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» 2016年07月12日 06時00分 UPDATE

2016年PC夏モデル:日本HPの13.3型ラグジュアリーモバイルPC「HP Spectre 13」は中身もぜいたくか? (1/4)

“ラグジュアリー”を連想させるお決まりのカラーリングに、極限までスリム設計の「HP Spectre 13」に触れてみた。

[石川ひさよし, 撮影:矢野渉,ITmedia]
ココが「○」
・ラグジュアリーな外観
・スリム&軽量なボディ
・高いCPU性能
・スピーカーサウンドが良い
ココが「×」
・やや大き目な高負荷時の動作音
・映り込みが気になる光沢液晶パネル
・ブロンズゴールド部分は指紋が付着しやすい

大人の雰囲気なダークグレーに、いやらしさを抑えたブロンズゴールド

 某コーヒーショップにおいては「ドヤPC」というキーワードがまことしやかに流れる昨今、モバイルPCは「魅せる」時代に突入してきている。そこでHPが打ち出したのがラグジュアリー・モバイルPCだ。2015年10月に「HP Spectre 13-4100 x360 Limited Edition」が登場したのが記憶に新しいが、さらに新モデルが登場している。

 今回の「HP Spectre 13」は、HPがプレミアムブランドとして展開する「Spectre」シリーズの新製品だ。もちろん搬送にはダンボール箱が用いられていたが、その中身は質感の高いブラック(これもダークグレーだろうか)の紙箱に丁寧に収められている。

「HP Spectre 13」 質感高い化粧箱に収められたHP Spectre 13

 デザインのモチーフは恐らく高級カバンだろうか。全体的にはダークグレーを用い、後部のヒンジ部と背面インタフェース部、そして液晶天板および内部パネルの下にあるHPのプレミアムマークにブロンズゴールドを採用している。

「HP Spectre 13」 天板からの配色。カラーリングはダークグレー/ブロンズゴールド。どちらも一般的なブラック/ゴールドよりも一段落着いた色味でいやらしさがない。これは是非実機で感じて欲しいところ

 HP Spectre 13のポイントはこの色使いだろう。エナメルのような、あるいはピアノブラックと呼ばれる光沢のあるブラックではなく、マットなダークグレーを用いているためギラギラしない。また、ゴールド部分もやや茶色味を帯びたブロンズゴールドなので高級感を見るものに与えつつも嫌みがない。さすがHP製だけあって、塗装の質感に妥協はなく、PCのメッキ部分にありがちなチープさは感じられない。華やかさの中に落ち着きを感じられるデザインは、スーツを着込んだ大人のためビジネスギアという表現がしっくりくる。

「HP Spectre 13」レザークラッチバッグ 「HP Spectre 13」の専用オプション「レザークラッチバッグ」。ブラックレザーとゴールドジッパーというHP Spectre 13のカラーリングに合わせて作られている

 デザインの中でポイントとなる部分は二つある。まずはHPのプレミアムマークだ。こちらは通常のHPロゴと異なり、縦のラインのみで構成されたスタイリッシュなもの。デザインマークのように見え、HPというテキストと認識するまでに一瞬の時間を要するくらいだ。

「HP Spectre 13」HPプレミアムマーク 通常のHPロゴとは異なるHPプレミアムマークが、“違い”をアピールする

 もう一つは、本体背面付近にあるブロンズゴールドで目立つ造形のヒンジだ。HP Spectre 13は弧を描くようなヒンジを採用しているが、これは同社が高級家具からヒントを得たという。少し斜めから見るとゴールドのリングのようにも見える。

「HP Spectre 13」 確かに家具で見かけることがある意匠に近いヒンジ部分。見る角度によってはリングのようにも見える

 ユーザー目線からもブロンズゴールドの部分が視界に入ってくるが、よくあるシルバーメッキとは雰囲気が異なる。シルバーメッキと言うと、よくディスプレイやノートPCのメーカーロゴとして、ベゼルの下部に配置されているが、これが室内照明を反射して集中力を欠くこともある。一方、HP Spectre 13のブロンズゴールドは、そこまでギラついた印象はなく、気にせずPC作業に没頭できる印象なのだ。

