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「Surface Book」徹底検証――37万円の最上位機はどれだけ速い?Surface Pro 4やライバルと比較(3/7 ページ)

» 2016年03月09日 11時00分 公開
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最上位モデルをSurface Pro 4やライバルと比較

 それでは、Surface Bookのハイエンドモデルがどれほどの性能を備えているのか、各種ベンチマークテストの結果を見ていく。

 基本スペックをおさらいすると、CPUがCore i7-6600U(2.6GHz/最大3.4GHz、3次キャッシュ4MB、Intel HD Graphics 520)、メモリが16GB、SSDが512GB(PCIe/NVMe対応)、OSが64bit版のWindows 10 Proという構成だ。テストはクラムシェルノートPC形状のパワフルラップトップモードで実施したが、一部のテストはクリップボードモード(CPU内蔵GPUを利用)でも行っている。

 比較対象として、Surface Pro 4のCore i7搭載モデル(Core i7-6567U、8GBメモリ、256GB SSD、dGPUなし)とCore i5搭載モデル(Core i5-6300U、8GBメモリ、256GB SSD、dGPUなし)、そして高性能ノートPCのVAIO Zクラムシェルモデル(Core i7-6567U、16GBメモリ、512GB SSD、dGPUなし)のテスト結果も併記した。

今回テストするSurface Bookと、結果を比較する主なPC
モデル Surface Book(Core i7) Surface Pro 4(Core i7) Surface Pro 4(Core i5) VAIO Zクラムシェルモデル
発売時期 2016年2月発売 2016年1月発売 2015/11月発売 2016年2月発売
CPU Core i7-6600U Core i7-6567U Core i5-6300U Core i7-6567U
CPUコア/同時処理スレッド 2コア/4スレッド 2コア/4スレッド 2コア/4スレッド 2コア/4スレッド
標準クロック 2.6GHz 2.2GHz 2.4GHz 3.3GHz
最大クロック 3.4GHz 3.4GHz 3.0GHz 3.6GHz
CPU内蔵GPU Intel HD Graphics 520 Intel Iris Graphics 540 Intel HD Graphics 520 Intel Iris Graphics 550
4次キャッシュ 4MB 4MB 4MB 4MB
CPU(SoC)のTDP 15ワット 15ワット 15ワット 28ワット
CPU内蔵GPUコア実行エンジン 48基 48基 24基 48基
CPU内蔵GPUクロック 300〜1050MHz 300〜1050MHz 300〜1700MHz 300〜1100MHz
CPU内蔵eDRAM 64MB 64MB
外部GPU NVIDIA GeForce GPU
GPU(CUDA)コア 384基
GPUクロック 954〜993MHz
グラフィックスメモリ GDDR5 1GB
メモリ容量 16GB(デュアルチャンネル) 8GB(デュアルチャンネル) 8GB(デュアルチャンネル) 16GB(デュアルチャンネル)
液晶ディスプレイ 13.5型IPS 12.3型IPS 12.3型IPS 13.3型IPS
解像度 3000×2000ピクセル 2736×1824ピクセル 2736×1824ピクセル 2560×1440ピクセル
データストレージ 512GB SSD 256GB SSD 256GB SSD 512GB SSD
データストレージ型番 NVMe SAMSUNG MZFLV512 NVMe SAMSUNG MZFLV256 NVMe SAMSUNG MZFLV256 NVMe SAMSUNG MZVPV512
ストレージインタフェース PCI Express 3.0 x2(NVMe) PCI Express 3.0 x2(NVMe) PCI Express 3.0 x2(NVMe) PCI Express 3.0 x4(NVMe)
OS Windows 10 Pro 64bit(1511) Windows 10 Pro 64bit Windows 10 Pro 64bit Windows 10 Pro 64bit(1511)
テスト時の電源プラン バランス バランス バランス バランス
テスト時のCPUとファンモード パフォーマンス優先
直販価格(税込) 37万2384円 23万1984円 19万4184円 32万5404円

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Core i7モデルのCPU性能はSurface Pro 4と同程度

 CPU性能を知るため、CINEBENCH R15のレンダリングテストを実施した。「CPU」スコアは、マルチスレッドでCPU全コア/全スレッドに負荷をかけてレンダリングしたテスト結果で、CPUのピーク性能を把握できる。「CPU(シングルコア)」スコアは、シングルスレッドのみでレンダリングしたテスト結果で、OSの基本操作やマルチスレッドに対応してない古いアプリケーションを実行する場合の目安になる。

 テスト結果はCPUが333、CPU(シングルコア)が131だった。クリップボード時のスコアもほぼ同じだ。CPUスコアはCore i7-6650Uを搭載するSurface Pro 4より若干劣っているが、誤差範囲内と言える差で、ほとんど同じと考えてもよいだろう。ともにCPUクロックは最大3.4GHzなので妥当だ。CPUのポテンシャルはしっかりと引き出せている。

