ではそのグラフィック性能を3DMarkで確認しよう。DirectX 9のIce Storm、DirectX 10のCloud Gate、DirectX 11のSky DiverとFire Strikeのスコアをピックアップしたが、どれもVEGAを統合するRyzen勢がリードしている。Ryzen 3 2200Gのスコアは、Ryzen 5 2400Gと比べればやや低くなる。ここがCUの数の違いだろう。
ドラゴンクエストX ベンチマークソフトでもRyzen勢はリードを見せている。特にRyzen 5 2400Gは1920×1080ピクセルの最高品質で「すごく快適」の評価を出しており、このクラスの負荷のタイトルであればフルHDでも十分に楽しめることが分かる。
Ultra Street Fighter IVはやや古いタイトルであるが、これも画質を最大に引き上げた状態とした。Ryzen 5およびRyzen 3は1920×1080ピクセルで60fpsを上回り、ランクA評価を出している。
やや負荷が上がるファイナルファンタジーXIV:紅蓮のリベレーター ベンチマークを見ると、Ryzen 5、Ryzen 3は1280×720ピクセルの標準品質(デスクトップ)では60fps近く、1920×1080ピクセルでは30fps超を出している。つまり、負荷を下げれば海外FPSタイトルも動くのではないかと期待が持てる。
そこで、Assassin's Creed Origins、Far Cry PRIMAL、Tom Clancy's Ghost Recon Wildlandsという3つのタイトルを、1280×720ピクセルで最も負荷の低いプリセットで試してみた。
結果、Ryzen 5 2400Gは、3タイトルとも30fps以上、Far Cry PRIMALについては60fps以上のスコアが出た。映像の描画もスムーズだ。Assasin's Cread Originは60fpsを求めるのでやや心もとないが、プレイ自体は可能な印象を受けた。
一方、Ryzen 3 2200Gもまずまず良いスコアを出しているが、Tom Clancy's Ghost Recon Wildlandsのみベンチマークが完走せず計測できなかった。これは初期の調整不足によるものと思われる。
全体的に見て、60フレームが重要となるシビアなタイトルには適さないかもしれないが、もう少しゆったりと楽しめるタイトルであればAPU版Ryzenで楽しむというのもアリではないだろうか。
消費電力については、ここも明るい結果が出ている。Ryzen 5とRyzen 3の消費電力は、TDP 95WのA10-7870Kを大きく下回り、Core i5-8400相当に落ち着いている。
高負荷時はRyzen 5、Ryzen 3とCore i5-8400で逆転しているが、これはトランジスタ数のバランスの問題だろう。真逆の値であるところが面白い。Ryzen 3 2200GはGPU高負荷時も70W台に収まっていた。CPUのクロックと、GPUでの3CUの差がここに現れたのではないだろうか。
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