施策の2つ目は「Xamarin」だ。2016年2月にMicrosoftが買収を発表した製品だが、.NET+C#をベースにAndroid/iOS/Windowsなどでのクロスプラットフォーム開発環境を提供する。Windows Bridgeが外部プラットフォームから開発者を呼び寄せるのが狙いだったとすれば、Xamarinは既存のWindowsデベロッパーに他のプラットフォームへと進出する機会を提供する。
デモではWindows用のUWPアプリだけでなく、AndroidやiOSエミュレータも動かしてコード検証を行っている様子も紹介されており、こうした用途をカバーする。さらにVisual Studio利用者にはCommunity Editionも含めてXamarinの無償利用権が提供される点もポイントで、これまで有償でライセンスを購入する必要があったXamarinだが、買収効果が一番大きく現れた部分だ。
ポイントの3つ目はAR対応ヘッドマウントディスプレイ「HoloLens」だ。従来のPCやスマートフォンなどとは全く異なる分野でデベロッパーらの可能性を試す仕組みであり、UWP活用の最も大きな市場となるかもしれない。
こちらはBuild 2016の会期中に、開発キットの出荷が開始されたことが報告され、パッケージならびにその内容物の紹介が行われた。HoloLensの活用事例を模索するパートナーとして、新たに日本航空(JAL)が加わっており、その旨の発表は後日同社からも改めて行われるだろう。
このほか、プレス関係者や一部のBuild 2016参加者には「HoloLens Academy(HA)」の名称でVisual Studio+Unityを活用したアプリ構築と、HoloLensを体験できるセッションが用意されており、実際に筆者も体験してみた。
この様子は写真公開禁止とされているため、直接記事で紹介することはできないのだが、幾つか使えそうな画像要素が入手できた段階であらためて記事にしたい。2015年にBuildやE3で体験済みの記者らの体験記と合わせてみると、解像感も向上してレスポンスや認識力も確実に上がっており、大きく進化したという話だった。
特に面白かったのは、複数のユーザーを同時にサーバに接続しての共有と連携システムだ。本来であればHoloLensの装着者本人にしか認識できないオブジェクトが複数人で同時に確認可能であり、さらに相手を攻撃してそのフィードバックを体験できたりと、現実と仮想空間の中間で互いに協調して作業が行える。
当面、公式にHoloLensが日本へ持ち込まれる予定はないようだが、もし機会があれば、ぜひ体験していただきたい。
→・次回記事:Windows 7時代のアプリを「10」対応にするメリットは?
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