CPU性能もゲーム性能もアップ!! Coffee Lake-Sの第8世代Core i7/5を検証するメインストリームに6コアの選択肢(3/6 ページ)

» 2017年10月06日 01時00分 公開
[石川ひさよしITmedia]

DDR4-2666に引き上げられた効果を確かめる

 CPUを離れてメモリに目を移してみよう。DDR4-2400からDDR4-2666に引き上げられた効果を見てみたい。まずはSandraの「メモリーの帯域」。DDR4-2666が有効となったCoffee Lake-Sの2製品は概ね31GB/sあたり。一方DDR4-2400のCore i7-7700Kは26GB/sあたりだ。およそ5GB/sの違いが見られた。

Sandra - メモリーの帯域(MT)

 Sandraの「キャッシュとメモリー」(マルチスレッド)では、多少荒れてはいるが、Coffee Lake-Sの2製品は2kB〜2MBの間でCore i7-7700Kを上回っていた。ちなみに、厳密に数値を見れば、4GBまでCoffee Lake-Sの2製品のほうが帯域は広い。4GB時点でも、Core i7-7700Kに対して2GB/s程度速い。16MB未満はコア数増加が効き、以降はDDR4-2666が効いた格好だ。

Sandra - キャッシュとメモリー(MT)

 Sandraの「メモリーのレイテンシ ページランダムアクセスパターン」でキャッシュメモリを含めたメモリ転送を見てみよう。基本的に似たようなグラフを描いており、唯一異なるのはCore i7-8700Kのみ16MB時点で少しレイテンシが低いところだ。これはLLCの容量の違いで、Core i7-8700Kが12MB、ほかの2製品は9MB、8MBなので、このテストにおいては後者2つが似たようなグラフになってしまっているわけだ。例えば、9MBのテストパターンがあれば、その時点でのCore i5-8400のレイテンシが若干低い結果になっていたことだろう。

Sandra - メモリーのレイテンシ ページランダムアクセスパターン

 システム全体のパフォーマンスとしてPCMark 10を見てみよう。総合スコアでは、Core i7-8700Kが8435、Core i5-8400が7569、Core i7-7700Kが7861となった。やはりCore i7-8700Kが頭一つ抜きん出ており、残る2製品はそれに追従する。その上で、アプリケーション性能に関しては、Core i7-7700KがCore i5-8400を若干リードし、Core i7の面目を保っている。

PCMark 10(Extended)

 PCMark 10のEssentialsテストについては、Core i5-8400のみ、ややほかの2製品に劣るが、Core i7の2製品は同等といったところだろう。App Start-upにバラつきが見られ、ここで差が付いた、あるいは埋まったようである。ただし、同じSSDを利用しており、CPUはそこまで影響するところではないので、システム側の要因とも考えられる。

PCMark 10(Extended - Essentials)

 同Digital Content Creationテストは、Core i7-8700Kが本格的に大きなリードを築き始めた。マルチスレッドの比率が大きいのだろう。ただ、Core i5-8400がCore i7-7700Kを上回る項目も多い。この分野での利用では、Core i5-8400がCore i7-7700Kの代替になりそうだ。Hyper-Threadingも効くが、コア数がものを言うようでもある。

PCMark 10(Extended - Digital Contents Creation)

 同Productivityテストは接戦という印象だ。2つのテスト項目のうち、SpreadsheetsについてはCore i7-8700K>Core i5-8400>Core i7-7700Kの順だが、WritingについてはCore i7-7700K>Core i7-8700K>Core i5-8400へと順位が変わる。Core i7-8700Kが順位を落とす要因はあまり考えられないのだが、ここまでのテストを見た印象ではストレージが足を引っ張ったのだろうか。ただ、それが要因であれば、CPUが理由ではないので、改善が進めばリードに転じる可能性は残されている。

PCMark 10(Extended - Productivity)

 同Gamingテストについては、Core i7-8700Kが大きくリードし、Core i5-8400とCore i7-7700Kは同等という総合スコアだった。ただし、後ろ2つの製品は、GraphicsテストではCore i5-8400がリード、PhysicsではHyper-Threadingの効くCore i7-7700Kがリード、そしてCombinedでは再びCore i5-8400がリードといった具合で、得手・不得手がはっきりとした。全体的に見ればCore i5-8400のゲーム性能はCore i7-7700Kに匹敵するといった印象だろうか。そこを3DMarkで確かめてみよう。

PCMark 10(Extended - Gaming)

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