IntelのCPUラインアップには、TDP(熱設計電力)を低く抑えた省電力モデルもある。プロセッサーナンバーの末尾に「T」が付くのがそれだ。正規販売用のリテールボックスでもCore i3-6300T、Core i3-6100Tといったモデルが販売されている。省電力志向のユーザーにとってTDPが低いことは何よりの魅力だろうが、これらは買う前にスペックをよく確認したほうがよい。
というのも、TDP 35ワットモデルはCPUのクロックがかなり低い。例えば、Core i3-6300Tは、Core i3-6100よりも400MHzも低い3.3GHz動作でしかない。つまり、性能を低くして電力や発熱を抑えているにすぎないのだ。それでいて、実売価格は4000円前後も高い。キャッシュ容量の差はあるにせよ、明らかに割高だ。TDPを低く抑えたい事情があるユーザーにとっては貴重な製品だが、こうした性質のものであることは理解しておきたい。
なお、Core i3-6300Tは、プロセッサーナンバーからCore i3-6300と同じような性能がありそうに思えてしまうが、プロセッサーナンバーは単にカテゴリー内(同TDPの製品群)での序列を示すものにすぎず、性能の指標ではないので、その点もあらためて指摘しておく。
第6世代Core i3の主なスペック | |||||
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CPU | クロック | キャッシュ | 内蔵GPU | TDP | 実売価格(参考) |
Core i3-6320 | 3.9GHz | 4MB | Intel HD Graphics 530 | 51ワット | 1万9500円前後 |
Core i3-6300 | 3.8GHz | 4MB | Intel HD Graphics 530 | 51ワット | 1万9000円前後 |
Core i3-6100 | 3.7GHz | 3MB | Intel HD Graphics 530 | 51ワット | 1万4500円前後 |
Core i3-6300T | 3.3GHz | 4MB | Intel HD Graphics 530 | 35ワット | 1万8500円前後 |
Core i3-6100T | 3.2GHz | 3MB | Intel HD Graphics 530 | 35ワット | 1万4500円前後 |
以上、ハイエンド、ミドルレンジ、エントリーとそれぞれのカテゴリーで注目のCPUを挙げてきた。第6世代Coreは内部構造の改良により、クロックあたりの性能、内蔵GPU性能、電力効率などが進化し、特に高負荷時の放熱のしやすさはデスクトップPC向けでは実質先代にあたる第4世代Core(開発コード名:Haswell)と比べても実感できる。
ここでは細かいスペックの違いから注目モデルを挙げたが、他のモデルもそれぞれに魅力があり、対価に見合う満足感は得られるだろう。
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