6600U Core i7-6650U Core i5-6300U
CPUコア/同時処理スレッド 2コア/4スレッド 2コア/4スレッド 2コア/4スレッド
標準クロック 2.6GHz 2.2GHz 2.4GHz
最大クロック 3.4GHz 3.4GHz 3.0GHz
GPUコア Intel HD Graphics 520 Intel Iris Graphics 540 Intel HD Graphics 520
GPUコア実行エンジン 24基 48基 24基
GPUクロック 300〜1050MHz 300〜1050MHz 300〜1000MHz
3次キャッシュ 4MB 4MB 3MB
eDRAM 64MB
プロセスルール 14ナノメートル 14ナノメートル 14ナノメートル
TDP 15ワット 15ワット 15ワット

 評価機が搭載しているGeForce GPUの情報をGPU-Zで見ると、開発コード名「GM108」と表示された。つまり、現行のMaxwell世代に属するNVIDIA GPUであることが確認できる。CUDAコアは384基で、ピクセルフィルレートは15.3Gpixel/秒、テクスチャフィルレートは22.9GTexels/秒というスペックから、性能的にはエントリークラスのGeForce 930Mと940Mの中間くらいだろうか。いずれにせよ、ゲーミングPCのような3D描画性能は備えていない。

GPU-Z(1)GPU-Z(2) GPU-Zの情報表示。GeForce GPUはNVIDIAとMicrosoftの共同開発によるカスタム品とのこと(画像=左)。開発コード名「GM108」と、Maxwell世代であることが確認できる。CUDAコアは384基で、954MHz、ブーストクロック993MHzといった情報が表示された。Core i7-6600Uは、GPUコアとしてIntel HD Graphics 520を内蔵(画像=右)。クリップボード時はこちらで動作する。パワフルラップトップモードでも標準ではCPU内蔵GPUが基本で、一部アプリケーションのみNVIDIA GPUが使われるように設定されている
NVIDIAコントロールパネル(1)NVIDIAコントロールパネル(2) GPUの使い分けはNVIDIA Optimus Technologyを採用し、Windows上のNVIDIAコントロールパネルに用意されている「3D設定」で確認できる(画像=左)。アプリケーションを個別に手動で変更することも可能だが、ごく一部ながら変更できないアプリケーションも存在する(画像=右)
GPUの手動割り当て設定GPUを変更できない場合 このようにアプリケーション実行時に、使用するGPUを個別に選ぶことも可能だ(画像=左)。NVIDIAコントロールパネルで設定を変更できないアプリケーションは、アイコンの右クリックメニューから起動する方法でもGPUを変更しての実行ができなかった(画像=右)

 ストレージはPCIe(PCI Express)接続でNVMe(Non-Volatile Memory Express)対応のSSDを採用している。デバイスマネージャでは型番が「NVMe SAMSUNG MZFLV512」と表示され、Surface Pro 4などが搭載しているものと同じSamsung製のM.2型SSD「PM951」と分かる。

 SSDの公称スペックはシーケンシャルリードが1050MB/秒、シーケンシャルライトが560MB/秒、4Kランダムリードが250000 IOPS、4Kランダムライトが144000 IOPSだ。Surface Pro 4など同SSD搭載機のベンチマークテスト結果では、シーケンシャルリード性能が公称スペックを超え、1500MB/秒以上出ていることが多い。

 一方、NANDフラッシュメモリはSamsung最新のV-NANDではなく、プレーナ型のTLC NANDを採用していることもあり、最新SSDとしてはシーケンシャルライト性能はさほど速くない。

デバイスマネージャ画面(1)デバイスマネージャ画面(2) 今回テストしたSurface Bookハイエンドモデルのデバイスマネージャ画面。SSDは「NVMe SAMSUNG MZFLV512」とある

 次のページからは、各種ベンチマークテストでSurface Bookハイエンドモデルの実力をチェックしていこう。

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