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» 2017年06月07日 10時00分 UPDATE

VRコンテンツの開発コストを大幅に下げる画期的サービス「NEUTRANS」が生まれた理由 (1/2)

会議や対面販売など、VR(バーチャル・リアリティ)のビジネス導入を加速させるSynamonの「NEUTRANS」。その開発現場を取材した。

[PR/ITmedia]

 コミュニケーションは、昨今話題のVR(バーチャル・リアリティ)が活躍できるジャンルの1つだ。仮想空間でアバターに向き合い、身振り手振りを交えて話していると、実際に「相手が目の前にいる」かのような錯覚を覚えてしまう。

 Oculusが制作したデモ「Toy Box」を体験したことがある人なら、バーチャル空間で物を投げたり、壊したりしながら話をするのはとても楽しいということがすぐに理解できるはずだ。

VRプラットフォーム「NEUTRANS」を開発したSynamonの武樋CEOにインタビュー

 このコミュニケーションにおけるVR利用では、最近Facebookの「Facebook Spaces」やValveの「SteamVR Home」といったプラットフォームがリリースされている。そんななか、国産でもスタートアップのSynamonが「NEUTRANS」というVR空間の構築ソリューションをリリースした。バーチャルの部屋をカスタマイズして、会議や対面販売といった自社アプリとして導入できるのが特徴だ。

 今回、NEUTRANSを開発した経緯やその目的、開発現場の環境などを、SynamonでCEOを務める武樋恒氏にインタビューした。

VRならテレビ電話より相手の間が読みやすくて営業しやすい

── 武樋さんがVRに興味を持たれたきっかけは?

武樋 ルーツをたどると子どものころになります。小学校で流行っていたポケモンやデジモン、映画の「マトリックス」などを見て、「あっ同じことを考えている人がいるんだ」や「そういう世界を早く実現したいな」と考えていました。MMO(大規模オンラインゲーム)も好きで、小説やアニメの「ソードアート・オンライン」のような世界に関心を持っていたのです。

 そこから中・高・大と進学して社会に出るとなったときに、本当は行きたかったゲーム会社ではなく、別の会社に就職しました。そこでアニメやゲームといったん離れてしまっていたのですが、転職したり、海外留学する中で「本当は何をやりたいのか」と自分を見直したとき、出てきた結論が「ものづくりで日本の良さを発信すること」だったのです。

子どものころから仮想現実が作り出す世界に興味を持っていたと語る武樋氏

 当時、今のVRブームのきっかけを作った「Oculus Rift」のDK1などがKickStarterに出てきて、「クラウドファンディングでハードウェアも作れるんだ」という驚きもあって、ウィンクルというハードウェアスタートアップに入社して、バーチャルキャラクターと暮らせる「Gatebox」というハードウェアの開発に関わるようになります。

 そのときすでに、初音ミクのようにバーチャルなキャラクターをコンサートで見られるシステムは存在していましたが、その技術を家庭に持ち込んで手軽に体験できるようにしたら面白いんじゃないかと。

 それがAR/VRの業界に戻ってくるきっかけで、約1年半ぐらい在籍したウィンクルから独立し、2016年の8月8日に今の会社であるSynamonを設立したのが今までの経緯になります。

── そこで自社製品の「NEUTRANS」を開発した。その動機は何でしたか?

武樋 Gateboxは、あの世界観をそのままユーザーに体験してもらうという目的には適したプロダクトなのですが、ほかのキャラクターを出現させるようなプラットフォームには向かいませんでした。個人的にはゲームエンジンの「Unity」のように、「あれを使えばなんでもできるよ!」という、開発者が自分の好きなように使えるプロダクトをGateboxで提供していきたかったのですが、若干方向性が違ったのです。

── なるほど。

武樋 日本のVR業界は今、ゲームやアプリを作ってリリースしている企業は確かに存在します。でもそれだけでなく、もっと幅広い分野からのアイデアを巻き込んで発展させていったほうが可能性が広がるし、VRを早く普及させるという意味でも一番近いアプローチになるのではと考えていました。

 というのも2016年9月、Synamonとしてアクションシューティング「DOPAMINE」というネットワーク対戦ゲームをGear VR向けにリリースしたのですが、プレイヤーが少なすぎてマッチングできなかった。そこからやはり市場から作らなければという考えに至っています。よく話してるのが、VRコンテンツは操作の難しさやVR酔いの問題もあって、一回やって終わってしまうコンテンツが多い。自分たちの本心としては、そういうところを確実につぶしていきたい。

