結果は約3〜4週間で登録したメールアドレスに届くとのことでしたが、実際は10日ほどで結果が判明。今回は筋肉の力(ACTN3)、糖分による老化の影響度合い(AGER)、言語能力(FOXP2)、食欲(LEPR)の4項目が検査されていました。
筋肉の項目では、「この遺伝子型は非常にまれで、全体の10%しかいない」「急激なエネルギーや素早い動きは不向き」「自転車、ハイキング、トライアスロンなど、持久力が必要なアクティビティに優れている可能性がある」(意訳)と、全体の何%が持つ遺伝子型か、どんなスポーツに向いているかを教えてくれました。確かにボクシングやスプリント系の動きは苦手なので当たっています。
それ以外の項目は、人口別に分けるとどれも平均的な結果で、「糖分の多い食品を食べすぎると糖化によって肌が老化する」「肥満のリスクは低いので定期的な運動を」と、当たり障りのないコメントでした。
確かに自分のDNAを調べることで、スポーツやライフスタイルの向き不向きが分かるのは、性格分析のようで面白みがあります。親が子どもにスポーツを勧めるときの参考にもなるでしょう。
しかし結果が判明するだけでは、読み物の1つとして終わってしまいます。それどころか私は、言語能力で「このタイプは人口の35%に見られ、語学のスキル習得には時間がかかる」とショッキングな結果が出て、語学学習のモチベーションが多少下がってしまいました。
もちろんDNAで全てが決まるわけではなく、環境や行動による影響も考慮する必要があります。ただ、子どもが自分のDNAの型を知ったがために、興味の分野が狭まったり、挑戦する機会を失ったりするような未来だけは避けなければいけません。
遺伝子検査は、利用者が「新しいスポーツを始めたい」「生活習慣を改善したい」など明確な目的を持ち、結果を元にポジティブな行動に移すことで、初めて意味を持つと実感しました。だからこそサービス提供者も、検査結果をレポートするだけでなく、利用者が次の行動に移るサポートを行う体制が重要となるでしょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.