バックアップ初心者から卒業! Synology NASで構築するPC・スマホのデータバックアップ環境(3/3 ページ)

» 2016年12月28日 14時00分 公開
[山口真弘ITmedia]
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バックアップを外出先から行う方法

 ところで、ここまで見てきたNASへのデータバックアップは、自宅やオフィスのLAN上からだけでなく、外出先から行うことも可能だ。出張先や旅行先、あるいは屋外からもバックアップを行っておくことで、今まさに作成したばかりの書類や、撮影したばかりの写真も安全に保存できるようになる。その方法と仕組みをざっと紹介して、本稿の締めとしよう。

 外出先からバックアップを行うためには、本製品が標準で備える「QuickConnect」機能を利用する。「QuickConnect」は、専用のURLを割り振ることで自宅のNASへのアクセスを可能にする機能で、さきほどのバックアップ設定の際、IPアドレスにかえてQuickConnectのIDを入力すれば、そのまま外出先から自宅内のNASにデータが保存できる。QuickConnectのIDとユーザー名、パスワードは、設定手順をスキップしていなければNAS導入時に完了しているはずなので、分からなければコントロールパネルを開いて確認してみるとよい。

IPアドレスの代わりにQuickConnectのIDを入力すれば、外出先にいても自宅内のNASにデータが保存できるようになる。転送量の肥大には注意しよう

 なお、外出先から自宅内のNASにアクセスできるのは便利だが、モバイル回線で写真データなどを大量にアップロードすると、契約しているプランによっては高額な費用を払う羽目になったり、あるいは転送量をオーバーして速度の制限がかかることになりかねない。スマホの場合、「DS Photo」の設定で、接続をWi-Fiのみに限定しておくチェックボックスがあるので、チェックを入れておくのを忘れないようにしよう。また「Geofence」機能で自宅やオフィスの場所を設定しておけば、自宅やオフィスから半径250〜300mのエリア内に入った時だけアップロードを行うことも可能だ。

Geofence機能を設定しておくと、自宅など設定した場所から半径250〜300mのエリア内に入った時だけアップロードが行なわれるようになる。位置情報はあらかじめオンにしておこう

 ちなみにこの「QuickConnect」機能の専用サーバが国内に設置されているのは、Synology NASのアドバンテージの1つだ。同種の仕組みは他のNASメーカーも用意しているが、海外メーカーはサーバが国外にあることがほとんどで、どうしてもレスポンスが遅れがちになる。その点Synologyは、日本のユーザーが増えたことで、2015年末に日本国内に専用サーバを設置しており、今後はその恩恵が受けられるようになる。外出先から接続する機会の多い人にとっては、朗報といえるだろう。

 次回は、バックアップのもう1つのケースとして考えられる、NAS内のデータそのもののバックアップ方法について紹介する。

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