はいふり公式アプリに見る「オタクをアクティブにさせる」仕掛けはいふりよ、永遠なれ

» 2016年06月23日 06時00分 公開
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 オタクである大須先輩と一般人の栄(さかえ)ちゃんと一緒に、オタクが使うテクノロジーとその日常を紹介していく本連載「オタテク」。第5回はアニメハイスクール・フリートを例に「ネットやスマホでオタクがアクティブになっていく話」を紹介します。

 大須先輩は、ハイスクール・フリートに夢中の様子ですが、スマートフォンやネットがあることで、アニメ視聴だけじゃない、オタクがよりオタク活動を楽しむためのコツが存在するようで……?

大須(おおす)先輩

……日本橋の銀行に勤めるアラサーオタク女子。好きな声優は久保ユリカ。栄ちゃんの同僚であり、先輩。

 今好きなアニメは、はいふり改め、ハイスクール・フリート。アニメをきっかけに「はいふり公式アプリ」にハマる。先日栄ちゃんに「ハイスクール・フリートで好きな晴風クルーは?」と聞いて、キャラクターを選ばせた。ちなみに、大須先輩が好きな晴風クルーは納沙幸子。

栄(さかえ)ちゃん

……大須先輩の後輩。大須先輩と同じ日本橋の銀行に勤務。非オタクの一般人。

 今期のアニメは「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない」だけ鑑賞している。ハイスクール・フリートで好きな晴風クルーは山下秀子(しかし、アニメは観たことがない)。


はいふり公式アプリに見る「オタクをアクティブにさせる」仕掛け

黒居裕 漫画 はいふり ハイスクールフリート
黒居裕 漫画 はいふり ハイスクールフリート

用語:岬明乃(みさきあけの)

 ハイスクール・フリートの主人公キャラクター。晴風の艦長。ばかで何も考えずに前に出ていくザ・主人公。序盤は自分一人で突っ込んでいく場面が多いが、話数重ねるにつれ、みんなを頼って、みんなで突っ込んで行くようになる。また、幸運の持ち主で入試の際もヤマを張ったら当たりまくって艦長に就任するとか。

用語:納沙幸子(のさこうこ)

 ハイスクール・フリートのキャラクター。晴風クルーの記録員。タブレットを持ち歩き、主に解説役。個性的でアクが強く、アニメ内で一人芝居を頻繁にします。しかし、ヴィルヘルミーナ(通称:ミーナ)が、「仁義がない感じの映画」を好きだと知ると意気投合。自分と同じ系統の映画が好きだと知ったことで、その結果、ミーナと二人芝居を繰り広げることが多くなりました。その後、バリエーション豊かだった一人芝居も「仁義がない」テイストで固定される。

 著者の推測では、知り合いはいるが友達はいないタイプの娘で、一度心を許すと一気に距離感を詰めてベッタリしてしまう、人との付き合い方が苦手なオタク女子だろうと思っている。そんな納沙さんが著者は大好きです。

用語:知床鈴(しれとこりん)

 ハイスクール・フリートのキャラクター。過去、第1回目第2回目にも久保ユリカさんの解説内で登場していた、はいふりのキャラクター。知床鈴役の声優はもちろん、久保ユリカさん。逃げることに関しては天才的な内気な航海長キャラ。

 心理テストで「真面目系クズ」と診断されたりしますが、艦長の岬明乃に励まされることで大きく成長します。ちなみに彼女のツインテールは、キャラクター原案を担当したあっと先生が飼っている犬のしっぽがモデルだそうです。

用語:山下秀子

 大須先輩の「どのキャラが推しなの?」という質問に対し、栄ちゃんが見た目で「好き」と発言したハイスクール・フリートのキャラクター。役職は左舷航海管制員。糸目。かわいい。

用語:内田まゆみ

 ハイスクール・フリートのキャラクター。先ほどの漫画の2ページ目の4コマ目にいる褐色美少女です。役職は右舷航海管制員。秀子の反対側。メインキャラではないが、その中でも結構出番が多かったり、エンドカードにでてきたり、スタッフに優遇されている説があります。美少女。

用語:「ハイチーズ!」(声:夏川椎菜さん)

 はいふりカメラのシャッター音。岬明乃役の声優である夏川椎菜さんの声で「ハイチーズ!」と言ってくれます。ちなみに著者は新宿バルト9のロビーのサウザンドサニー号の前で「晴風だ!」と興奮してしまい、写真を撮った際に、その場で思いっきり夏川椎菜さんの声を響かせるという経験をしました。一緒にいた友達に蹴られました。サウザンドサニー号は漫画「ワンピース」の船で、はいふりは関係ありませんが、みんなも気を付けてね。

