ドキュメントスキャナのある生活――「imageFORMULA DR-C240」徹底活用シーン別ポイント解説(1/3 ページ)

性能、機能、品質のすべてで高く評価されているキヤノンのドキュメントスキャナ「imageFORMULA DR-C240」。ここでは家庭にDR-C240があると生活がどう便利になるのか、動画を交えながら活用シーン別に解説していく。

» 2016年05月25日 10時00分 公開
[ITmedia]

 キヤノンのドキュメントスキャナ「imageFORMULA DR-C240」は、ビジネス向け製品でありながら実売価格4万円台前半(原稿執筆時)と、個人向け価格帯で入手可能な一品だ。ヘビーな利用が想定されるビジネスシーンにも耐えうる品質の高さは前回紹介した通り(ワンランク上の性能とはこういうことさ――“超快適”スキャナ「imageFORMULA DR-C240」を徹底検証する)。

 すでにドキュメントスキャナを使ったことがあるユーザーにとっては、高速な読み取り速度や多言語OCR機能、20万枚まで交換不要な給紙ローラー/分離ローラーなど、買い換え候補として魅力的な仕様が満載であることがお分かりいただけたことと思う。

ビジネス向けの品質と性能をコンシューマー向けの価格帯で実現したキヤノンのドキュメントスキャナ「imageFORMULA DR-C240」

 しかし、ドキュメントスキャナ未体験の方にとっては「本当に家庭に必要なのだろうか」「買ったところで無駄になるのではないか」という不安があるかもしれない。今回は、実際にどのように家庭で活用できるのか、動画を交えながら具体的に紹介していこう。

家庭での利用は多目的

 オフィスへの導入に比べて、家庭では費用対効果の“感情的評価点”が極めてシビアだ。夫が導入し、便利なことこの上ないと評価した機器であっても、妻になんの利もなければ「また無駄遣いをして!」と切って捨てられるという家庭は少なくない。ドキュメントスキャナを購入するにあたっては「家族で便利に、多目的に使えるか」というところを考えるべきだろう。

 その点、DR-C240はビジネス向け由来の高い性能とともに、家庭での多目的利用に合わせた機能をあわせ持つ。その現れの一つが本体にある7セグメントのジョブ番号インジケーターだ。これはDR-C240用ユーティリティ「CaptuerOnTouch」と連動し、あらかじめ設定しておいたスキャンプロファイルを簡単に呼び出すためのものだ。さまざまな用途別に最大9つまで設定しておくことができる。

本体前面に独自ユーティリティ「CaptuerOnTouch」と連動するジョブ番号インジケーターを搭載。最大9つのジョブを登録でき、原稿にあわせて最適なスキャンをワンタッチで行える非常に便利な機能だ

 今回は家庭での利用にあたって、ジョブ番号に登録しておきたい設定の例を動画とともに紹介する。

シーン1:高速スキャンが“自炊”で活躍

 前回も紹介したとおり、「自炊」とは紙の本を裁断後、スキャナを用いてPDFなどのデータに変換し、タブレットや電子書籍リーダーなどで読めるようにすることだ。

 今や電子書籍は完全に普及したと言ってもよい状況だが、まだまだ紙媒体の書籍も多い。電子書籍と異なり、紙媒体はどうしてもかさばるため、放っておくと本棚があふれてしまう。そうした理由から雑誌や読み終えた小説などを処分することになるが、刊行後、10年、20年経ってから資料的価値が出る雑誌・書籍も少なくなく、そのときになって「あのとき捨てなければよかった」と悔やんでも遅い。

20年以上前の雑誌だと、オークションサイトで1万円近い値がつくことも珍しくない

 このような人にとって自炊は有力な選択肢だ。読み返すことがあろうがなかろうが、自炊してから処分する。それだけで「これは後々必要になるだろうか」と考える必要がなくなる。さらに、OCR(Optical Character Reader:光学文字認識)を有効にしておくと、自炊した画像データをテキストとして利用できるようになる。紙媒体のままでは不可能だった文字列検索などが可能になり、資料としての使い勝手はさらに高まる。

 電子書籍の場合はDRM(Digital Rights Management:デジタル著作権管理)が有効になっている場合が多く、認証システムの運用元が事業を継続できなくなった場合には閲覧できなくなる可能性がある。しかし、自炊したデータであればそのような心配はなく、個人利用の範囲においてコピーやバックアップすることも可能だ。

