「GANTZ:O」のVRコンテンツを産んだ京楽に聞く、映像表現のこれからパチンコ業界でVR?(2/2 ページ)

» 2016年12月16日 00時00分 公開
[広田稔ITmedia]
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いざというときのシミュレーションにも役立つ

── 今のVR業界を見て、これからどんなコンテンツが受けていくと思いますか?

岩野 行き着く先でいうと、一番お金になりそうなのはアダルトですよね。その前にエンターテインメントよりのものが太くなると見ていて、特に今は機材への初期投資がけっこうかかるので、家庭用よりアトラクション施設でのVRがくると思います。4Dシートと連動したり、遊園地で迷路みたいなのを作ってVRを体験したりとか。

 GANTZ:Oをやってみて思ったけど、回収を考えるとご自宅でのVRコンテンツはなかなかハードルが高い。今はアトラクションをやってノウハウをためる時期で、そうした施設でそれなりに機器が購入されるようになると全体のコストも下がってくる。そうしないと一般人の手元に届く状態に、なかなかたどり着けないんじゃないでしょうか。


── VRならではの表現自体も突き詰めていく必要があると思います。

岩野 そうですね。当然、今までの映像と違う表現をしていかなければならないです。でも、どうやればいいのというのは企画にもよるし、実際作って見てみないとノウハウもたまっていかない。当然企業なので、回収も考えなければいけない。そのバランスです。

 ただ、可能性はすごくあると感じていて、生活も変えていくでしょう。体が不自由な方でも動き回る体験ができるし、実際に体験してみないとわからないことをバーチャルで学ぶこともできます。

 私がいいなと思ったのは、サーフィンのVRです。サーフィンってやってみると波を待って、パドリングして、そこから乗るところが難しい。その感覚を掴めずに脱落していく人も多いんですが、バーチャルで立つ体験ができると、いざ現場でそのシチュエーションに出くわしても分かりやすい。苦労していざ波に乗れるときが来たときに、「このあと俺どうすればいいの」というのをバーチャルでやっておけるんです。

── 興味深いご意見です。

岩野 だから自動車学校のシミュレーターにもすごくいいですよね。今のディスプレイを使ったシミュレーターは「全然リアルと違うじゃん」という感じですが、VRならより現実に即した体験ができる。将来的には、コミュニケーションもVRに置き換わっていく時代が来るかもしれません。僕が社会人になったときはPCがようやく1人1台という感覚でしたが、VRヘッドマウントディスプレイが1人1台に割り当てられたら、バーチャル空間の会議室に集まってテレビ電話よりもリッチに話し合いができるでしょう。

── 確かに! そんな中で京楽さんとしては、どんなVRコンテンツを作っていきたいですか?

岩野 今までのつながりがあるAKB48や吉本興業さん、アニメなどの作品をVR化していきたいですね。ゲーム会社や映画会社のプロデューサーも知り合いに多いので、VRに興味を持った方々といろいろ話を進めています。あとは映画のGANTZ:Oを台湾で上映するのですが、その際にお膝元ということもあってHTC ViveでGANTZ:OのVRコンテンツを展示できればと思っています。

 作る側への投資も視野に入れています。とにかく今、VRコンテンツを作ろうとしている人で大変なのが、予算が下りないことです。そうしたところに対して投資していくことで、技術も伸びるしノウハウも溜まっていくため、近い将来にやらなければいけないと感じています。将来的には、会社にいかなくても家で仕事ができるといいですよね。

VRコンテンツ制作で導入したPC構成

製品名:G-GEAR mini GI7J-D81/T

CPU:Core i7-6700(4コア/HT対応/3.4GHz/TB時最大4.0GHz)

チップセット:H110 Express Mini-ITXマザーボード (ASUS製 H110I-PLUS)

メモリ:16GB(8GB×2) DDR4 SDRAM PC4-19200 メジャーチップ採用

グラフィックス:Radeon RX 480(8GB)

ストレージ:480GB(SanDisk UltraII Series/SATA 6Gbps)

ケース:G-GEAR mini ITXゲーミングケース

電源:HEC製HEC-500TD-5WX(定格500W 80PLUS BRONZE認証)

OS:Windows 10 Home 64bit版

販売ページ


ネカフェでGANTZ:O_VRが体験できる! 新宿・池袋にはガンツ玉も

 インターネットカフェ「グランサイバーカフェ バグース」および「コミックカフェ Bネット」16店舗では、VRシアターの新コンテンツとしてGANTZ:O_VRを視聴可能だ。新宿店と池袋店の2店舗には、映像と連動して振動する「TELEPOD」(ガンツ玉)も設置。GANTZの世界をリアルに体験できる(視聴料は600円、別途施設利用料が必要)。

 もちろん、店内にはGANTZの原作コミックもそろっているので、漫画を読んだ後にVRの衝撃映像を楽しんでみてはいかがだろうか。


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