用語:横須賀市

 神奈川県東南部のペリーが来航した場所。そしてハイスクール・フリートの聖地。

 晴風クルー(「晴風」に乗艦したクルーのキャラのこと)の等身大パネルが店にあったり、市のイベントがあればコラボしたりしています。横須賀市内の郵便局やJRともコラボしており、横須賀市にある逸見保育園では「逸見保育園らいおん組のみんな」が晴風クルーである納沙幸子の誕生日を祝うなど、なかなか面白い推し方をしていることで話題。

 6月12日の「よこすかYYのりものフェスタ」においては、ハイスクール・フリートのイベントも多く開催され、三笠公園では「おじさんばかりでピンチ!」という名前のスタッフトークショーが開かれたり、護衛艦「いずも」の艦内ではアニメに出演している声優がトークショーを行ったりしました。

 ※著者は「護衛艦内での声優トークショー」という、もう二度とないであろうイベントに参加し、とても貴重な経験ができました。名物の海軍カレーとチェリーチーズケーキがおいしかったです。また、9月に行われるイベントも横須賀の横須賀芸術劇場で行われます。楽しみですね。

大須先輩が着ているTシャツ

 「I ラブ HAIFURI」とプリントされています。実際発売される予定の商品はこんな感じ。2016年7月7日に2500円(税別)で発売とのこと。


(はいふり改め)ハイスクール・フリートの魅力

 ハイスクール・フリート(以下、はいふり)は海の治安を守る「ブルーマーメイド」を目指す少女達が「晴風」という艦で成長していくアニメです。晴風クルーが31人+1人と多く、また世界観も複雑ですが、前日譚コミックスなどでそれらを覚えたうえでみると、初見のときよりも格段に面白くなります。一部からは、「はいふりは学問」「はいふり学」などといわれています。

 冒頭から分かるようにはいふりは、横須賀市とのコラボをはじめ、JR東日本でスタンプラリーを行ったり、SEGAのゲームセンターでタイアップを行ったり、ソーシャルゲーム「アンジュ・ヴィエルジュ」とコラボしたりとコラボ展開にかなり力を入れています。

 さらに最終回の後には月刊コミックアライブ(KADOKAWA)で、ミーナの前日譚スピンオフ連載がスタートすることも決まっており、放送終了後もさらに展開を続けていく様子。ちなみに、キャラクターはアニメ「のんのんびより」の作者・あっと先生が、晴風クルー以外のキャラクターもすべてデザインしています。かわいいですね。

「はいふり」公式アプリ

 はいふりには公式アプリがあります。アプリ内の「はいふり手帳」では、イベントスケジュールや登場キャラクターの誕生日、キャラクターのプロフィールが確認できます。今回の漫画では、大須先輩がはいふり手帳をチェックして横須賀のはいふりイベントに来ているようですね。

 手帳機能の他に、キャラクターと一緒に撮影ができる「はいふりカメラ」もあり、これを使うことではいふりの世界観の一部になれるような、なんとも趣き深い(?)写真撮影が可能になります。また、放送地域を設定すると、放送日に設定した自分の推しクルーが放送の通知をしてくれるため、番組を見そびれることもなし!

 アプリにある「あいことば」機能は、放送終了後のTwitter公式アカウントや、ラジオ内で発表される「あいことば」を手帳に入力することで、キャラクターのひみつが解放される仕組みです。30人以上いるキャラクターも、これなら楽しみながら覚えられます。

 ここまでスマホに侵食……いえいえ、連動されては大須先輩のように、スマートフォンがどんどん「はいふり」一色になっていくのも分かりますね。

ネットやスマホでアクティブなオタクが増えた?

 さて、今回の漫画では、はいふりにハマる大須先輩(とそれに付き合う栄ちゃん)のお話でしたが、アニメもスマホやネットがない時代に比べて大きく楽しみ方が変わってきているように思います。ただ決まった時間にテレビの前に座ってアニメを観るだけではなく、出演声優のラジオを聴きながらスマホと連動しているイベントを楽しんだり、アニメのアプリでイベント日程を把握して実際にイベントに行ったりする人も多いんだとか。

 「オタク」というと、家でずっとゲームをしたり、室内に引きこもって漫画を読むような人など、インドアなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、意外とITの進歩やスマホの普及でアクティブなオタクも増えているようですね。

 次回もオタクが使うテクノロジー&テクニックを紹介していくのでお楽しみに!

著者名:黒居裕

 黒居裕(くろいゆう)。講談社『ヤングマガジン』第426回(10月期)の期待賞受賞。バイトをしながら漫画を描いてる声優オタクです。久保ユリカさんが好きです。

◆Twitter:@khpnVG(こはぽん)

◆PixivID:kohapon07


(漫画:黒居裕/編集:ITmedia鈴木)

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