2017年のAppleと、これからのApple――林信行が2017年を総括(3/3 ページ)

» 2017年12月31日 18時00分 公開
[林信行ITmedia]
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2018年はショッピング体験が大きく変わる年

 AppleやGoogle、Microsoftといった大手プラットフォーマーによる新たな種まきが行われる一方で、これまで種だったり小さな芽だったりした技術トレンドのいくつかが2018年にも大きな花を咲かせ、デジタル時代の新しいライフスタイルとして実を結ぼうとしている。

2016年から日本でサービスが始まった「Apple Pay」

 LINE Payに代表されるメッセージ機能を使った支払いシステムもその1つで、日本ではまだだが米国では既にAppleもApple Pay CashというiMesasgeサービスを使って個人間で金銭を送りあえるサービスが始まっている。LINEと異なり、Apple Pay Cashでは(現時点では)個人が企業に対して支払いをしようとしても送り先となるメッセージアカウントがないが、冒頭でも紹介した2018年スタートのBusiness ChatはただのCRM(顧客管理システム)だけではなく、こうした支払い先の受け口としいう役割もある。

 急騰と暴落を繰り返しているビットコインに代表される仮装通貨も、金銭のやりとりのプラットフォームとして着実に広がりを見せている(これからどういう規制がかかるかは気になるところだが)。世界中で少しずつ支払い受付店舗も増えており、日本ではそこに量販店のビックカメラや旅行代理店のH.I.S.なども加わった。

アキバでは仮想通貨での決済に対応したショップもある

 こうしたクレジットカードに変わる新しい直接支払い手段とApple PayやGoogle Payなどの仕組み、そして従来通りのクレジットカードや現金といった仕組みがこれからオリンピックへと向かう日本でどのような購買体験を生み出すのか、2018年はある意味、その行く末を左右する年になりそうだ。

 一方で、ファッション×テクノロジーの接点に生まれるFashion Tech関連でも、ZOZOTOWNが着るだけで体型を採寸してくれる「ZOZOSUIT」の無料配布を発表したことで一気に注目度が高まってきた。

 採寸サービスとしては既にVirtusizeというサービスが国内のさまざまなファッション系ECサイトと契約を結び、日本最大シェアをうたい始めている。これは一度、買った洋服の着丈や袖丈が合わなかった場合、それを基準とした寸法を登録して、センサーに頼らない採寸を売りにしている。

Virtusize

 この他、Instagramやテレビドラマを見て、気になる洋服やファッションアイテムを見つけたときに、画像認識を使ってかなりの高確率で実際の製品を探し出すMarkableといったサービスも登場している。

 2018年は、これまでニュースで見聞きするだけだったFashionTechが、いよいよ日常の買い物と密接にリンクしはじめるはずだ。他にも注目サービスは数多くあるが、とりあえずこの記事ではこの2つの紹介にとどめておこう。

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