大変お待たせしました。いよいよここからOculus Rift対応のVRコンテンツを紹介していきます。Oculus Riftを入手して以来、有償、無償のコンテンツ合わせて30本くらいのゲーム、アプリケーションを試してみましたが、今回はその中でも特におすすめのコンテンツ3つを選びました。
最初に紹介したいのが、米国西海岸時間の4月28日にOculusストアで販売が開始されたばかりの新作ゲーム「The Climb」です。価格は49.99米ドル。
内容はその名の通り、仮想世界でロッククライミングを体験できるゲームです。僕が試したコンテンツの中で、現状「これほどVRとの相性がよいコンテンツはない」というくらいよくできています。
ゲーム内容は至ってシンプル。The Climbを起動して仮想世界に入ると自分の手だけが画面上に現れ、これをXbox Oneコントローラーを駆使して操作し、ロッククライミングするというものです。
コントローラーのLとRのトリガーがそれぞれ左手と右手に対応していて、Lトリガーを握ると左手でつかみ、Rトリガーを握ると右手でつかみます。
つかめる場所を見極めつつ、トリガーを操作して山を制覇していくのですが、片手だけがつかまっている状態では、体力がどんどん減っていきます。できるだけ両手で岩をつかんで体力を回復させつつ先に進む、というゲーム性も非常によくできてます。
現実ではありえない、命綱なしの仮想世界でのロッククライミングは圧倒的な迫力です。Oculus Riftの持ち味を生かし、高所の恐怖を味わえるのはもちろん、360度見渡せる世界が絶景でゲームの魅力を高めています。
実際のロッククライミングのように、手にはチョークを付けることもできます。チョークが有効な間は体力の減る速度が遅くなるので、定期的にチョークを付けながら進むことも攻略の重要なポイントです。
うまくつかめる岩を見つけられず、モタモタして体力がなくなると、一気に落下してセーブポイントまで戻されます。
仮想世界では命綱がないので、ワンミスで奈落の底です。このときの落ちる感覚は、まさに仮想世界ならではの臨場感で毎回ゾッとします。ホントに落ちたくない気持ちになるので、ゲームの緊張感が一層リアルになるのが、これまでのビデオゲーム体験と全く違うところです。
どうしても手が届かない岩や木には、ジャンプしてつかむ必要があるのですが、このジャンプするときの緊張感もハンパじゃなく勇気が入ります。
The Climbは、現状のOculus Riftにつきまとう制約の中で、非常にうまくゲーム性を実現していて、かなり中毒性が高いVRコンテンツです。
このゲームはCrytekというメーカーが開発しているのですが、ここは実はCryENGINEというゲームエンジンを開発していて、The Climbも同エンジンを用いたゲームとなっています。VR対応のゲームエンジンはUnreal Engineが一番有名ですが、自社製のゲームエンジンをうまく活用したゲームを自らリリースすることで、開発者に向けたCryENGINEのアピールにもなるという意味でも、評価が高いです。
実際、原稿執筆時(現地時間5月8日)にOculusストアでの売り上げが1位でした。
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