今回は、Core i7-8700KおよびCore i5-8400を、Core i7-7700Kと比較してみよう。Intel同士の比較となるが、AMD Ryzenと比較したい方は、一部同じベンチマークを実行しているので、過去記事を参考にしていただきたい。検証環境は以下の通りだ。
CPU | Core i7-8700K | Core i5-8400 | Core i7-7700K |
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マザーボード | ASUSTeK TUF Z370-PLUS GAMING(Intel Z370) | MSI Z270 GAMING PRO CARBON(Intel Z270) | |
メモリ | G.Skill Ripjaws 4 Series F4-2666C16Q-16GRB(DDR4-2666、4GB×4) | Kingston HyperX HX424C15FB2K2/16(DDR4-2400、8GB×2) | |
グラフィックスカード | NVIDIA GeForce GTX 1080 Ti | ||
SSD | WD Blue 3D NAND SSD WDS100T2B0A(Serial ATA 3.0、3D TLC、1TB) | ||
電源 | SilverStone Strider Platinum SST-ST55F-PT(80PLUS Platinum、550W) | ||
OS | Windows 10 PRO 64bit版 | ||
各環境でCPUとマザーボード、メモリについては構成を変えているが、CPUクーラー、グラフィックスカード、ストレージ、電源、OSについては同一としている。メモリは、Coffee Lake-Sはサポート上限であるDDR4-2666。ただし、4GBモジュールしかなかったため4枚装着している。一方、Core i7-7700K側はDDR4-2400が8GBモジュールなので2枚、ともに16GBでそろえた。CPUクーラーは、LGA 1151では普段空冷を使用しているが、今回は水冷の、それも大型のものを用意した。この理由については後述する。
CPU性能から見ていこう。CINEBENCH R15は、マルチスレッド(CPU)時では、6C/12TのCore i7-8700Kが特出している。コア/スレッド数の点でリードすることは間違いないと思われたが、ここまで差を付けたのは意外だ。
また、6C/6TのCore i5-8400も4C/8TのCore i7-7700Kのスコアに迫っている。シングルスレッド(CPU シングルコア)時については、およそクロックどおりの結果だ。Core i7-8700KはTurbo Boost時の最大クロックが高いため、頭一つ抜きん出ている。一方、Turbo Boost時が4GHz止まりのCore i5-8400は、シングルスレッド性能もほかの2製品よりも少し低い値となっている。
INDIGOBENCHも、CINEBENCH R15同様、3DCGのレンダリングを行うベンチマークだ。2つのシーンでレンダリングを行うが、基本的には全コア/全スレッドを使用する。結果、傾向としてはCINEBENCH R15のCPU時のものと同じ傾向が見られた。
ビデオエンコードを行うx265 HD Benchmarkでは、Core i7-8700Kがトップなのは当然として、Core i5-8400がCore i7-7700Kを上回ったところが興味深い。
SandraのCPU系ベンチマークでも、Core i5-8400がCore i7-7700Kを上回るデータがいくつか見られた。プロセッサの性能(マルチスレッド)や同(シングルスレッド)では、AVX2を利用するテストでCore i5-8400のスコアがCore i7-7700Kを上回っている。一方、AVXテストではCore i7-7700Kよりも若干低いポジションになる。
マルチメディア処理(マルチスレッド)でも、AVX2系のテストではCore i5-8400がCore i7-7700Kと並ぶ。全体的に見て、Core i5-8400はCore i7-7700Kといい勝負をしているように見える。一方、Core i7-8700KはCore i7-7700Kに対してかなり大幅にスコアを向上させているように見える。コアが2つ増えただけとは思えない。
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