さて、ここから各製品の特徴を語っていこう。といっても、その差はデザイン面が中心なので、かぶった感じなどはあくまで筆者の「主観」である。その点をご了承いただきたい。また、冒頭で5社のHMDが並んだ写真を紹介しているが、レノボのみまだ国内での正式な発売情報が公表されていないため、ここでは割愛させていただく。
事前に開発者向けバージョンが販売されていたこともあり、日本で現在、最も手に入りやすいWMR対応HMD。開発者向けバージョンは筆者も所有している。
価格:5万5000円前後(税別)/発売済み
青いボディーがとにかく目立つ。本体が軽く、かぶりやすいのだが、開発者バージョンはバンドが簡素で頭への固定がしづらい、ヘッドフォン端子の位置が奥まっていて挿しづらいという欠点があった。しかし、製品版では双方ともに改良が加えられた。バンドはしっかり固定できるパッド付きになり、ヘッドフォン端子は短いケーブルで耳のあたりでつけるような形に変わった。
大手家電店にも在庫があり、今買うならこれ、ということになるが、実は他社製品より少々高価。税込みだと6万円近くになってしまう。
HPも事前に開発者向けバージョンを出していたが、Acerに比べて後から出たため、こちらはあまり目立っていない印象。販売も量販店ではなく直販のみ。Acerのものに比べてもさらに若干高い。そこが最大の難点だろうか。
価格:5万9800円前後(税別)/発売済み
特徴は「ずれないでしっかりかぶれる」こと。筆者が試したときには、Acerのものしか比較対象がなかったため、「HPはずれない」という印象が非常に強かった。後頭部のパッドが横に長く、しっかりしている。ただし、Acerも製品版で改良されたので、比較するとどうかは、ちょっと判断が難しいところ。Acerのデザインは派手過ぎる、という人にも選びやすい。
国内PCメーカー勢唯一のWMR対応HMD。「だから国産」と思われそうだが、すでに述べたように、HMD自体はMicrosoftが技術を提供して特定のパートナーとともに製造しているので、富士通が直接製造しているわけではない。今回、富士通もHMDの提供に関するパートナーになったと考えると分かりやすい。
価格:5万円強(税別)/発売時期:11月下旬
実機を試したときの印象は、「Acerにすごく近い」というもの。それは、Acerの開発者バージョンに近い付け心地だったからだ。すなわち、軽く付けられるけれど後頭部の安定がちょっと弱い、という感じ。なんとなく関係が予想できる。
最大の強みは、国内大手だけに、量販店での扱いが多くなるであろうこと。PC系の大きな量販店が近くにない……というところでも、富士通のPCを扱っている量販店ならば展示などが行われる可能性がある。入手性も一番高くなる、と考えてよさそうだ。発売は少し先だが、AcerやHPのものより価格も若干安くなっている。
白いボディーが特徴的なDELLのHMD。発売時期は一番遅いが、価格はぐっと抑えめで、最も安価なWindows MR HMDになる。HMDは白いが、ハンドコントローラーは他社と同じものなので、色はブラックのみだ。
価格:4万9500円(税抜き)/発売時期:12月9日
安価だがかぶり心地はかなり良く、HPのものと同様に高い評価を与えられる。Acerの製品版やDELLの製品は後頭部にある丸いハンドル状のパーツで締め具合を調整できるのが便利だ。白いボディーであることが気にならないなら、筆者としてはイチオシだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.