── DOPAMINEというゲームがあっての、今回のNEUTRANSだったんですね。

武樋 そうですね。DOPAMINEをリリースした直後ぐらいから作り始めて、秋ごろにYouTubeにコンセプトムービーを公開し、半年間集中して開発してきました。

 NEUTRANSで一番力を入れているのが、可能な限り簡単で気持ちよく操作できるという点で、何かモノを持ったり、投げたりといったところから自分たちで作り込んでいます。同じ機能はさまざまなアプリにありますが、ここまで満足度の高い操作までつきつめたのは国内外を見ても自分たちだけだと自負しています。

仮想空間の中でモノをつかむ、モノを投げるといった動作を自由に作り出せる「NEUTRANS」

 結局、普段手でやっていることとの間に違和感が生じると、「あ〜、これつくりものだよね」とバーチャル空間への没入感やプレゼンスが崩れていってしまうんです。無重力体験といったVRならではの要素も、その基礎部分の違和感をきっちりつぶしてから入れていかないと、結局“本物”には感じられない。さらにオンラインでのマルチプレーに注力しているのも、うちの強みでもあります。

── だいたい何人くらいで、どういう風に使われることを想定していますか?

武樋 5〜10人がベストで、大人数で集まってステージなどを見るというのではなく、インタラクティブにやり取りする用途のほうがあっています。使い方は本当に自由なんですが、例えば、遠隔地にいる人たちがバーチャルで集まる会議室として使ったり、コンシェルジュ的に1対1で対話して商品をオススメしてくれるVR店舗などを想定しています。

── 例えば会議室では、テレビ会議みたいな既存ソリューションもありますが、それらと比べた優位性はどこにあると思いますか?

武樋 気持ちを伝えやすいという点だと思います。テレビ電話やチャットって、顔だけ見られても相手の心がなかなか読みにくいところがあると思います。自分も営業やコンサルティングをした経験があるので分かるのですが、チャットやメールで本心を伝えるのはやはり難しい。営業で重要な、どこで踏み込んでいったら契約が取れるのかというタイミングも読みにくい。対面だと分かるその細かいニュアンスや空気感が、既存のコミュニケーション手段だと抜け落ちてしまうんです。

 そこがVRだとある程度緩和されて、身振りや手振りが加わる。あとは間の取り方ですよね。テレビ電話だとレスポンスが若干遅くて、こっちから「どうですか?」と話しかけて、向こうが咀嚼(そしゃく)して返すというコール&レスポンスのスピードが遅い。VRはそこが本当に気持ちいいというか、対面じゃない形でのコミュニケ―ションで一番すんなりできるのがVRかなと思っています。

── バーチャルならではのこともできる感じでしょうか?

武樋 そうですね。空間に絵を書いたりとか、物を投げ合ったりとかって、現実世界ではなかなか難しいことですよね。そういう非現実的なことができることによって、ブレストのときなども現実世界よりもいいアイデアが出そうです。まとめると、チャットやテレビ電話よりもコミュニケーション手段として優れていながら、現実離れしたこともできるのが、VRならではの優位性です。

── 話せる範囲で、NEUTRANSの導入事例を教えてください。

武樋 ビジネスで議論できる場をということで会議室はすでに案件化しています。VR店舗も旅行業界において導入予定で、VRの中でお客さんの話を聞いて、例えば、ハワイであったら、その360度写真を見せながらオススメするといった使い方を想定しています。

 この前イベントに出展したときには、電車のシミュレーターを開発したいというお話もありました。修理のトレーニングなんですが、実機を用意するとなると何億円とコストがかかってしまう。それを壊して戻してというのも大変なので、VRでやりたいという。

 そうしたVRコンテンツを作るにしても、しっかりしたものをゼロから発注すると結構な金額になってしまうことが多いのです。そうなると予算を社内で通すだけでも結構大変になってしまうし、失敗した時のリスクも大きい。NEUTRANSなら、少しカスタマイズして手っ取り早くプロトタイプを作って、そこからステップアップしていくことができるからやりやすいよね、という声もいただいています。

── プロトタイプの制作期間はどれくらいかかるものでしょうか?

武樋 そうですね。今のベースを元に簡単にグラフィックを変えたり、若干カスタマイズするだけであれば20営業日ぐらいで提供できます。一回、そこでプロトタイプを見て、色々な方々に試していただいたうえで、きちんとしたプロダクトとして作り込んでいこうという話をさせていただいてます。

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提供:株式会社Project White
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2017年6月15日

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