ベンチマークテストの結果を見よう。評価機はCPUがCore i7-8650U、メモリが16GB(LPDDR3-1866)、ストレージが1TBのPCI Express SSD、外部GPUがGeForce GTX1050(2GB)、OSがWindows 10 Pro 64bit(1709)という内容だ。クアッドコアのパワーをどれだけ発揮できるのかに注目したい。
マルチスレッド性能の目安となるCINEBENCH R15のCPUスコアは677。2年前にレビューした初代Surface Bookのスコアは333だったので、その差は2倍以上だ。クアッドコアでなければ出せないスコアをしっかり発揮できている。
シングルスレッド性能の目安であるCPUシングルコアも174と高いのも見逃せない。初代は131で、33%も性能が向上している。3DMark、FINAL FANTASY XIV:紅蓮のリベレーターベンチマークのスコアも標準的な3DゲームがフルHD解像度でプレイできるだけのスコアをマークしている。
実際のクリエイティブツールでの性能をCore i7-7700HQ(TDP45W)を搭載したゲーミングノートPCと比較してみた。こちらはメモリ16GB、ストレージは256GB SATA SSD、GeForce GTX 1050(2GB)、Windows 10 64bit(1709)というスペックの製品だ。
意外なことに、Adobe Lightroom Classic CCのRAW現像、Adobe Photoshop CCでのフィルタ処理ではそれよりも高速だった。ストレージが高速であることに加えて、シングルスレッド処理が高いことも影響していると思われる。
ただ、より負荷の高いAdobe Premiere Pro CCの4K動画エンコードでは見劣り、特に負荷が高いH.265エンコードでは差をつけられている。やはり高負荷が長い時間続く処理ではTDPに余裕があるモデルのほうが強いようだ。それでも十分魅力的なパワーだろう。
バッテリーの公称駆動時間は約17時間と非常に長い。bbench 1.01(海人氏・作)による計測では、10秒間隔でテキスト入力、60秒間隔でWebサイト巡回(10サイト)という条件でテストしたが、残り20%までで11時間20分、残り5%までは13時間36分動作した。公称値には及ばなかったものの、十分な駆動時間だろう。
動作音もアイドル時や低負荷時はもちろん、CINEBENCH R15やAdobe Premiere Proのエンコード中も意識しないと分からないレベルだ。一方、FINAL FANTASY XIV:紅蓮のリベレーターベンチマークのようにGPUに負荷がかかるとはっきりファンが回る音がする。
画面側にCPU、キーボード部にGPUがある構造のため、負荷がCPU中心のAdobe Premiere Proなどではキーボード部はほとんど熱を帯びない。FINAL FANTASY XIV:紅蓮のリベレーターベンチマークなどを実行してGPUに負荷をかけるとやはり発熱を感じるが、じんわり暖かいという程度に抑えられている。
独特の表面仕上げによる高品位なボディー、美しさと使いやすさを兼ね備えたキーボード、高解像度高精細で明るく広色域の液晶ディスプレイ、画面だけを取り外してタブレットとして使えるギミック、書き味の良いSurfaceペンが使えることなど、先代から受け継ぐ特徴は今でもとても魅力的だ。
これにクアッドコアCPUと最新GPUのパワー、先進のUSB Type-Cが加わったことで、魅力は大幅にアップした。特にパフォーマンスアップは大きく、クリエイターの道具としても十分使えるパフォーマンスを手に入れ、想定ターゲットの1つに上げられているクリエイター向けということもより説得力が出てきた。もちろん、このパフォーマンスがあれば、クリエイティブに限らず、ビジネスも快適だし、3Dゲーム、VRやMRなど、幅広く活用できる。
この高いパフォーマンスを従来から引き継ぐ付加価値をまったく損なわずに融合したことが、Surface Book 2の良さだ。Core i5搭載モデルで約20万円、Core i7搭載モデルは26万2224円(税込)からと安くはないが、プレミアムノートPCとしてその価格も十分納得できる製品に仕上がっている。
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