では逆に、国内メーカーのNASと比べて台湾メーカーのNASキットが比較的弱いところはどこだろうか。大きく分けて三つあると考えられる。
一つはサポートの問題だ。国内メーカーの製品はメーカー自ら日本語によるサポート窓口を用意しているほか、販売代理店が保守サービスを用意しているケースもある。台湾メーカーの製品もこれらサポートは徐々に拡充しつつあるが、現時点ではヘルプやオンラインでの問い合わせが日本語に対応していなかったり、ユーザー同士の日本語フォーラムが存在していても事実上機能していない場合がある。
英語でのやりとりが苦でなければ問題はないが、そうでない場合はあまりマイナーな機種を選ぶのではなく、ユーザー同士で使い方の情報を共有しやすいメジャーどころの製品をチョイスするといった対策が必要になる。
今回紹介している3社に関しては、少なくともNASのOSレベルではほぼ完璧に日本語化されており、メニューをざっと見ても不自然な日本語はほとんどない。特にQNAPとSynologyは細かい機能についても日本語化が徹底されているので、通常使う上での支障はないだろう。
また、台湾メーカーの製品は基本的にワールドワイド向けに開発されているため、エラーの通知を受け取るためのSMSサービスプロバイダやタイムサーバは、日本では見かけない事業者しか選択肢がないといったケースがある。DTCP-IP機能に対応したテレビ録画のムーブ機能のように日本固有の機能に対応するケースも増えつつあるので、徐々に解消されてくるとは考えられるが、現時点ではまだ細かいところで、「おやっ?」と思わされる箇所も残っている。
もう一つ、ドライブが別売であるため資産として管理するのが難しく、予算を組みにくいと感じる法人もいるはずだが、一部の販売代理店ではこれら台湾メーカーのNASキットにドライブをセットした製品を用意している。国内メーカーの製品とストレージ容量で比較しながらコストを計算するのも容易なので、目当ての製品がある場合は販売代理店のセットモデルを探してみるとよいだろう。
次回はこれら台湾メーカー製NASキットを中心に、NAS製品でトレンドとなっている機能について紹介しよう。
→・SOHO/中小企業に効く「NASキット」の選び方(第2回):担当者必見! 法人向けNAS製品で今抑えておくべきトレンド機能はこれだ
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