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» 2016年07月11日 06時00分 UPDATE

トランポリンで数学を学ぶ? 「センサー×ゲーム」の最前線

[クローディアー真理,ITmedia]

 子どもがいるニュージーランド人家庭の庭に、必ずといってよいほどあるのがトランポリン。そのメーカーの中でも、安全性を最優先に、スプリングを使わない画期的なトランポリンで世界的に高い評価を得ており、10以上もの賞を受賞しているのが、ニュージーランドのスプリングフリー・トランポリン社だ。

 トランポリンでの遊びといえば跳ぶことに限られていたが、2016年5月に同社から「Take Gaming Outside & Make it Active」の各語の頭文字を取って名付けられた「tgoma」システムが登場。今までも十分人気が高いトランポリンにコンピュータゲームを連動させ、家族全員が楽しめるトランポリンの新時代を切り開いた。

多種多様なゲームを可能にする、マット・センサー

 tgomaシステムのインストールは至って簡単。システムと同時に購入したスプリングフリー・トランポリンにコントローラーユニット、センサー/ケーブルを取り付け、専用ゲームをダウンロードした手持ちのタブレットを、トランポリンを囲むネットにあるホルダーにセットするだけだ。そして、スクリーン上のゲームを見ながらトランポリンを跳び、ゲームを進める。

ゲームの1つ、『エイリアン・ストンプ』で遊ぶ。モグラたたきの要領で、穴から出てくるエイリアンを跳んで、踏みつぶす

 ゲームの種類は現在7種類。どれもトランポリンを跳ぶ人の位置や跳ぶ高さを計測する、マットに装着されたセンサーを活用している。例えば、ゲームの1つ『フルータンツ』は、画面上を走ってくるキャラクター化されたフルーツを、トランポリンを跳んで踏みつぶすというもの。フルーツは決められたコースを走るわけではないので、フルーツがいる位置でタイミングよく跳んで着地し、スコアを稼ぐ。

 tgomaには娯楽のためだけでなく、教育向けのゲームもある。画面上に映し出される簡単な加減乗除の問題を解き、4つの選択肢の中から正解が書かれているスポットを選んで跳ぶ『マス・ホッパー』だ。体を動かした際に脳は活性化する。そのセオリーを取り入れて、算数の能力を磨くというわけだ。

 さらには創造性を育むことも可能だ。『スティッカー』と呼ばれるゲームでは、跳んで着地したところにあたるスクリーン上の箇所にいろいろな形の模様が現れる。マット上をあちらこちらに跳ぶことによって絵を描く。

 大人のためには、『tgomaフィット』がある。足腰の筋肉の鍛錬、腕や上半身の運動、体幹トレーニングなど、全26種類ものトランポリン・エクササイズから好きなものが選択できる。跳んだ時のデータが目の前の画面に表示されるので、モチベーションが上がり、やりがいもある。

家族と、そして地球の反対側にいるプレイヤーと競争

 「『ママはどれだけ跳んだの? たったそれだけ? 早く一緒にトランポリンで競争しようよ!』と、子どもたちが誘いにくるようになりました」「『ママ、見て見て!』と、私がすぐ横で見ていてあげた方が楽しみが増すようですね」とtgomaシステムを購入した家族の母親はほほえむ。

 ゲームはプレイヤーとして何人でも登録でき、「ジャンプ・トラッカー」と呼ばれる機能には、登録メンバーの跳んだ回数、時間、カロリー消費量、ジャンプの高さが、数値とグラフで分かりやすく記録される。これを見れば、各人がどれだけアクティブにトランポリンを利用しているかが一目瞭然だ。ゲームはバラエティーに富み、家族の誰もが楽しめるだけでなく、ジャンプ・トラッカーがきっかけとなって親子の会話が増え、トランポリンが家族みんなで過ごす場へと変身している。

 また、同システム上で競争やコンテストに参加することも可能だ。ジャンプ・トラッカーで保存された記録は、ほかのシステムユーザーのものとシンクロしている。「リーダーボード」には、各ゲームのトップがどこの国の誰なのか表示されるようになっているほか、国別対抗戦、高く跳ぶ競争など、約6週間ごとに行なわれるイベントでは、地球の反対側にいるプレイヤーと記録を競い合うことができる。

 こうしたコンテストで上位に入るなどすると、「トークン(コインの切符)」をもらえる。新しいゲームをダウンロードするには、トークンを購入し、それで払うのがルールだが、賞金として得たトークンを積み立てて支払うということも可能だ。

ゲームが家族の健康向上に貢献

tgomaさえあれば、庭でトランポリン・エクササイズが可能。フィットネスのためにジム通いをする必要はなさそうだ

 隣国オーストラリアの保健省が2011〜2012年に行った調査では、5〜17歳の青少年が外遊びなどの身体活動を費やした時間は日に91分。一方、インターネットなどのメディアを利用した時間は136分と、スクリーンに向かっている時間が圧倒的に長かった。これは世界的な風潮だ。双方のバランスをとるために、親は、子どもの時間の使い方を常に慎重に管理する必要に迫られる。

 時々刻々と進化するテクノロジーを自在に操るスキルは、子どもたちが将来を生き抜くために不可欠なのは言うまでもない。だからこそ、テクノロジーをまったく否定するのではなく、共存していくことを提言しているのがtgomaシステムなのだ。

 プレイヤーが座りっぱなしで、自分1人だけの世界に没入していた、今までの憂慮すべき状況は、同システムのゲームを取り入れることで、健康的かつ有意義な経験に好転する。さらに、用意されているのは家族全員が楽しめるゲーム。庭にあるトランポリンを囲み、日常的にアウトドアで家族団らんというヘルシーな時間の過ごし方を可能にする。

 今までコンピュータゲームをめぐって対立していた親子が、健康的な方法で共にコンピュータゲームを楽しむ。tgomaは私たちをそんなゲームの新段階に導いてくれそうだ。

ライター

執筆:クローディアー真理、編集:岡徳之(Livit Tokyo)


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