では実際に使ってみよう。電源ボタンを長押しして電源をオンにすると、メニュー画面が表示される。今回紹介する販売・飲食向けモデルの場合、「とにかくひとこと英会話」「接客英会話」「キクタン」という3つのコンテンツに「設定」を加えた計4項目が表示される。
「とにかくひとこと英会話」を選択して開くと、「まちかど英会話」「接客英会話【販売編】」「接客英会話【飲食編】」の3カテゴリーと、お気に入りの例文を登録できる「MY例文帳」の計4つがメニューとして表示される。それぞれのカテゴリーはSTEP 1〜3に分かれており、その中にさまざまなシチュエーション(トラック)ごとの英会話が収録されている。
シチュエーションはなかなか具体的だ。例えば「接客英会話【販売編】」の「入店・店内案内」だと、「売り場をたずねられる」「商品を扱っているかたずねられる」「営業時間をたずねられる」といったシチュエーションについて、尋ねられるであろう質問とそれに対する回答が、それぞれ英語と日本語で表示され、かつ同じ内容が音声でも再生される。これらを繰り返し聞いて覚えることで、英会話の基本フレーズをマスターできるという仕掛けだ。
もちろん実際には、この文章そっくりそのままの質問をされる可能性は低いだろう。とはいえ、ここで出て来るフレーズを暗記しておくことで、含まれている単語や文章の構造などから、何を聞かれているか把握しやすくなるのは間違いない。そうなればしめたもので、後は内容に応じて、同様に暗記しておいたフレーズの内容をアレンジし、回答すればよいというわけだ。
ちなみに画面に表示される内容は、「ワンポイント」など画面でしか表示されない一部の解説を除いて、音声に合わせて自動的に切り替わっていくる。一時停止もできる他、速度を5段階で切り替えることも可能だ。またリピート再生では同じトラックを繰り返すだけでなく、収録されている全てのトラックを繰り返すこともできるので、集中的に覚えたい場合と、聞き流したい場合とで使い分けられる。
使っていて多少気になったのは、1画面に表示できる5行の下に文章の続きがあった場合も、そのことを知らせるマークなどが表示されず、続きを見逃す場合があることだ。明らかに文章が途中で途切れている場合などはマークなしでも分かるのだが、箇条書きなどでは未表示の項番があるのを見逃しがちだ。この辺りは何らかの改善がほしいところだ。
残り2つのコンテツについても紹介しておこう。「デイリースピーキング 接客英会話」は、業種別によく使われるであろう問答を覚えるためのコンテンツで、最初に「土産物屋」「家電量販店」「ドラッグストア」「書店」といった具体的な業種を指定した後、それぞれの業種で想定される問答を学習する流れになっている。
問答の内容はかなりマニアックで、例えば家電量販店の場合は、デジタルカメラを買いに来た海外客に対して、充電器が日本仕様であることを教えたうえで変圧器も併せて勧めるという、製品の特性も考慮したセールストークが紹介されている。またポイントとして、「単三電池」「単二電池」などの海外での呼び方といった豆知識も紹介されており、業種ごとに知っておかなくてはいけない知識をつけるのに適している。
学習の流れとしては、まず英語で問答を3回聞いたのち、次に日本語訳も織り交ぜた状態で聞いて内容を確認し、ポイントの確認を経て日本語訳と英語を聞き、最後に仕上げとしてもう一度聞く、という学習方法(デイリースピーキング)が指定されている。リピート再生の方法は指定できるが、音声なしで文章だけ読んで学習することは原則できない仕組みだ。
「キクタン英会話」は、チャンツと呼ばれる、リズムに合わせて読み上げられる英単語とその訳を、耳で聴きながら覚えていくコンテンツで、最近の電子辞書では搭載例が多い。内容は特定の業種業態を意識したものではなく、「基礎編」「初級編」「おもてなし編」など、基本的な英単語を覚えるためのコンテンツが収録されている。
なお、本製品は基本的にイヤフォンを使って学習するというコンセプトだが、この「キクタン」に関しては、チャンツを使わないよう選択すれば画面をめくって覚えることもできるので、イヤフォンを使えないシチュエーションで本製品を使って英語学習を少しでも進めたい場合は、このコンテンツがお勧めだ。完全に覚えた単語にはチェックマークを入れることで、次回は非表示にすることも可能だ。
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