自作は面倒だけど良質なRyzen 7搭載マシンが欲しい! 「G-Master Spear X370A」実力検証(3/3 ページ)

» 2017年04月25日 06時00分 公開
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メインストリームゲームなら余裕。ゲーム以外でもバランスのとれた万能型

 それではパフォーマンスを見てみよう。Windowsエクスペリエンスインデックス値(WinSAT)の値は8.05。これはディスクスコア(ストレージ)の値だ。そのほかはCPUが9.1、メモリも9.1、グラフィックスは8.6、ゲーム用グラフィックスは9.9といったポイント。平均9ポイントといったところで、大きくハズレるところもなくバランスのよいパフォーマンスの万能型PCといえる。

WinSAT実行時のスコア

 PCMark 8のスコアも、Homeが4821、Creativeが7695、Workが2773だった。おおよそ万能型といえるが、Workに関してはRyzen 7の8コア16スレッドを活用しきれていないため、十分なスコアであるものの、期待したほどは伸びない。ただ、これはソフトウェア側の問題であって、AMDがメインストリームプラットフォームにおけるメニーコアの流れを作り、IntelもウワサされているようにCoffee Lakeで6コア12スレッドを投入すれば、ソフトウェア側もより多くのコアを活用する流れに変わるはずだ。とはいえ、現時点においてもビジネス用途やクリエイティブ用途では快適なPCである。その点でコストパフォーマンスは非常に高い。

PCMark 8のスコア。左からHome、Creative、Work

 CINEBENCH R15によるCPUパフォーマンスは、Ryzen 7の見どころでもある。8コア16スレッドをフル活用できるため、CPUスコアは1153cbという高い値を示している。シングルスレッド性能は、まだIntelのCPUには及ばないが、不満を覚えることはない。AMD FX系のCPUからは大きな進歩が感じられるところだ。

CINEBENCH R15のスコア

リソースモニターから見たCPUスレッド数は圧巻

 3DMarkのスコアは、Fire Strikeで11050ポイント。GeForce GTX 1060のリファレンスクロックとしては妥当なところだ。ただ、3840×2160ピクセルのFire Strike Ultraで3024、2560×1440ピクセルのFire Strike Extremeで5862、さらにDirectX 12のTime Spyで4217と、画質設定次第で高解像度やDirectXのバージョン引き上げにも対応できるだけのパフォーマンスを秘めている。一方、DirectX 10のCloud Gateや、DrirectX 11でも比較的軽負荷のSky Diverでは十分なスコアが出ており、このあたりの負荷のゲームを楽しむのであれば、60fps前後の高いフレームレートが得られる。

3DMark Fire Strikeのスコア

 それを示しているのがファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマークのスコアだ。フルHDで画質を最高品質、DirectX 11の条件では、スコアが12331、平均フレームレートが95.196fpsだった。

ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマークのスコア

 最後にSSDのパフォーマンスをCrystalDiskMarkの結果から紹介しよう。システムドライブとして利用しているため、単体のパフォーマンスよりもやや低く出る傾向にあるが、シーケンシャルリードは563.1MB/秒、同ライトは537.1MB/秒、ランダムリードは315.8MB/秒、同ライトは262.1MB/秒だった。特にシーケンシャルリード/ライトはSerial ATA 3.0のインタフェースの帯域をほぼ使い切った格好だ。

 一方、ランダムリード/ライトもシステムドライブでこれだけの値が出ていれば、メインストリーム用としては十分だ。ただしBTOオプションでいろいろと選べるところなので、ここはあくまで目安といったところ。むしろM.2 NVMe SSDなどではさらに高速だ。

CrystalDiskMarkのスコア

ゲーミングPCで重要なのはCPUとGPUだが、そのほかがしっかりした標準構成だから「安心」

 評価機はハイエンド寄りの製品だ。もちろん高負荷なゲームを楽しむためには、高性能グラフィックスカードを選ぶ必要があるが、ベースとなるRyzen 7のパフォーマンスはかなり高い。標準構成のGPUであるGeForce GTX 1060でもフルHDで標準〜高画質なら多くのタイトルがカバーできる。また、豊富なBTOプションから、パフォーマンスと価格で自分なりのベストチョイスを探すのも楽しいだろう。

 G-Master Spear X370Aでポイントとなるのがケースと電源、CPUクーラーだろう。標準モデルのパーツ構成を見れば、予算、パフォーマンス、静音性のバランスのとれたサイコムらしいチョイスだとうなずける。だからこそ、肝心なパフォーマンスを左右する、CPUやグラフィックスカード選びにフォーカスできるというものだ。間違いのない構成でRyzen 7デビューを狙うのならば、G-Master Spear X370Aは頼もしい製品になるだろう。


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