VAIO Zには前述の通り、2種類のボディーが用意されています。タブレット形状に変形できる2in1タイプのフリップモデルと、通常のノートPC形状で変形機構のないクラムシェルモデルです。
フリップモデルは、天板中央部のラインを軸として、液晶ディスプレイをぐるりと180度回転できるフリップ機構を備えています。これにより、クラムシェルノート形状の「キーボードモード」、画面を反転させて斜めに立てた「ビューモード」、そこから画面を上にして閉じた「タブレットモード」と、3つのスタイルを使い分けることが可能です。
フリップモデルには筆圧対応のデジタイザスタイラスが付属し、イラストや漫画の制作といったクリエイティブ用途もこなせます。Windows 10を快適に使えるクラムシェルノートとして成立しつつ、高性能なタブレットPCとしても使えて、かつペンで画面に描き込めるというメリットがある高機能なモデルです。
背面(底面)には有効800万画素のアウトカメラがあり、これをドキュメントスキャナ代わりに活用できるのも便利。紙の資料やホワイドボードに書かれている情報をカメラで撮り、ゆがみ補正をしてデータとして保存して、その上にペンで注釈を記述するといった、クラムシェルモデルにはない新しい使い方もできます。
一方、フリップ機構をなくしたクラムシェルモデルは、ディスプレイがタッチパネル非搭載で低反射コート仕様になり、画面の映り込みが目立たなくなります。これにより、重量はフリップモデルの約1.35kgに対して、クラムシェルモデルは約1.17kgと約180gも軽量化しました。またバッテリー駆動時間は、フリップモデルから12時間増の最大約27時間(JEITA 2.0)となっています。
価格はフリップモデルが19万9800円から、クラムシェルモデルが15万6800円からです(いずれもソニーストア直販価格、税別)。クラムシェルモデルは変形機構やタッチパネル、デジタイザスタイラスを省いたことで、フリップモデルより安価に入手できるのもポイントです。
ちなみに13.3型ワイド液晶ディスプレイは、2560×1440ピクセル表示のタッチパネル+デジタイザスタイラス対応(フリップモデルのみ)、同解像度のタッチパネルなし(クラムシェルモデルのみ)、1920×1080ピクセル表示のタッチパネルなし(クラムシェルモデルのみ)から選べます。
それからVAIO Zには、特別仕様となる「勝色ダブルアルマイト仕様」というものがあります。勝色とはVAIOのコーポレートカラーで、理性を示す「青」と、感性を示す「紫」を混ぜた色のことです。
通常の天板を制作する工程としては、アルミニウムの天板にVAIOロゴを成形して、ブラスト処理とアルマイト皮膜塗装を行った後、VAIOロゴの側面にダイヤモンドカット加工を施して完成となります。
勝色ダブルアルマイト仕様では、さらにそこから「勝色」のアルマイト塗装を施すことで、ダイヤモンドカットしたVAIOロゴの側面が光の反射で勝色に輝くというVAIOフリークにたまらない仕様となっています。ただし、Core i7+16GBメモリのハイスペック構成のみで選択できる特別オプションという点は注意が必要です。
先ほど褒めたキーボードは好みに応じて、日本語配列、日本語配列(かな文字なし)、英字配列から選べます。また、販売が終了してしまいましたが、英字配列のキーボードからキートップの印字を全て省いた「無刻印キーボード」も台数限定で用意されていました。既にコレクターズアイテムとなったようです。
この無刻印キーボード、極上の使い勝手を目指した製品としては、思いっきり逆行していなくもないですが、修行をつめば、タッチタイピングを極められるはずです。いざとなったらソフトウェアキーボードや、外付けのキーボードを用意して使うという逃げ道もあります。
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