Amazon Echo Dotを完全無線化するバッテリー「SmaCup Plus」を試す山口真弘のスマートスピーカー暮らし(2/2 ページ)

» 2018年04月11日 14時00分 公開
[山口真弘ITmedia]
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約1日弱のバッテリー駆動が可能、目覚まし時計としての利用も

 SmaCup Plusの最大の利点が、バッテリー駆動により、持ち歩きが可能になることだ。これにより、部屋から部屋へと移動しても、常に身近にスマートスピーカーを置いて使える。

 単にバッテリーを搭載したスマートスピーカーであれば、Googleアシスタントに対応した「JBL LINK」シリーズがそうだし、LINEの「Clova」シリーズもそうなのだが、これらは電源ケーブルを抜いて一定時間が経過すると自動的にスリープモードに入ってしまうため、バッテリー駆動だと起床時の目覚まし時計代わりには使えない。

 これに対してSmaCup Plusは、スリープモードなる概念がないので(外付けのサードパーティー製品でバッテリー駆動させているだけなので当然だ)、バッテリーが完全になくなった場合を除き、いつでも電源ケーブルをつないでいるのと同じように応答する。それ故、就寝時にベッドの枕元に持ってきて、起床時の目覚まし時計代わりに使うことも全く差し支えなく行える。

 気になるのがバッテリー駆動時間だが、時間の確認や目覚ましのアラーム、ニュースの読み上げ、スマートリモコンの操作に使う程度であれば、1日弱はバッテリーが持つようだ。さすがに就寝前に音楽をガンガン聴いた後、充電せずそのまま目覚ましとして使うのは難しいだろうが、そうした極端な用途でなければ、就寝前に枕元に持ってきてから夜中にバッテリーがなくなる心配はなさそうだ。

 ただし充電に要する時間は、公称値で6〜8時間とやや長い。実際に試したところ、バッテリーが完全に空の状態から、約5時間程度で満充電となった。同容量帯のモバイルバッテリーと比べても、やや時間がかかる印象だ。

 説明書によると、音楽再生を続けている場合などはEcho Dotへの給電が優先されてバッテリーの充電は行われず、それらが終了して待機状態になって3分が経過した後に、バッテリーの充電が開始されるようだ。音楽再生のように待機状態がほぼない使い方をしている場合は、若干気を付けた方がよさそうだ。

 ちなみに本体の正面下部には電源ボタンの他、バッテリーの残量を示す4段階のLEDが配置されている。LEDがやや奥まった位置にある関係で、正面からでないと見えないのだが、そのおかげで夜中でもまぶしく感じない。一般的に、海外製品はLEDがまぶしすぎることが少なくないだけに、これはむしろ利点として挙げるべきポイントだろう。

SmaCup Plus ボディーサイズはEcho Dot単体に比べてやや大柄になるが、天板の音量調整などのボタンはもちろん、ヘッドフォンを差し込む背面のジャックもそのまま使える
SmaCup Plus 背面のMicro USBポートにケーブルを接続すれば、Echo Dotが待機状態のときにバッテリーを充電できる。もちろんその間もEcho Dotは通常時と同様に使える
SmaCup Plus 本体の正面下部には電源ボタンの他、バッテリーの残量を示す4段階のLEDが配置されている。満充電時は4つとも点灯状態となる

気になる点もあるが運用で解決できるレベル

 使っていて若干気になったのは、SmaCup Plusを取り付けたEcho Dotはほんのわずかにだが、水平方向の聞き取り性能が低下することだ。といっても、これまで10回呼び掛けて10回成功していたのが、うち1回は失敗するかしないかという程度なのだが、若干はっきりと声を出した方が、復唱する手間は省けるだろう。

 もう1つ、背面の外部充電用USBポートでスマートフォンやタブレットを充電しようとした際、タイミングによってはうまくいかないことがあった。個体の問題かもしれないが、充電を行う際は、ケーブルを差し込んだ際に対象デバイスの給電ランプがきちんと点灯したかどうか、確認を怠らない方がよいだろう。

 最後に、これは購入にあたっての注意点だが、SmaCup Plusは本体や製品ページなどを見る限り、PSE(電気用品安全法)マークが見当たらない。本製品が仮にモバイルバッテリーと見なされる場合、2019年1月31日までは猶予期間なので販売に問題はないのだが、それ以降は国内での販売自体がNGとなる可能性がある。猶予期間の終了後に購入を検討する場合、PSEマークがその時点で取得されているか、チェックした方がよいだろう。

SmaCup Plus 本体底面。今回入手した機材にはPSEマークが見当たらなかった
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