ビジネスの現場でも“狭額縁”で差をつける! デルの新「Latitude 13 7000」を検証するCore M搭載(1/3 ページ)

» 2016年06月03日 06時00分 公開
ココが「○」
・薄型・軽量と高い耐久性を兼ねるボディー
・見やすいディスプレイ
・打ちやすいキーボードと独立ボタンのタッチパッド
・スピーカーサウンドが良い
ココが「×」
・価格設定が若干高め

ビジネスPCでも高いデザイン性を

 ビジネスノートPCというと、セキュリティや耐久性を重視した堅牢なPCというイメージが強い。デザインやパフォーマンスがいくらよくても、脆弱(ぜいじゃく)なボディーやセキュリティ、メンテナンス性が悪ければ仕事上では使い物にならない。よって華やかな個人向けPCに比べると、デザイン性といった要素は今まで軽視されてきたといえるかもしれない。

Latitude 13 7000 「Latitude 13 7000」の正面。パネル中央上にWebカメラはなく左下にレイアウトしている。正面側面には充電のステータスが分かる白色LEDがあり、カバーを閉めても確認可能だ。左右にスピーカー用のスリットを配置する

 今回取り上げるデルの「Latitude 13 7000シリーズ」(同名称の製品が過去にあるため以下、Latitude 13 7370と記載する)は、“デル史上最小のビジネス向け13.3型ノートPC”をうたう最新の同社ハイエンドモバイルだ。狭額縁デザイン「InfinityEdgeディスプレイ」を採用しながら、カーボンファイバーとアルミニウム加工により、米軍の耐衝撃選定基準「MIL-STD 810G」を満たし、強度と耐久性を兼ね備えている。

 Latitude 13 7370は、1月のCES 2016で登場し、CES Innovation Awardsを受賞している。個人向けデバイスのNew XPSシリーズを基にした大胆なデザイン変更は注目を浴びた。米DELLは「従業員が携帯することが誇らしくなるような美しい製品を目指した」とコメント。ついに、ビジネスPCにおいてもデザイン性や薄さ、軽さを追求する新時代の幕開けを予感させた。

 主なスペックは、ファンレス設計のボディーに第6世代CoreのCore mプロセッサ、最大16GBメモリ(DDR3-1600)、ストレージはM.2 SATA SSD、暗号化SSD、M.2 PCIe NVMe SSDの3種類から選択でき、容量は最大512GB、グラフィックスはIntel HD Graphics 515(CPU内蔵)、ディスプレイは13.3型でフルHD(1920×1080ピクセル)とタッチ対応のQHD+(3200×1800ピクセル)、天板はアルミとカーボンファイバーの2種類からそれぞれ選択できる。

 バッテリーは、34Whrと43Whrを用意し、バッテリー駆動時間は最長約10時間だ。ワイヤレス機能はIEEE802.11ac対応の無線LAN、Bluetooth 4.1、さらに「WiGig」も搭載可能だ。インタフェースはThunderbolt 3ポートとして利用可能なUSB 3.0 Type-Cコネクタ×2、USB 3.0×1、Micro HDMI×1、(SDXC対応)microSDカードリーダー×1、ヘッドセットジャック×1を備える。また、ビジネス用ということもあり、カスタマイズで、タッチ式指紋認証リーダー、FIPS 201認定接触型スマート・カード・リーダー、非接触型スマート・カード・リーダー/NFCといったデバイスもオプションとして選択可能。ざっと羅列しただけでもも、これだけのカスタマイズメニューを用意している。

 本体サイズは、304.8(幅)×210.5(高さ)×14.32(奥行き)ミリで、重量はカーボンファイバー非タッチパネルモデルが1.12キロ、カーボンファイバータッチパネルモデルが1.2キロ、アルミニウム非タッチパネルモデルが1.19キロ、アルミニウムタッチパネルモデルが1.27キロとなっている。

 保守サービスは、プロサポート3年間が標準。翌営業日対応オンサイト保守サービス(6営業日9時から17時)や、24時間365日の電話対応の手厚いサポートがつく。気になる本体の最小構成価格は、13万4980円(税別、送料込)から。

 スペックと価格から想像するとかなり良さそうなPCに思えるが、デザインや携帯性にも注力してスポイルされたポイントがあるか気になるところ。では、ビジネスモバイルLatitude 13 7370の実力をじっくりチェックしていく。なお、デルの直販サイトではビジネスモデルであっても個人の購入が可能だ。企業名の入力欄に「個人」と記入すればOKという。

 今回レビューする評価機の構成は、13.3型フルHD(1920×1080ピクセル)、2コア/4スレッド対応のCore m5-6Y57(1.10GHz/最大2.8GHz)、8GBメモリ(LPDDR3 1600MHz)、256GBのSSD、34Whrバッテリー、Windows 10 Homeといった構成だ。

HWiNFO64(左)とGPU-Z(右)

New XPS 13と似ているようで異なる

 全体的に直線を基調としたデザインで、各エッジ部は丸めて仕上げた。天板はアルミパネルで深みのあるシルバーカラー。天板側面部はダイヤモンドカットされたアルミ部が鮮やかに輝きアクセントになっている。その他はブラックで統一、カーボンファイバー素材にも指紋が付きにくいラバー調コーティングが施され、独特の織り込み紋様を確認することはできない。

Latitude 13 7000 「Latitude 13 7000」
Latitude 13 7000 天板側面部を顕微鏡で見てみると、ダイヤモンドカットされたアルミ部が鮮やかに輝き、アクセントになっている

 13.3型ワイド液晶を搭載したボディーのサイズは、約304.8(幅)×210.5(奥行き)×14.32(高さ)ミリ、実測重量は1199グラム。実際手にとってみると、まず圧倒的なボディー剛性の高さに驚く。たわみなど微塵も感じさせない仕上がりだ。ボディーが薄型のため、約1.2キロのボディーはズッシリ感があるが、重量バランスが良く携帯時のグリップ性は高い。ちなみに、New XPS 13とは似たフォームファクタで横幅も同じだが、そもそもファンの有無によって基本構造が異なり、全く別物の新設計となっている。

左側面にはThunderbolt 3×2(電源入力兼用)、Micro HDMI、microSIMカードスロットが並ぶ
右側面には、ロックスロット、USB 3.0(Power Share対応)、オーディオコンボ、microSDカードスロットを配置する
天面の下部が少しはみ出し、キーボードがチルドするように設計され、ディスプレイを最大180度傾けることも可能できる
手前
背面

 筆者が注目したのは、底面にあるネジ形状がプラスネジとなっている点だ。New XPS 13では、トルクスネジが採用されユーザーによる着脱を想定していない作りだが、Latitude 13 7370ではメンテナンス面が考慮されてプラスネジを採用している。また、英文ながらオーナーズマニュアルには分解・脱着の手順を記載している。

底面

 付属の45ワットACアダプターは、USB Type Cコネクタ端子で出力は2.25A。左側面のThunderbolt 3ポートに接続して充電できる(2ポートあるが、どちらでも充電できた)。ACアダプターの実測サイズが約88(幅)×55(奥行き)×22(高さ)ミリ、実測重量はACアダプター本体が171グラム、ケーブルを含むと268グラム。最近のモバイルPC用ACアダプターとしては比較的小柄な部類なるが、3芯ビニルキャブタイヤ丸形コードを採用しているので、コード部分が重く、少しかさばってしまう。このあたりは、軽量化より断線を防ぐという信頼性を重視した形だ。

付属のACアダプター

 バッテリー容量は4セル34ワットアワーで、公称の駆動時間は約10時間としている。(実測によるベンチマークのデータは後述する)バッテリーは本体に内蔵され、ユーザーによる着脱を想定していない作りだ。

デル株式会社

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