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達人レビュアーが選んだ2016年のイチオシPC(2/3 ページ)

» 2016年12月31日 06時00分 公開
[鈴木雅暢ITmedia]

新生Lenovoのイメージとテクノロジーが融合「YOGA BOOK」

YOGA BOOK 「YOGA BOOK」(レノボ・ジャパン)

 Lenovoと聞いて連想するのはどんなイメージだろうか。PCユーザーにとってはIBMからThinkPad事業を買収した企業というイメージが強いだろうが、その一方で、湘南で海の家を営業したり、渋谷でハロウィーンパーティーを主催したりと一般向けのイベントを積極的に仕掛けていることから、若年層にはトレンドに敏感な企業というイメージも広がりつつあるようだ。

 2015年5月の「Lenovo Tech World 2015」においてブランドロゴを刷新した際には、その後のレノボの方向性が示されるとともに、アーティスティックで華やかなデザインのロゴが多く展開されたことも印象的だった。

 そうしたイメージ戦略とともに、同社が注力する2in1の「YOGA」シリーズでは、腕時計のメタルバンドのような「ウォッチバンドヒンジ」、導電性のある固いものならば何でもタッチペンにできる「AnyPenテクノロジー」の導入など、先進的な試みを続けてきた。

 この「YOGA BOOK」は、そうした新生Lenovoを象徴する存在ではないだろうか。ウォッチバンドヒンジをまとったYOGA BOOKのビジュアルは、そのサイズ感もあって既存のPC、2in1とは一線を画す。電源を入れ、画面にアーティスティックなデザインの新Lenovoロゴが踊り、光とタッチセンサーで表現される「Haloキーボード」が浮かび上がる。まさに新しいLenovoのイメージとテクノロジーがつながった瞬間だ。

 2017年もLenovoからは目が離せなくなりそうである。

突出したビジュアル面の魅力「Surface Book」

Surface Book 「Surface Book」(日本マイクロソフト)

 とにかくボディーの美しさ、質感の高さが際立つ「Surface Book」。高画素密度の画面もまた素晴らしく美しい。近年のMicrosoftが投入するハードウェア製品の(ビジュアル面での)デザインは、Appleを強く意識していることは自明だが、そうした面では既に対等あるいはそれ以上の領域に達したのではないだろうか。

 もっとも、プレミアムを名乗るモデルとして、あるいはクリエイター向けに訴求するモデルとしては、パフォーマンス面でいささか中途半端という印象を受ける。10月に米国で発表された新しい最上位モデルはGPU性能が強化されたが、CPUがデュアルコアのままでは根本的な解決には至っていないように思える。対象ユーザー層を考えると、個人的には現状の13.5型ではなく、15型クラスのフォームファクターで勝負してほしかった。

 それでも、デザイン、ビジュアル面の魅力は突出しており、持っているだけでそこはかとない優越感、ハイソな気分に浸れる存在感は、発売から1年近く経過した今でも色あせない。

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