4つの新OSで何が変わる? Appleが示した7つの方向性を林信行が読み解くWWDC 2016現地レポート(4/8 ページ)

» 2016年06月15日 04時00分 公開
[林信行ITmedia]

4、Apple製人工知能が実現した情感に訴えかける「写真」機能

[(watchOS)、iOS、tvOS、macOS]

 今や世界で最も多くの写真が撮られているカメラがiPhoneなのはご存じの通りだが、そのiPhoneで写真を整理する方法が大幅に進化する。iOS 10では、iPhone側の処理で写真に写っている人の顔を識別し、自動的にまとめてくれる。この機能を使って、Siriに「誰それが写っている写真」と命令すれば、その人が写っている写真だけをまとめて表示できる。

iPhone側で被写体の顔を認識し、整理してくれる。Siriを使って名前で写真を絞り込み表示もできる

 さらにGPS位置情報や、写真中に写っている有名な観光スポットなどを画像認識してタグ付けしてくれる機能もある(ちなみに同様な機能はGoogle Photoも提供している)。Appleの人工知能は1枚1枚の写真を認識するために110億もの計算を行っているという。

 こうして認識した写真は、いつごろどこで撮った写真かという情報を元に、例えば同じ旅行期間中の写真や、冠婚葬祭などの祝い事の写真が自動的にまとめられて、どんな写真のまとまりかが分かるタイトルが(少なくとも英語では)自動的につけられる。

背景に写っている景色を認識して位置を特定。それを使って検索することもできる

写真が旅行中のものかなどを自動で識別してアルバムを自動的に作成してくれる

 さらに、写真の内容に応じたBGM付きのスライドショー映像にまとめて再生することも可能で、スライドショーのテーマを変えるとBGMに合わせて写真などが表示されるタイミングも自動的に切り替わる。

さまざまな方法で自動認識し整理された写真

情感に訴えかけるスライドショーも自動生成

 かつてAppleが提供していたiLifeというアプリ群の1つ、iPhotoでスライドショーを作ったことがある人がいるなら、なんとも情感に訴えかける素敵な仕上がりを印象深く覚えていることだろう。「写真」機能の背後で使われている技術はそれとは別のようだが、体験自体はそれに近い。

 なお、同社の提供する写真サービスは、iCloudを経由し、watchOS、iOS、tvOS、macOSで連動しているが、このうち少なくともiOS、tvOS、macOSでは、このスライドショーを見て楽しむことができるようだ。

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