反転攻勢へ!「Ryzen 7」の爆速性能を確かめる自作PC市場における期待の新星(4/5 ページ)

» 2017年03月11日 00時00分 公開
[石川ひさよしITmedia]
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Core i7-7700Kと対決! CPU関連ではRyzenが爆速、ゲームはほぼ互角

 それではRyzen 7のパフォーマンスをベンチマークで明らかにしていきたい。ただし、今回用意できた比較対象CPUがIntel Core i7-7700K、グラフィックスカードがRadeon RX 480なので、ここではエンスージアストの一つ下のハイエンドPC環境を想定してテストを進めていこうと思う。

 AMD Ryzen側の環境は、評価キットをベースに、必要なパーツを適宜追加した格好、Intel Core i7-7700K環境はそれに準ずる構成とした。

比較対象 RYZEN 7 1800X RYZEN 7 1700X RYZEN 7 1700 RYZEN 7 1700 Core i7-7700K
メモリ(速度) DDR4-2666 DDR4-2666 DDR4-2666 DDR4-2400 DDR4-2400
メモリ Corsair VENGEANCE LPX CMK16GX4M2B3000C15(本来はDDR4-3000 8GBx2) Crucial Ballistix Sport 32GB Kit BLS4K8G4D240FSA 8GB×2
マザーボード GIGABYTE AORUS GA-AX370-GAMING 5(rev. 1.0)(AMD X370) MSI Z270 KRAIT GAMING(Intel Z270)
チップセット AMD X370 Intel Z270
GPU Radeon RX480
ストレージ Crucial MX300(Serial ATA 3.0、750GB)
OS Windows 10 Pro 64bit
電源 SilverStone Strider Platinum SST-ST55F-PT(80PLUS Platinum、550W)

 まずはCINEBENCH R15。これはAMDがプレゼンテーションでも多用したように、「CPU」テストではとくにマルチスレッド性能が素直に現れる。

CINEBENCH R15

 実際、Multi CPUのスコアは目を見張るものがある。Core i7-7700Kを指標とすると、対抗馬であるRyzen 7 1700も450ポイント近く高いスコアを示しており、同じプラットフォームで選べるという点では、Ryzen 7 1800Xはさらに200ポイントほど上積みできている。一方で、Single CPUのスコアはCore i7-7700Kよりも低いのだが、動作クロックで割ってみると妥当なところであることが分かる。

 CPUマルチスレッド性能を見るもう一つのベンチマークとしてx265 HD Benchmarkを見てみよう。これも8コア/16スレッドというスペックがモノを言い、Ryzen 7勢が高いスコアを出している。ソフトウェアエンコーディングのような用途には、最適と言えるだろう。

x265 HD Benchmark

 続いてPCMark 8でアプリケーション性能を見てみよう。全体的に見れば、Ryzen 7とCore i7-7700Kのスコア差は小さめだ。クロックの低いRyzen 7 1700がやや低い値である点と、HomeテストでRyzen 7勢がやや振るわないところが気になる傾向だろうか。なお、Ryzen 7 1700Xがより高クロックであるはずの1800Xよりも高いスコアになる傾向があり、これは結局原因を特定できなかった。

PCMark 8

 グラフィックパフォーマンスを3DMarkで見てみよう。Fire StrikeのOverallはほとんど変わらない。Graphicsスコアも大きな差はなく、ただしCPUが絡むPhysicsスコアはRyzen 7勢が高い。全体的に見ると、Ryzen 7勢のスコアはややバタついている。ある程度はベンチマーク誤差と思われるが、Ryzen 7 1800Xがほかのテストも含め対1700Xで差が出せなかったことと、そうした不調が少なかった1700XもCombinedでスコアを落としているように、安定感が感じられない。

3DMark Fire Strike

 Time SpyのOverallではRyzen 7勢がCore i7-7700Kを上回った。Graphicsスコアもほぼ同等かそれ以上で、CPUスコアは圧倒するといった印象だ。先のFire Strikeと比べ、さらにCPU負荷の高いテストとなるためだろう。

3DMark Time Spy

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