2年間インク交換不要を実現した「エコタンク」搭載モデルのモニター企画第二弾は東京大学の研究室。医学研究科で生体構造学を研究する吉川教授に「EW-M660FT」の感想を聞いた。
「エコタンク」搭載モデルのモニター企画第一弾では、洋菓子店に「EW-M660FT」を導入してもらい、どのように活用されたかを紹介した(関連記事:もしもケーキ屋さんが「エコタンク」搭載モデルを使ったら――大容量インクでカラー印刷の負担を削減)。
第二弾となる今回は東京大学での導入事例。医学部の吉川雅英教授にお話をうかがうことになった。吉川教授の研究室で使用するプリンタを探していたところ、エコタンクを搭載したプリンタが目に留まったという。
吉川教授の研究室は、生体構造学との名称からも分かるように、臨床の教室ではなく、生体の基礎的な構造を研究している。主な研究対象は、生物が備えているせん毛やべん毛。人体では気管の異物排除や、卵管での卵子運搬、精子の推進装置などに見られる器官である。この微小管にある分子モーター(ダイニン)の構造や構成部位の研究を行っている。
研究室で作業に従事している人は10名程度とのことなので、ちょっとした企業のオフィスだ。人が多くなれば、それだけにプリントする枚数も膨大な量になると思われる。実際の用途はどのようなものかたずねてみた。
吉川氏 研究室ということもあって、論文を出力することが多いです。ざっと目を通す程度ならばPCや携帯端末のディスプレイでも良いのですが、こういう研究室の場合だと、論文を自分たちで書くだけでなく、他の人たちが書いた論文を審査するという作業もあるんですね。そうした場合にはプリントアウトしてじっくりと読まないと正誤が掴みづらいですから。
吉川氏 もう1つの用途としては、授業で配布するためのプリントです。こちらのほうが枚数的には多くなりますね。現在、我々は医学部の学生さんを教えているのですが、そちらが1学年で110人くらいです。原稿の枚数×110人分なので、結構な枚数になりますね。私の場合ですと、組織学を受け持っているのですが、一回の講義がだいたい1時間くらいです。そうすると両面印刷したプリントが5〜10枚くらいは必要になります。ただ、授業の回数自体はそれほど多くはないので、月あたり1000枚ほどになります。
論文については電子化は進んでいるものの、紙のほうがじっくり読めるという人は多い。特に朱筆を入れるような作業の場合、マウスやタッチパネルでツールを扱うよりは、手でサッと済ませてしまうほうが集中力を削がず、短時間で作業できると考える方は多いはずだ。論文を審査する機会はどのくらいの頻度か聞いたところ、一週間に1度くらい、30ページ程度のカラー原稿を印刷して精読することになるとの事だった。
そして、より大量のプリントが必要になるのはやはり配布物とのことだった。前回の洋菓子店「ラ・クレマンティーヌ」では、大量印刷は外注という使い分けをしていたが、それは販促用の配布物という面が強いからだ。学内で用いる配付資料を外注に出していてはそれこそコストがかかり過ぎる。それゆえにプリンタにはインクコストとともにスピードも要求される。なかなか過酷な環境といえるだろう。吉川教授がこの環境にEW-M660FTを導入しようと思った理由はなんだろうか?
吉川氏 まず魅力を感じたのはやはりインクコストですね。エプソンの大容量タンクを搭載したプリンタについては、それこそ東南アジアで販売を開始した段階から知っており、着目していました。実のところ、モニター当選の連絡が来る前に、すでにEW-M660FTを1台購入していたのですよ。応募はしたものの、まさか当たるとは思っていませんでしたから。
こちらとしてもまさか既所有だとは思わなかったが、少し離れた場所に確かにもう1台別のEW-M660FTが鎮座している。これは、モニターに当選したから仕方なく2台使っているのだろうか?
吉川氏 いえ、そういうわけではありません(笑)。元々研究室では複数台のプリンタ(+A3機)を利用していたんです。短期間に大量の印刷を行うとなると1台では回りきらないことも多いんですね。特に資料はとじた体裁にしているため、両面印刷が必要になりますが、両面印刷ではどうしてもプリントスピードは落ちてしまいます。これを2台の並列作業で補っていたんです。こうした環境ですから、片方だけでもエコタンクを搭載したプリンタにしようと思って購入したのですが、期せずして2台体制が整いました。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2016年6月21日