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» 2018年05月09日 10時00分 公開

意外な導入メリットに迫る:常識を覆す「バッテリーがないタブレット」が業務改善になる理由

「次はバッテリーを外したWindowsタブレットを販売します」――こんなお知らせを聞くと、一般的な消費者であればまず首をかしげるところだろう。「電源を抜くと使えないタブレットに何の価値があるのか」と。しかし、これが「大いにある」のだ。サードウェーブのバッテリーレス タブレット型 Windows PCが何を解決するのか、それを知るために、従来のサードウェーブWindowsタブレットを組み込み用途として採用した事例と、採用して浮かび上がった「ある問題」を紹介する。

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サードウェーブのバッテリーレスタブレット「Diginnos DG-BTL10IW」

Windowsタブレットによる運賃箱のIT化

 長距離高速バス向けの“運賃箱”でトップシェアを誇る一水製作所。サードウェーブのWindowsタブレットを組み込むことで、運賃箱のIT化に成功した。

従来、バスに乗せていた運賃箱は操作が全て物理的なボタンで、バス停表示には紙のシートを使っていた。そのため、路線やバス停などで少しでも変更があると、物理的なボタンやシートの交換が必要になり、そのメンテナンスには多大な労力とコストが掛かっていた。

 この問題を解決するために、一水製作所の経営企画課長兼プロジェクトマネージャーにして“自作PC”マニアの松田治氏は、自分が日ごろ利用しているPCショップ「ドスパラ」の運営会社であるサードウェーブが販売しているWindowsタブレットに着目した。運賃箱をタッチパネル操作とすることで、運行条件が変更になっても(さらには納品するバス事業者が異なっても)ソフトウェアでGUIデザインを変えるだけで済み、ハードウェアそのものはそのまま利用できる。

一水製作所が製作したタブレット内蔵運賃箱 サードウェーブのWindowsタブレットはメインディスプレイとシステムのコアに利用されている
Windowsタブレットが、電子マネー用カードリーダーなど各種機器のハブとなっている

 松田氏とともに開発に携わった同社システム部プロダクトマネージャーの田沢尚則氏は、クレジットカードや電子マネー用カードリーダー、車内でも予約システムにアクセスするためのLTEモバイルルーターなど、新しいデバイスの接続といった拡張性を考えるとWindowsタブレットが望ましいと説明する。

 一水製作所では、Windowsタブレット内蔵モデルを2015年から出荷開始した。従来のボタン式運賃箱そのままの操作レイアウトをタッチパネルのGUIで再現できるため、移行の操作学習に伴う労力と時間を大幅に削減できた。車内から予約システムをリアルタイムに利用できることで、乗車直前、または、路線途中のバス停でも席が空いていれば予約を受け付けることが可能になり、乗車率の向上にもつながった。そして、従来の車載専用機器と比べてWindowsタブレットが搭載するCPUの処理能力が高いことから、操作をしてから処理が終わるまでの時間が短縮できたことなど、“Windowsタブレット内蔵運賃箱”はバス事業者だけでなく現場の運転士からも高い評価を得た。

松田氏田沢氏 一水製作所の経営企画課長兼プロジェクトマネージャー松田治氏(左)と同社システム部プロダクトマネージャーの田沢尚則氏(右)

バッテリー起因の不具合が発生

 一方で、導入から1年が過ぎたあたりから少しずつ「不具合発生」のフィードバックが一水製作所に届くようになる。その多くは電源の常時接続による「バッテリーの劣化」が原因だった。まずその予兆は液晶ディスプレイに現れる。バッテリーが膨張し始め、その圧迫でディスプレイ中央部の表示がゆがみ始める。さらに症状が進むとディスプレイ中央部の液晶が欠損し、最終的にはタブレットのボディーがバッテリーの膨張に耐えきれず接合部分が開いてしまう。このような事例が続いたことで松田氏と田沢氏は、サードウェーブ営業統括本部パートナーセールス部法人向けモバイル製品担当スペシャリストの小堀亘氏に対応を依頼した。

タブレットを常時給電で使うリスク

サードウェーブ営業統括本部パートナーセールス部法人向けモバイル製品担当スペシャリストの小堀亘氏

 小堀氏は、その肩書にもあるようにタブレットをはじめとするモバイル関連の製品を法人ユーザーに販売するとともに、法人における需要を調査して活用提案を企画する立場にある。そのため、多種多様な現場におけるタブレットの利用実態を知ることになるが、その中には、サードウェーブが想定していなかった使い方も多かったという。その中でも小堀氏が特に驚いたのが、持ち歩いて使う前提のタブレットを据え置きで利用するケースが多かったことだ。その多くは、店舗のデジタルサイネージやPOS用端末として使っている。このような使い方では、バッテリー切れを避けるためタブレットにACアダプターを常時つなげることになる。これは、タブレットに内蔵するリチウムイオンバッテリーにとって非常に好ましくない状況だ。小堀氏はその理由を次のように説明する。

