3DMarkのTime Spy〜Fire Strike Extremeまでは、Graphics scoreはほぼ横並びで、Core i7-8700KのみPhysics scoreで差が付いた印象だ。ところがFire StrikeではGraphics scoreとCombined scoreにも差が生まれた。DirectX 12/11とは別に、どうやらGPU負荷が低いとき、CPU性能による差が生まれるようである。とはいえ、Hyper-Threadingはあまり関係のないようで、Physics scoreについてはCore i5-8400がCore i7-7700Kを抜くことはなかった。ではリアルなコア数だろうか。
実際のゲームのビルトインベンチマークを2つ試してみた。Tom Clancy's Ghost Recon Wildlandsでは、Core i7-8700K>Core i5-8400>Core i7-7700Kと、Coffee Lake-Sの2製品がリードした。特に1920×1080ピクセル環境では、トップのCore i7-8700Kと、Core i7-7700Kに4fpsの差がついており、このくらいだと体感的にも違いが分かる。
続くRise of the Tomb Raiderも、3840×2160ピクセルについてはほぼ同じだが、1920×1080ピクセルでは先と同様の順で、さらにCoffee Lake-Sの2製品のリードが明確になった。こうして見ると、ゲーム環境視点でCPUを選ぶのであれば、Coffee Lake-Sを選ぶとよいと言えそうだ。
続いて、統合GPU性能を見てみよう。検証環境は基本的に同じまま、グラフィックスカードを外しただけでテストをしている。ちなみに、3製品の違いは、Coffee Lake-Sの2製品がIntel UHD Graphics 630、Core i7-7700KがIntel HD Graphics 630。そして実行ユニット(EU)数については、順に24基、23基、24基で、Core i5-8400のみ1基少ない。最大クロックは、1.2GHz、1.05GHz、1.15GHzで、これもCore i5-8400のみやや低い。
3DMarkについては、OverallはすべてCore i7-8700K>Core i7-7700K>Core i5-8400の順で、基本的にはグラフィックスカードを搭載した際の先ほどの3DMarkスコアと同じ傾向である。
Graphics scoreでは、概ねEU数やクロックに応じた結果のように見えるのだが、Cloud GateとIce Stormについては、なぜかCore i7-8700Kのみほかと比べてリードが大きくなる。ちなみに、Physics scoreについては、Cloud Gateのみスレッド数の順だが、ほかの3項目ではCore i5-8400とCore i7-7700Kが並ぶかCore i5-8400が若干リードする。このように、Coffee Lake-Sの2製品は、ES品での検証にはなるが、時として不思議なブーストがかかったりかからなかったりと、不自然な結果になっている。
ゲームベンチとしては、ドラゴンクエストX ベンチマークソフトとファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマークを試した。2つまとめてグラフを見れば分かるとおり、Core i7-8700Kはほかを圧倒、Core i5-8400とCore i7-7700Kは、同等か全体を通して見ればCore i5-8400のほうがよいスコアとなった。
ただし、ここもスペックを見る限り、Coffee Lake-Sがここまで高いスコアになる理由がない。メモリがDDR4-2666となったことで底上げされているのはあるだろう。ただし、Core i7-8700KについてはEUはCore i7-7700Kと同等で、クロックは50MHz差しかなく、DDR4-2666で帯域が拡大した程度でこれほど大きなリードが生まれるとは思えない。
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