「HP Spectre 13」 ヒンジ部の意匠は今回HP Spectre 13に触れたなかでもとくにデザイン性を感じたところ

スタイリッシュなスリムボディはシェイプデザインで数値以上の薄さを演出

 設計上の特徴は何より本体の薄さだ。数値上では最薄部10.4mm、最厚部11.2mmとなっている。最厚部で見るとMacBook Air(13インチモデル)の17mmと比べても、さらに薄い。そしてインタフェースは全て後方に配置しているため、左右はより薄さを強調するシェイプが施されている。数値上でも十分に薄さを感じるが、シェイプによって数字以上に薄さを感じられる。

「HP Spectre 13」 本体左側面。数値上では最厚部10.4mmだが、シェイプによってさらに薄く感じられる
「HP Spectre 13」 本体右側面
「HP Spectre 13」 本体手前

 ただし、一見すると華奢(きゃしゃ)に見えるこの薄さも、カーボンとアルミを用いたボディで天面加圧試験300kgfをクリアしているとのこと。さらに液晶面はゴリラガラス4を採用しているとのことで、薄さと同時に堅牢性も確保している。

 フットプリントは325(幅)×229(奥行き)mmで、幅はMacBook Airの13型モデルと同じ、奥行きも2mmほど大きいだけだ。昨今の13.3型ノートとしては標準的なサイズといえる。モバイルノートとしてビジネスバッグはもちろん、オフィス机の上に置いても、あるいはカフェの丸テーブルに置いても、ちょうどよいサイズ感といえる。

 本体重量は約1.11kgとなる。薄さでは発表当時「世界最薄」をうたっていたが、質量に関しては、本モデルよりも軽量なクラムシェルモデルは他に存在している。とはいえ、かなりの軽量級であることには間違いない。13.3型となると比較的大きいため、片手で保持するといった状況ではとりわけ軽量とは感じられないが、かばんに入れて持ち運ぶようなときに、この軽さを実感できるだろう。

 底面はかなり特徴的なデザインだ。薄さを追求するモデルでは、底面をフラットにデザインするものも多いが、HP Spectre 13では本体前部と後部、そしてその中央にも、幅一杯にゴム脚を配置している。デザイン面ではやぼったい印象を受けるが、HP Spectre 13のパフォーマンスを実現するため、そして副次的なメリットを生み出しているようだ。

 理由の一つ目はパフォーマンスだ。HP Spectre 13は、CPUにUシリーズのCore i5/i7を採用しており、どちらもTDPが15Wクラスとなる。例えばスリムモバイルでよく採用されるCore m7の4.5Wよりも発熱は大きい計算になる。そのため、HP Spectre 13では背面の底部左右にファンを搭載するデュアルファン構成を採用。吸気は底面から、排気は背面に流れる設計で、とくに底面の吸気側は排気された熱い空気が逆流しないよう、後部のゴム脚の内側にエアホールを置いている。もう一つの副次的なメリットについてはキーボードのパートで紹介しよう。

「HP Spectre 13」 底面には3列のゴム脚がある。手前、奥、そして中央。エアフローは底面から吸気し背面から排気する。ゴム脚は背面からの排気を吸ってしまわないためのバリアとしても機能する

 デュアルファンレイアウトと書いたが、合わせてスリムノートPCとしてはやや高めのTDPのCPUを選択していることもあり、ファンが回転数を上げるとノイズは大き目のように感じた。ただし、これは検証でベンチマークという高負荷状態をシミュレーションしているため仕方がないのかもしれない。3DMarkを実行中の温度を見てみたが、CPUもGPUもともに最大で80度台に達していた。ここまで温度が上昇すれば当然、ファンは明らかに耳につくノイズを発する。一方で、非ベンチマーク時は、十分に静かだ。いくつかのアプリケーションを実行した際、確かに回転数が頻繁に上昇したが、ベンチマーク時ほどのノイズは発しなかった。この点、ファンの回転数制御はかなりきめ細かく行っているようだ。

「HP Spectre 13」3DMark時の温度 3DMark時の温度。室温がやや高め(28℃)ということもあるが、3DMark実行中の中盤、CPU&GPUに負荷のかかるPhysicsテスト時には、CPU、GPUともに最大80℃に達した
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