ここまで主にファイルの取り扱いを容易にするためのアプリについて見てきたが、NASを利用して生産性の向上に寄与するアプリについてもチェックしておこう。ここでは「スプレッドシート」と「Note Station」という2つのアプリについて紹介する。
まず「スプレッドシート」。これはExcelやGoogleスプレッドシートに似た表計算アプリで、ホームユースであれば家計簿をつけたり、ビジネスユースであれば予算計画を立てたり、プロジェクトの進ちょくを管理するなどの作業をブラウザ上で行える。機能はいわゆる表計算ソフトそのものだが、複数メンバーによる共同作業が行えるほか、履歴機能も備えるなど、なかなか本格的だ。タグを使用して異なるカテゴリーのシートを整理することも可能なので、ファイルの数が増えても扱いやすい。
もう1つは「Note Station」。名前からも分かるようにメモ(ノート)を取ってNASに保管できるアプリだが、面白いのは専用のChromeアプリ「Synology Note Station」が用意されていることだ。このアプリ上で記入したテキストメモは、クラウドを経由して自動的にNASに保存されるので、オフライン環境で作成したメモであっても、クラウドを経由して自動的にNASにバックアップされる。外出先で取ったメモをローカルと同期させるのをいつも忘れてしまうという人にはぴったりだろう。星印やタグを付けてメモを分類することも可能だ。
最後に紹介するのは「Webクリッパー」。これはWebページの内容を切り取って保存できるアプリだ。機能そのものはEvernoteのそれとよく似ており、保存対象をフルコンテンツ以外に特定のエリアに限定したり、タグやコメントをつけることもできる。クリップしたコンテンツは前述の「Note Station」に保存されるので、保存容量を気にすることなくWebコンテンツをNASにどんどんクリップし、必要な時に簡単に参照できる。機能そのものは従来のDSM 5.2でも実装されていたが、情報収集力を強化したい人には注目の機能といえるだろう。
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