第8世代CoreとGTX 1070 Tiのデュアル水冷で冷却性能と静音性を両立 「G-Master Hydro Z370」を徹底検証(1/3 ページ)

簡易水冷も自作PCではポピュラーな存在になってきた。とはいえ、主にCPU用がほとんど。CPUとGPU、ともに簡易水冷でケース内部の温度を極力上昇させないPCというのは夢のある話だ。

» 2018年03月14日 10時00分 公開
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幅広いスペックで“デュアル水冷”が選べるサイコム

サイコムの「G-Master Hydro Z370」シリーズ

 冷却性能と静音性のバランスが良い水冷システム。昨今、本格水冷はMOD(改造PC)と呼ばれる自作PCの中でも注目を集めているギミックの1つだが、一方で手軽に導入できるのがメンテナンスフリーの簡易水冷だ。

 ただし、簡易水冷でも、ラジエーターを装着するためにケースを選ぶ必要があり、特にCPUとGPUの両方を水冷する「デュアル水冷」を市販のパーツで実現しようとする場合は、グラフィックスカードにも制限がある。

 例えば、GeForce GTX 1080 Tiのような最上位モデルであれば、簡易水冷モデルも登場しているが、それより手ごろな価格で手が届くハイエンドGPU、GeForce GTX 1080や1070を搭載する簡易水冷モデルは入手が難しい。

 そこで出番となるのが、サイコムのゲーミングPC「G-Master Hydro Z370」だ。幅広いGPUの中から簡易水冷のグラフィックスカードが選べる特徴を持つ。GeForce GTX 1070や1080、そしてGeForce GTX 1070 Tiも、もちろん最上位のGeForce GTX 1080 Tiも選択できる。サイコムならではのBTOといえるだろう。

 もちろん、デュアル水冷システムなので、CPUも簡易水冷だ。簡易水冷は、熱輸送効率に優れる水(冷却液)を用いて、熱源から遠く離れたラジエーターに、速やかに熱を移すことができる。

 また、ラジエーターはCPUソケットから離れた場所に設置できるため、サイズの制限が空冷クーラーと比べて緩い。ポンプを搭載し、チューブ内に冷却液が流れるため、無音とはいかないものの、その効率の良さから冷却ファンの回転数の変動が小さく、ファンノイズを一定のボリュームにキープできる。

冷却システムにデュアル水冷を採用

 あらかじめ動作音の値を紹介しておくと、ケース前面から20cmの距離で計測したアイドル時の最小値は34.8dBA、3DMark FireStrike実行中の最大値で35.5dBAほどしかなかった(環境騒音30dBA以下で測定)。30dBA台半ばであるので、静かな環境で耳を澄ましたときにようやく聞こえる程度、いわゆる“図書館の中”と表現されるレベルだ。

 一応、アイドル時の静かさについては、過去のレビューの感触からすると、同社の静音PC「Silent-Master」のほうが静かなのだが、本製品の場合は負荷変動に対してファンのノイズの変動がほとんどない。簡易水冷によって高性能なグラフィックスカードも使えるため、ゲーム中のプレイの快適さは上のグレードといえる。

 それでは、G-Master Hydro Z370シリーズの内部に迫っていこう。

静音志向の窒息系ケースを採用。外観に水冷感はないが抜群の静音性

 今回の評価機は、標準構成からBTOでカスタマイズした製品で、グラフィックスはGeForce GTX 1070から1070 Tiへ、メモリは8GBから16GBへ、また、セカンダリーHDDを別途追加するなど一部のスペックを強化している。それ以外は標準構成に沿った内容だ。

 ケースはFractal Designの「Define R5」を採用。先日、後継モデルのR6が登場しているが、Define R5はFractal Designの定番ATXミドルタワーモデルで人気が高い。特にシンプルなフェースと、メンテナンス性の良い内部構造、そして拡張性の高さがデュアル水冷システムにぴったりだ。

 なお、サイコムのPCというと、スタンダードモデルではPCケースまでBTOできる選択肢の幅が特徴だが、静音PCはケースが限られる。これはコンセプトを実現できるケースを厳選し、最適化を図っているためだ。本モデルもDefine R5で固定となっている。

ケースはFractal Design Define R5。フラットな前面パネルでPCらしさを抑えたデザインだ

 フロントマスクのデザインは、先に説明した通りシンプルさが特徴だ。ゲーミングPCはいかついケースかシンプルなケースで2つに分かれる傾向にあるが、本製品の場合は後者だ。

 動作音が静かで見た目は普通のPCだが、内部はゲーミングスペックというギャップが面白い。フロントパネル内の最上段に光学ドライブも備えているので、オンライン販売ではない光学メディアを用いたゲームタイトルのインストールも本体のみで行える。ケース底面と、天板にはフィルターが装着されておりホコリの除去が簡単にできる。下部のフィルターはスライド式、天板部はマグネット式だ。

天板部前面寄りにフロントインタフェースを搭載。電源およびリセットボタン、USB 2.0とUSB 3.0、オーディオ端子はここから着脱できる。前面パネルを開けば最上段に光学ドライブが搭載されている。その下には14cm角ファンがあり、左右のスリットから吸気を行うとともに、その手前にはフィルター、パネル裏には吸音板が装着されている

フィルターはケース底面と天板部にも装着されている。どれも着脱が簡単で、メンテナンスしやすい。拡張ベイは上段2基が5インチで、それより下段は全て3.5インチ。3.5インチベイはカートリッジ式だ

静音志向の本製品ではサイドパネルは通気口のないタイプが装着されていた。BTOではクリアパネルタイプも用意されている。内部にはゆとりがある

シャドーベイはカートリッジ式で増設時の手間が少ない。評価機では、8基のシャドーベイのうち最上段に2.5インチSSDを、1つ空けて3段目に3.5インチHDDを搭載していた

 水冷ラジエーターは、CPU側が天板部に、GPU側が背面に搭載されている。製品サイトでは、ともに天板部に搭載された写真もあるが、このあたりチューブの長さなどの制限もあるので、製品によって変わる可能性があるだろう。天板部にはもう1つ、14cm角ファンが搭載されていた。

CPUのラジエーターは天板部に、GPUのラジエーターは背面へと、分けて搭載されている

それぞれの水冷チューブの取り回し

 電源ユニットは底面に配置する現在のトレンドに沿ったデザインだ。搭載されていたのはSilverStoneの「SST-ST75F-GS V2」。80PLUS GOLD認証で奥行きが14cmと短めながら出力750Wと、ハイエンドGPUを搭載するゲーミングPCでも十分な出力を実現している。また、フルプラグイン方式なのでケーブルもきれいにまとめられる。なお、電源もBTOに対応しているので、メーカーやモデル、出力を、その他のBTO項目に合わせて選択可能だ。

底面に配置された電源は、プラグイン方式の750Wモデル。ケーブルは必要なものだけ装着されており、そのケーブルも裏面配線が施されている

 ここまで紹介してきたように、2基のラジエーター上に12cm角ファン、天板部と前面に14cm角ファン、電源とグラフィックスカード上にもファンがあるので、全体で見れば6基と、比較的多い。

 ただし、いわゆる“窒息系”ケースを採用しており、吸音板もあり、不必要な吸気口は閉じられている。さらに簡易水冷の高効率によりファン自体が低回転で済むため、全体としてとても静かだ。

サイドパネルはツールレスで開閉できる
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提供:株式会社サイコム
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2018年3月20日

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