 さすがにTDP(熱設計電力) 28ワットのCore i7-6567Uを搭載するVAIO Zクラムシェルモデル(ハイスペックモデル)のスコアには及ばなかった。ちなみに、Surface Pro 4のCore i5モデル(Core i5-6300U)は、CPUが305、CPU(シングルコア)が115というスコアで、それははっきり上回っている。

CINEBENCH R15 CINEBENCH R15のスコア
CINEBENCH R15のスコア比較
モデル Surface Book(Core i7) Surface Book(Core i7) Surface Pro 4(Core i7) Surface Pro 4(Core i5) VAIO Zクラムシェルモデル
テスト時のスタイル パワフルラップトップモード クリップボードモード キックスタンド利用+Type Cover装着 キックスタンド利用+Type Cover装着 クラムシェルノート
CPU Core i7-6600U Core i7-6600U Core i7-6650U Core i5-6300U Core i7-6567U
CPU(cb) 333 334 339 305 375
CPU(シングルコア、cb) 131 131 131 115 151

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同じシリーズのSSDでも容量によってスコアに差異

 ストレージの性能はCrystalDiskMarkで測定した。Surface Pro 4の計測時とはバージョンが微妙に違うが、結果に影響がある変更は行われていない。

 評価機はSamsungのSSD「PM951(MZFLV512)」を採用しているが、同一シリーズの256GBモデルを搭載するSurface Pro 4よりも全体的によいスコアだ。特に書き込み性能は、シーケンシャル、ランダム(4K)ともに大きく向上している。容量増によって並列アクセスが可能になったことで好結果が得られたと思われる。

 SamsungのPCIe x4接続SSD「SM951」のNVMeモデルを搭載したVAIO Zクラムシェルモデルはさすがに突出した性能だが、その例外を除けば、不満のない速さと言える。

CrystalDiskMark 5.1.2(SSD) CrystalDiskMark 5.1.2(5回/1GB)のSSDスコア
CrystalDiskMark 5.1.2(5回/1GB)のSSDスコア比較 単位:MB/秒
モデル Surface Book(Core i7) Surface Pro 4(Core i7) Surface Pro 4(Core i5) VAIO Zクラムシェルモデル
テスト時のスタイル パワフルラップトップモード キックスタンド利用+Type Cover装着 キックスタンド利用+Type Cover装着 クラムシェルノート
SSD型番 NVMe SAMSUNG MZFLV512 NVMe SAMSUNG MZFLV256 NVMe SAMSUNG MZFLV256 NVMe SAMSUNG MZVPV512
Sequantial Read(Q32 T1) 1590 1507 1499 2200
Sequantial Write(Q32 T1) 606.2 309.9 308.1 1577
4K Read(Q32 T1) 557 406 356.8 667.4
4K Write(Q32 T1) 489.4 258.7 228.1 423
Sequantial Read 825.8 818.6 861.2 1703
Sequantial Write 606.4 308.9 306.3 1571
4K Read 43.7 40.47 39.64 54.34
4K Write 159.8 105.2 98.6 177.7

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UHS-II対応でSDメモリーカードスロットの読み書きは高速

 Surface Bookは、UHS-II対応の高速なSDメモリーカードスロットを搭載している。CrystalDiskMarkを使って、この性能も計測してみた。利用したSDメモリーカードは、UHS-IIに対応するSanDisk Extreme PRO(SDSDXPB-064G)だ。

 このテストのみ、同じくUHS-II対応スロットを搭載するVAIO S11(ハイスペックモデル)のスコアも併記したが、これには少し及ばないスコアだった。とはいえ、UHS-I対応スロットを備えたVAIO Zクラムシェルモデルは大きく上回っている。UHS-II対応スロットでしか出せない好結果だ。

CrystalDiskMark 5.1.2(SDカード) CrystalDiskMark 5.1.2(3回/1GB)のSDメモリーカードスコア。SDメモリーカードはSanDisk Extreme PRO(SDSDXPB-064G)を使用
CrystalDiskMark 5.1.2(5回/1GB)のSSDスコア比較 単位:MB/秒
モデル Surface Book(Core i7) VAIO Zクラムシェルモデル VAIO S11(LTE)
テスト時のスタイル パワフルラップトップモード クラムシェルノート クラムシェルノート
SDメモリーカードスロット仕様 UHS-II UHS-I UHS-II
Sequantial Read(Q32 T1) 198.8 40.16 249.8
Sequantial Write(Q32 T1) 187.3 36.85 213
4K Read(Q32 T1) 4.014 6.75 7.048
4K Write(Q32 T1) 1.779 1.22 1.485
Sequantial Read 219.1 44.25 266.8
Sequantial Write 192.5 41.94 219.2
4K Read 3.813 6.123 6.603
4K Write 1.737 0.945 1.231

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