それでは実際にスナップショット(およびその複製)からファイルを復元するにはどうすればよいだろうか。今回は「Snapshot Replication」のホーム画面から利用できる「復元」メニューを使ってみよう。
手順は簡単で、メニューから「復元」を選んで対象の共有フォルダを選び、あとは復元したいバージョンを選んで「インプレース復元」=上書き保存を選択するだけだ。もし現状のフォルダはひとまずそのままにしておきたい場合は「新しい名前でクローン」を選択すれば、復元先の共有フォルダを新規に作成するための画面が表示される。復元の完了後、2つのフォルダの内容をよく見比べて、必要なファイルだけを取り出すなどの措置を行えばよい。
このほか、過去のファイルを取り出す操作は、Windowsのエクスプローラや、NASアプリ「File Staiton」から行うこともできる。適切なアクセス権限を設定しておけば、Windowsのエクスプローラで各フォルダの下に作られている「#snapshot」フォルダから取り出すこともできるので、管理者の手をわずらわせることなく、古いファイルを取り出せるというわけだ。
ところで実際の運用にあたって気をつけたいのは、スナップショット機能では、共有フォルダ全体が対象となることだ。そもそもスナップショット機能は、特定日時の共有フォルダの状態を復元し、そこからデータを取り出すという仕組みなので、一般的なバックアップ機能のように共有フォルダの中にあるフォルダ個々を指定できないのは当然なのだが、共有フォルダ全体で何TBという容量があると、作成したスナップショットを複製する際、送信だけで数日かかってしまうことも珍しくない。
そのため、スナップショット機能を使うデータとそうでないデータがある場合、前者だけを独立した共有フォルダに分離させたほうが、初回の複製を実行する際の効率が良くなる。すでに運用中のNASでこうした階層構造を変えるのはなかなか大変なので、次にNASを買い替えもしくは買い増しをするタイミングで、意識的にフォルダ構造の変更を行うとよいだろう。
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