ポータブルHDDを最新SSDに替えたら爆速になる? 「Portable SSD T3」の場合春のPCパワーアップ計画(2/3 ページ)

» 2016年03月18日 06時00分 公開
[鈴木雅暢ITmedia]
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ココが「○」
・将来有望なUSB Type-Cを搭載
・耐衝撃性に優れる金属ボディー
・パスワード保護ツールを付属
ココが「×」
・両端がType-Cのケーブルは別売
・USB 3.1 Gen.2(10Gbps)非対応
・先代モデルより若干大きい

USB Type-Cを備えた小型軽量ポータブルSSD「Portable SSD T3」

 今回テストしたPortable SSD T3は、クレジットカードサイズの小型軽量なポータブルSSDだ。USB Type-Cポート(USB 3.1 Gen.1対応)を搭載し、Samsungが他社に先駆けて実用化した3次元NANDフラッシュ「V-NAND」を採用している。容量のラインアップは250GBから最大2TBまで用意しており、今回は250GBモデルを試用した。

パッケージ Portable SSD T3の製品パッケージ。見た目の印象もよい

 シンプルなデザインのボディーは、耐衝撃性の高い金属とラバー質の素材で構成されている。金属の部分はサンドブラスト加工が施され、高級感ある仕上がりだ。剛性感も非常に高く、あえて強く握ってみても曲がったり、きしんだりすることはなかった。

 ボディーのサイズは、58(幅)×74(奥行き)×10.5(高さ)ミリとコンパクトだ。フットプリントは2.5インチのSSDやHDD(約100×約70ミリ)よりも小さい。重量も約51グラムと軽量で、ワイシャツのポケットなどにも無理なく収まる。

ボディーデザイン Portable SSD T3は耐衝撃性の高い金属製のボディーを採用している。黒い部分はラバー質の素材が使われている
背面 ボディーの背面。サイズは58(幅)×74(奥行き)×10.5(高さ)ミリ、重量は約51グラムだ。電源仕様は5ボルト/0.7アンペアと記載がある

 実は、先代の「Samsung Portable SSD T1(最大1TB)」は、これよりも小さいボディー(53.2×71×9.2ミリ)を採用しており、重量も約30グラムと軽かった。ただし、先代のボディーは樹脂製で、あえてボディを強く押してみると、ミシミシと素材がきしむ音がするなど剛性感はいまひとつだった。質感の面でも新モデルの方が優れている。

 もともとSSDはHDDと異なり、回転するプラッターや小刻みに動くヘッドなど駆動する部品がないストレージなので、HDDに比べて耐衝撃性や振動に強いという特性がある。Portable SSD T3は、金属製の頑強なボディーを得ることによって、さらに安心感が増したことは大きい。特に携帯しての利用を考えた場合、心強い要素だ。

先代モデルとの比較 上が新モデルのPortable SSD T3、下が先代モデルのPortable SSD T1だ
インタフェース Portable SSD T3(左)は先代モデル(右)より一回り大きい。Portable SSD T3のインタフェースはUSB Type-Cポートを備えている。先代モデルはUSB 3.0 Micro-Bポートを搭載していた

USB 3.1 Gen.1 Type-Cポートを装備

 NANDフラッシュメモリには、Samsungの3次元NAND「V-NAND」を採用する。また、NANDフラッシュメモリの一部を「SLCモード」で利用し、バッファに使うことで書き込みを高速化するSamsungの独自技術「ターボライトテクノロジー」も搭載している。

 インタフェースは、USB 3.1 Gen.1 Type-Cポートを備える。ACアダプターは不要で、USBポートからの給電のみで動作する。このUSB Type-Cは、省スペースかつ上下関係なく差せるリバーシブル仕様で、耐久性にも優れたUSBの新コネクタだ。今後PC、タブレット、スマートフォンのほか、ディスプレイ、ストレージなど、さまざまな周辺機器へ搭載されることが期待されている。

 製品パッケージには、USB Type-CからUSB Type-Aの変換ケーブルが1本付属する。まだ主流はType-Aだという判断からだろう。今後、Type-Cが期待通り普及すれば、両端がType-Cのケーブルは誰もが常備する、あるいはどこででも手に入るような存在になっていくとは思われる。ただ、こうしたケーブルは粗悪品が出回る可能性もあるため、きちんと動作保証の対象となる純正のType-Cケーブルも添付してほしかった。

付属のUSBケーブル 標準でUSB Type-CからUSB Type-Aの変換ケーブルが1本付属する

 USBの規格としては「USB 3.1 Gen.1」ということで、旧USB 3.0相当(信号速度5Gbps、データ転送速度500MB/秒)だ。公称のスペックは「データ転送速度最大450MB/秒、HDDの4倍以上」とだけ表記されており、転送速度にリード/ライトの区別はされていない。最大450MB/秒という数値は先代モデル(リード/ライトとも450MB/秒)と同じで、外付けSSDとして特別速いというわけではない。

 また、ハードウェアレベルでAES(256bit)による暗号化機能に対応し、パスワード設定ソフトウェアも標準で付属する。

パスワード設定アプリ(1) Portable SSD T3のルートドライブに、パスワード設定アプリが保存されている
パスワード設定アプリ(2) パスワードの設定画面
パスワード設定アプリ(3) パスワード設定後は、PCに接続した際に表示される画面でパスワードを入力しないと、内部のファイルを見ることができなくなる。これにより、不正利用を防げる
Samsung Portable SSD T3のラインアップ
型番 MU-PT250B MU-PT500B MU-PT1T0B MU-PT2T0B
容量 250GB 500GB 1TB 2TB
インタフェース USB 3.1 Gen.1(5Gbps)、UASP対応
外形寸法(幅×奥行き×高さ) 58×74×10.5ミリ
重量 約51グラム
転送速度 最大450MB/秒
暗号化 AES 256bit ハードウェア暗号化
セキュリティ パスワード設定(Windows 7以降、OS X 10.7以降、Android 4.4以降対応)
RoHS 指令対応 RoHS2
保証期間 3年

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