震災×ITの5年間から明日の日本を考える

» 2016年03月11日 14時31分 公開
[林信行ITmedia]

 未曾有(みぞう)と言われた東日本大震災は、我々から多くを奪った。しかしその一方で、多くの素晴らしい「絆」も生み出した。「Hack For Japan」もその1つだ。

 これは21世紀社会の原動力となっているITのチカラを、災害によるさまざまな問題解決に役立てようと立ち上がった有志によるコミュニティで、熱い思いを抱く全国の開発者を巻き込んだものだ。その活動は世界規模で展開されている。

 ハッカソンなどのイベントを通して被災地のニーズを探り、これまでに放射線量や風向きが分かるアプリや、避難所などの情報をマップ上に可視化するアプリの開発、津波被害にあった思い出の写真を救う「フォトサルベージの輪」など、数十のプロジェクトを進めてきた。

本日公開された「ITボランティア年表」。震災後ITがどのように災害による課題解決に使われたかの年表。次の災害への備えにもなる貴重な資料だ

 政府でも対応しきれない社会課題を、ITのチカラを使った有志のコミュニティで解決する「ソーシャルイノベーション」の方法は世界でも大きなトレンドとなりつつある。「Hack For Japan」の活動は、それを日本で最も分かりやすく形にしたものだろう。

 その「Hack For Japan」が東日本大震災の5周年に合わせて、同団体のこれまでの活動や同じ志を持つ他のエンジニア達の取り組みを地図と年表にまとめて公開した。

 年表にある「Source」と書かれたリンクをクリックすると、それぞれの活動から生まれてきた成果を見ることができる。なお、同ページでは、Hack For Japanで把握していない取り組みを登録できるようにフォームも用意している。

Hack For Japanで把握していない活動についてはページの下にあるリンクから登録フォームを呼び出して登録ができる

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー