富士通とパナの合弁会社ソシオネクスト 三人称視点でカメラをグリグリ動かせるドローンがまるでゲームの世界COMPUTEX TAIPEI 2016

» 2016年06月04日 06時00分 公開
[山口恵祐ITmedia]

 富士通とパナソニックの半導体(LSI)事業が統合して設立されたソシオネクストが、台湾・台北市で開催されているCOMPUTEX TAIPEI 2016に出展中だ。ブースではイメージング分野に強い同社のさまざまな技術展示が行われているが、中でも特に目を引いたのがドローンに取り付けたカメラの映像を、あたかも3人称視点から見られるというものだ。

4つのカメラを搭載したドローンのプロトタイプ 4つのカメラを搭載したドローンのプロトタイプ
COMPUTEX TAIPEI 2016 ソシオネクストブース

 映像を確認すると、カメラを搭載しているはずのドローンを中心として視点がグリグリと動いているのが分かるだろうか。これは、ドローンに取り付けられた4つのカメラから360度の映像を取得し、自社開発のソフトウェアに搭載したアルゴリズムによって処理することで、ドローンが静止しているにもかかわらず自由に視点を動かして映像を表示できるといったものだ。

 さらに、あたかも操作しているドローンの周囲を別のドローンが自在に飛んでいるような3人称視点で見渡すこともできる。通常のドローンに搭載されたカメラでは、カメラ自体の視点を動かすかズーム操作しかできないが、これなら直感的に周囲の状況を確認しながらドローンを操作できる。

映像に仮想のドローン本体を表示して周囲の映像をグリグリ動かすことができる。まるでレースゲームの後方視点のようだ

 このドローンはあくまでプロトタイプであり、ソシオネクストがこの技術を搭載したドローンを製品化するというわけではないという。このソフトウェア技術をドローンメーカーに供給することで、製品化につなげられればとのこと。

そもそもソシオネクストとは?

 ソシオネクストは、2015年3月1日に富士通とパナソニックの半導体(LSI)部門が統合して設立された日本企業だ。工場は持たずに製品とソリューションを中心に展開している。同社が、今注力するのはイメージング分野だ。富士通とパナソニックの技術によって、「撮る」「見る」「送る」「映す」を全て高品質にカバーできるのが同社の強みであると担当者は語る。

 台湾においては、これまで香港拠点の分室という形で展開していたが、2016年4月1日に台湾で子会社となるソシオネクスト台湾(Socionext Taiwan/台灣索思未來科技)を設立した。台湾は市場として大きくはないが、台湾の企業とコラボレーションすることでシナジーを生み出し、アジアやアメリカ、ヨーロッパといったワールドワイドに広げていくアジアの拠点とするのが同社の狙いだ。拠点を台湾とした理由は、日本から距離が近いところにあるという。例えば中国の場合、文化や言葉の問題でなかなか定着が難しいという。

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取材協力:TAITRA

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