入力機器部門のベストバイには、ロジクールのマウス「MX Anywhere 2」を推したい。同時に発表されたフラグシップモデル「MX Master 2S」や、その後登場した数年ぶりのトラックボールの新製品「MX ERGO」の影に隠れて目立たないが、筆者的にはこれがベストバイである。
ベストバイである理由は、マウスとしては無難な形状であり、利用にあたって学習を必要としないことだ。前述のMX Master 2SやMX ERGOのように高機能な製品は、その代償としてユーザー側が製品にある程度合わせてやる必要がある。
これはエルゴノミクスデザインうんぬんとは関係なく、その製品ならではのボタンの配置などに、ユーザーが慣れなくてはいけないという意味だ。これは使い込んで慣れればどんどん便利になっていく反面、他のマウスなどを使った場合に違和感が生じやすくなる欠点を併せ持つ。後継製品が出た場合も同様だ。
そうした意味でこのMX Anywhere 2は、無理に製品に合わせなくともすぐ使え、またMX Master 2Sほどではないにせよ機能も豊富であることから、ベストバイに値すると考える。充電しながら有線で使うことも可能な他、複数PCにまたがって操作できる「FLOW」にも対応しており、見た目無難な形状からは想像できないほどの実力派だ。
2016年に初めて海外メーカー製のルーターに買い替え、インタフェースの完成度が高いことに驚いた筆者だが、2017年に入ってまた新たな機種へと入れ替える羽目になった。それがSynologyの無線ルーター「RT2600ac」である。
この製品、フットプリントは広く、また4本のアンテナが外部にせり出している関係で、設置性はお世辞にも良いとは言えない。これまで筆者が使っていたルーターは例外なく縦型で、設置スペースは最小限で済んでいたので、その点において評価は全く高くない。
では何が優れているのかというと、管理画面の操作性だ。SynologyはNAS製品の完成度の高さでは定評があり、筆者も複数の製品を愛用しているが、その使いやすさはWebブラウザからアクセスできる管理画面の作りに負うところが大きい。項目の分類は分かりやすく、操作性に優れ、かつレスポンスも速いという、他メーカーがお手本にすべき完成度の高さだ。
このRT2600acでは、その管理画面の設計がそのまま引き継がれており、ネットワーク周りの設定の分かりやすさは、2016年に紹介したTP-LINK「Archer C9」を上回る。また定期再起動のスケジュール設定、デバイスごとのインターネットアクセスの優先度の設定など、国産のルーターにはあまりないか、あっても設定が難しい機能も扱いやすい。
今回のRT2600acはSOHO利用も視野に入れた製品で、実売価格も2万7000円(税別)前後とややハイエンドだが、これだけ完成度が高いと、今後出て来るであろう家庭向けの製品は、国産メーカーにとっても脅威となることは確実だ。そのためにもまず、もう少しフットプリントの小さい、設置性の高いボディーを要望したいところだ。
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