それではベンチマークから、本製品のパフォーマンスを見てみよう。評価機は本製品の標準構成に沿った仕様で、CPUやマザーボード、グラフィックスカード、SSDは先の説明どおり、メモリが4GB×2(DDR4-2133)となり、オプションとしてWindows 10 Homeをインストールした状態だ。
まずWindowsエクスペリエンスインデックス値はCPUが7.8、メモリが8.1、グラフィックスが8.3、ゲーム用グラフィックスが9.9、プライマリディスクが8.15といった内容だ。数値的にはバランスがとれた値と言える。
CINEBENCH R15のスコアは、CPUが458cb、CPU(Single Core)が178cb。マルチスレッドのパフォーマンスは2コア/4スレッドのためそこまで高いものではないが、シングルスレッド性能は十分に高めだ。その上で、自己責任になるがOCによってこの数値を引き上げることも可能だ。
PCMark 8は、Home Accelerated 3.0が4940、Creative(同)が6361、Work(同)が5480となっている。グラフィックス性能が影響するCreativeは、ディスクリートGPUを搭載しているぶん統合GPUのものよりもよい。そのほかもHomeで5000ポイント近く出ているので、普段使いに関しては何ら不満がないだけの性能と言える。
グラフィックス性能を見る3DMarkでは、Fire Strikeが6454というスコアだった。これもエントリーゲーミングとしては十分なスコア。ただし、想定負荷が最新FPSクラスとなるFire Strike ExtremeやUltra、Time Spyのスコアを見ると、やや力不足の印象を受ける。どのようなタイトルを楽しむのか、どのくらいの画質で楽しむのかで、BTOを検討したいところだ。カジュアルゲーミングであれば、問題ない。
テスト | スコア |
---|---|
Time Spy | 2361 |
Fire Strike Ultra | 1776 |
Fire Strike Extreme | 3410 |
Fire Strike | 6454 |
Sky Diver | 17341 |
Cloud Gate | 16793 |
Ice Storm Unlimited | 162431 |
Ice Storm Extreme | 129088 |
Ice Storm | 139288 |
軽量ゲームタイトルのドラゴンクエストX ベンチマークソフトでは、最高品質のフルHDでも、当然、「すごく快適」判定の19164ポイントが得られた。1つ重いクラスのファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマークも、DirectX 11、最高品質のフルHDで「非常に快適」となる7911ポイントだった。平均フレームレートも60.917だったので、一般的なディスプレイの性能をフルに発揮することができ、画質も滑らかなものとなる。
続いて、CrystalDiskMarkでストレージ性能を測ってみた。SSDのMX300側のみとなるが、シーケンシャルリード(Q32T1)は531.3MB/sec、同リードは464.1MB/sec、4Kリード(Q32T1)は355.5MB/secm、同ライトは308.5MB/secだった。シーケンシャル性能はSerial ATA 3.0の6Gbpsという帯域を考えれば天井に張り付いたも同然の値であり、4Kについても300MB/sec台に載せているので速度的にはSerial ATA接続のハイエンド並みといえる。
動作音については、実測でアイドル時が32.9dB、CINEBENCH R15実行時が33.3dB、3DMarkのFire Strike実行時が33.7dBだった。これはフロントパネルから20cm程度で計測した値で、少し離れた場所ではほとんど気にならないレベルであり、生活音のある日中なら周囲の音にかき消される。
CPUクーラーのファンが小さいのに静音性は抜群ということは、CPUのTDPやグラフィックスカードの発熱が小さいことに加え、PCシステムとしてのエアフローのバランスもよいことを示している。また、CINEBENCH R15実行中の最大CPU温度は65度、3DMarkのFire Strike実行中の最大GPU温度は46度と、冷却性能も十分な結果だ。
暗騒音30dB以下、フロントパネルから15cmでの動作音 | |
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アイドル時の最小値 | 32.9dB |
CINEBENCH R15時の最大値 | 33.3dB |
3DMark-Fire Strike時の最大値 | 33.7dB |
室温22度環境下での各部温度 | ||
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アイドル時の最小値 | CPU:33度 | GPU:25度 |
CINEBENCH R15時の最大値 | CPU:65度 | GPU:28度 |
3DMark-Fire Strike時の最大値 | CPU:60度 | GPU:46度 |
ちなみに、本製品を購入された方は、「もっと見栄えを!」といった欲求に駆られるかもしれない。そうした方は、LEDファンなど低価格なものから始めればよいし、もっとインパクトのあるところでは、グラフィックスカードを魅せるレイアウトへの変更も可能だ。
採用ケースのVIEW 27は、実はオプションのPCI Express x16スロット用ライザーを用いることでグラフィックスカードをマザーボードと平行にレイアウトできる。グラフィックスカードは一般的にはてっぺんしか見えないが、ライザーを用いればファン面が見えるように配置できる。グラフィックスカードはそれこそゲーミングPCの最重要パーツでありお金のかけどころでもある。そこを魅せるというのは、自己満足感をグッと高めてくれるだろう。
当初、新旧組み合わせたパーツ構成、比較的コスト重視の構成というスペックのみ聞いていたため正直に言えば不安があったものの、システムとして見るとこのように、見た目のみならずパッケージとしても完成度は十分の製品だ。
より負荷の高いゲームを楽しみたいという方は、グラフィックスカード→CPUという優先順位でBTOによる強化を図るのがよいだろう。10万円+OS代の標準構成も、デスクトップPCを求める幅広い層にオススメできる。限定数が200台ということだが、ここはおそらく旧型となるマザーボードの供給量も影響しているのではないだろうか。つまり、早い者勝ちだ。
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