 また、独自フォーマットを利用している電子書籍はベンダーから提供されるビューアが必要になるが、今後、新しいOSではビューアが提供されなくなることもあり得る。一方、自炊の場合は一般に広く利用されているフォーマットであるPDFや画像として保存されるため、そのような問題は発生しない。

 今回はコミック雑誌からの自炊を例に挙げる。コミック雑誌は比較的処分することに対する抵抗感はないものの、お気に入りの作品があった場合は単行本化されるまで読み返すことができなくなってしまう。また、少年コミック誌の総ページ400ページ超、厚さ3センチ弱というボリュームは4カ月分でも40センチ近くにもなる。ここはDR-C240で自炊してしまおう。

 コミック雑誌からのスキャン設定のポイントは4つ。地色の除去、256階調グレー、解像度、それと出力ファイル形式だ。

  • 地色の除去

 少年コミック誌の場合、再生紙のために紙質が悪く、薄い緑色や赤などの地色がついてしまっている。これをカラーで残しておく意味はない。スキャン時の画像処理で地色を除去してしまおう。

  • 256階調グレー

 元がモノクロ原稿なのでカラーで取り込む必要はない。だが、白黒二値での取り込みになる白黒、誤差拡散、アドバンスト テキスト エンハンスメント、アドバンスト テキスト エンハンスメント2はどれも吹き出し中のテキストとスクリーントーンを含んだ画像が混在する漫画には向かない。256階調グレーで取り込めばテキストも読みやすく、絵の再現性も高い。

  • 解像度

 解像度と容量はトレードオフの関係にある。必要以上に解像度を求めると容量も大きくなる上に表示に時間がかかるなど、扱いにくくなってしまう。現時点では4Kディスプレイの3840×2160ピクセル、MacBook Proの2880×1800ピクセル、9.7型iPad Proの2048×1536ピクセル、フルHDの1920×1080ピクセルあたりを基準に、PCであれば見開き表示、タブレットであれば縦単ページ表示がドット・バイ・ドットでできることを想定して決めるとよい。具体的にはコミック雑誌などのB5版であれば200dpi、コミック単行本など新書版は240dpi、文庫本だと300dpiあたりがバランスがよいようだ。

スキャンモード>読み取りの設定の「詳細設定ダイアログボックスを使う」を有効にし、設定をクリック

カラーモードは「256階調グレー」

画像処理タブから「裏移り/地色除去」にチェックを入れる

  • 出力ファイル形式

 漫画の場合はPDFよりも画像として保存しておくほうが都合がよい。スキャン時のPDFのメリットはOCRを有効にすることでテキストデータを埋め込めること、1つの作品を1ファイルにまとめられることだが、再生環境であるビューアに制限がある場合がある。PDFファイルの再生をサポートしていなかったり、追加プラグインが必要となるケース、あるいはPDFファイル全体を読み込み終えるまで再生が開始できず、挙動が重たくなるビューアも散見される。

 連番をつけた複数画像を作品ごとに1フォルダに放り込んでおくと扱いやすい。また、フォルダをそのままzipファイルで1ファイルにまとめた複数画像を扱うことができるコミックビューアも多い。圧縮率はほとんど稼げないものの、PDFファイルよりも動作が軽快な傾向にある。

 コミック雑誌は紙にコシがなく表面にざらつきがあるため、2枚以上まとめて送られてしまう重送が起きやすい。だが、今回テストした限りにおいては、DR-C240では一度も発生しなかった。ただし、セットする前に原稿同士がのりでくっついていないことは確認しておこう。

 スキャンした漫画を楽しむには単なる画像ビューアではなく、コミックビューアの機能を搭載したものを選ぶとよいだろう。zipファイルのままで閲覧、最後に読んだページを自動的に記憶する、見開き表示、ページ方向の設定などが判断基準になる。特にページが右から左に進むのは日本漫画特有なので、海外製ソフトの場合には注意が必要だ。

Android用の画像ビューア「Perfect Viewer」。zipファイルの中の画像ファイルをどこまで表示したのかを記憶してくれるので、続きを読むのも簡単

Windows用のコミックビューア「Leeyes」。PCの横長画面には見開き表示が便利

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提供:キヤノンマーケティングジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2016年6月7日

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