Amazon Echoから家電を音声操作できるスマートリモコン「eRemote」を試す山口真弘のスマートスピーカー暮らし(3/3 ページ)

» 2017年12月29日 12時00分 公開
[山口真弘ITmedia]
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さもスムーズに行ったように見えるが実は……

 と、こうして手順をまとめると、さもスムーズに行ったように見えるが、設定フローの至るところに落とし穴があり、難易度は非常に高い。今でこそ筆者宅では問題なく使えているが、当初は何度やってもうまく行えず、頭を冷やすためにしばらく放置していた期間があったほどだ。

 初めて本製品に触れたユーザーが引っ掛かりやすそうな点を以下に挙げた。

 (1)スキルを有効化してデバイスを検出するステップ。何度やってもデバイスが見つからない場合がある。筆者宅では先に登録済みだったPhilips Hueをいったん削除することで見つけられたが、名前が重複していたわけでもなく、原因は不明なままだ。

 (2)Alexaアプリから認識させるためには、家電の種類を問わず、いったんはeHomeアプリで「照明」として登録しなければいけない問題。機能の不備を裏ワザ的なやり方で補っている格好で、製品の完成度はお世辞にも高いとは言えない。

 (3)そもそもeHomeアプリでできることが全てAlexaアプリでできるわけではなく、できる操作は実質的に家電製品の電源オン・オフに限られること。電源オン・オフ以外の操作を可能にするやり方もなくはないが、大変な手間がかかるため、現状では電源オン・オフのみにとどめておくのが無難だろう。

eRemoteeRemote 最初の段階でWi-Fiが見つからないケースもしばしば(画像=左)。2.4GHz帯で接続していても、ルーターのステルス機能などが障害になっている場合もあるようだ。いきなり上から目線のメッセージが表示されることも……(画像=右)
eRemoteeRemote リモコン学習中の様子(画像=左)。特定のボタン操作をすると「スキップしますか?」と尋ねられるのだが、選択肢が「はい」「いいえ」でなく文言も紛らわしいため操作に迷う。こうしたアフォーダンスの問題は至るところに見られる。Alexaアプリでエアコンを認識させるためには、本製品にエアコンを登録する際「照明」として登録した後、名前をエアコンに変えなくてはいけない(画像=右)

 全体的に言えることは、何かの拍子に定められた設定フローから外れると、それを解決する手段が乏しいことだ。原因も分からず、解決の手段もはっきりしないとなると、最初からいったんやり直すのが手っ取り早いということになり、それを二度三度と繰り返すと相当な手間もかかるし、神経もすり減る。

 ただ、いったん設定できてしまえば、前回紹介した「NatureRemo」に比べて反応するまでのタイムラグも短く(恐らくIFTTTを経由するか否かの違いだろう)、至って快適に利用できる。利用できる機能は実質電源のオン・オフのみとはいえ、設定時にあれだけててこずったのは何だったのかと首をひねるほど、いい意味で存在を感じさせない。

 とはいえ、次に何らかの拍子にトラブルが発生した場合に自力で解決できる自信はあまりなく、筆者の中では「正しく動くようになってしまえば、設定をなるべく変更したくない典型的製品」の座を不動のものとしている。かなりの難度の高い製品と言っていいだろう。

 以上の通りなのだが、この辺りは他のスマートリモコンとも比べてみなければ、評価しづらい部分がある。近日中に直接の競合となるラトックシステムのRS-WFIREX3も使い比べ、あらためてスマートリモコンのあるべき姿を探ってみたい。

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