 「タブレットでは満充電になったらそこで充電は止まります。その後はバッテリーから放電して駆動しますが、ある程度放電してバッテリーが減ったら満充電になるまで充電を再開します。ACアダプターを常時接続していると充電と満充電を短い間隔で繰り返すことになり、バッテリーが劣化して寿命が短くなってしまうのです」

「バッテリーそのものをなくしてしまえばいい」

 劣化したバッテリーで充電を繰り返していると発熱が大きくなり、熱に弱い液晶にダメージを与え、さらに充電を繰り返すとバッテリーそのものが膨張する。このようなケースでは発煙、発火、さらには破裂につながる。サードウェーブがこの対策に取り掛かっていたタイミングで一水製作所から相談があったという。タブレットからバッテリーを取り出し、外部から給電する方法も試作機を作って試したが「結局、外に出したバッテリーも膨らんでしまうから同じだった」(田沢氏)という試行錯誤を重ねていた一水製作所に、サードウェーブが提案したのが「タブレットからバッテリーそのものをなくしてしまえばいい」というアイデアだった。

タブレットを常時給電で長期間使ったことによる、内蔵バッテリー膨張の例

 程度の差はあれ、タブレットは持ち歩いて使うものという大前提を覆すこのアイデア。タブレットベンダーではあり得ないアプローチと思えるが、利用目的や問題解決のために柔軟に発想できるというのが、ユーザーの要望に合わせて内部構成を自由に選択できるBTO(Build To Order:受注生産)に長けたサードウェーブらしいところだ。

「部品が少ないのに高い?」を上回るバッテリーレスのメリット

 サードウェーブでは組み込み機器向けの「Windows 10 IoT」を導入するが、価格はWindowsタブレット現行モデル「DG-D10IW3SLi」を超えてしまう。しかし、製品寿命を考えた場合、短期間の満充電を繰り返してバッテリーが劣化してしまい、早期に新しいタブレットに交換しなければならないことや、不具合が発生するリスクに絶えず備えなければならない労力を考えると、法人ユーザーとしては「安心して長く使えるなら、高くてもバッテリーレスのタブレット」という判断は極めて妥当なものだ。

 加えて、一水製作所は独自の観点からバッテリーレスタブレットとWindows 10 IoTの組み合わせを高く評価している。まず、運用としてこれまではタブレット本体の電源ボタンを押す必要があり、過度に放電してバッテリーが空になった状態ではタブレットが起動しないという問題が、バッテリーレスになったことで回避できるようになった。さらに、Windows 10 IoTはOSの起動後自動的に設定したUWPアプリが起動するため、製品である運賃箱の起動が速くなった。これはバス乗務員にとって「車両のメイン電源をオンすると同時にタブレット内蔵運賃箱も起動する」ことで扱いが大きく改善されたことを意味する。

 さらに、一水製作所の技術部門としても大きなメリットがあった。これまでは、バス事業者に納品するタブレットは一台ずつすべて一水製作所でアプリケーションをインストールしていたが、この作業が「1台当たり数時間×納品する台数」と非常に大きな負担となっていた。しかし、Windows 10 IoTをインストールしたタブレットでは規約上、タブレットベンダーが全てのアプリケーションまで整えた上で出荷することになっているため、インストール作業をサードウェーブに任せることが可能になった。「その作業に掛かる時間と人件費の削減は、タブレットの価格が高くなっても余りある」(松田氏)

 汎用のWindowsタブレットをPC代わりに据え置きにする、というのは確かに法人ユーザーにとって「十分あり」な使い方だろう。しかし、その行為には意外な危険が潜んでいる。そのリスクを回避するためにバッテリーをなくしてしまったバッテリーレスWindowsタブレットだが、それとともにWindows 10 IoTとの組み合わせで、専用機に匹敵できる利便性をもたらした。このように、Windowsタブレットを据え置きで利用している法人ユーザーにとって、バッテリーレスWindowsタブレットはTCO削減に貢献する有益な選択肢となるはずだ。

 サードウェーブは、5月9日から11日まで開催する「2018 Japan IT Week 春」内「第8回 モバイル活用展 春」にバッテリーレス タブレット型Windows PC 「Diginnos DG-BTL10IW」を出展する。実機展示のほか、高速バスに搭載されている運賃箱にWindowsタブレットを組み込むことでインテリジェント化した製品である「車内乗車券発売機(NJH2型)」に本機を搭載した一水製作所の試作機も展示する。バッテリーレス タブレットの活用事例を確かめるべく、足を運んでみてはいかがだろうか。

Diginnos DG-BTL10IW 仕様

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提供:株式会社サードウェーブ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2018年5月15日